[サウンド調整術入門]タイムアライメント…本格タイプの調整手順 その7

「タイムアライメント」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。
「タイムアライメント」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。全 1 枚

車内での音響的な不利要素に対処するための『サウンド調整術』について、多角的に解説してきた当コーナー。今回はその最終回として、「タイムアライメント」調整の操作方法のまとめをお届けする。これまでのおさらいとして、じっくりとお読みいただきたい。

早速本題に入ろう。「タイムアライメント」調整は、“測定”からスタートする。まずは、リスナーからスピーカーまでの距離を測る。そしてその数値を入力すれば、初期設定を完了できるのだ。ちなみに、測定においての“自分側の起点”の決め方は人それぞれだったりもする。左右の耳からの距離が測られることもあれば、鼻の頭あたりが起点とされるケースもある。どれも間違いではないので、自分なりに統一すればOKだ。一方スピーカー側は、振動板の中心あたりが起点とされることが多い。

なお測定するのは“直線距離”で良いのだが、サブウーファーだけはその限りではない。というのも、サブウーファーが発する低音は障害物を回り込んでリスナーに届く。なので、例えばサブウーファーがラゲッジスペースにあり、リアシートを越えて低音が回り込んでくるような場合には、その回り込む距離も含めて測定すべきだ。覚えておこう。

距離を入力し終わったら続いては微調整を進めていくこととなるのだが、その際には、他の調整項目も併せて整えることがコツとなる。特にケアすべきは「音量バランス」と「クロスオーバー」だ。

左右の「音量バランス」もそうだし、ツイーターとミッドウーファー間の「音量バランス」も整えたい。それらのバランスが整わないと「タイムアライメント」も合ってこないのだ。

そして、「クロスオーバー」では“位相”を合わせることに注力しよう。ツイーターとミッドウーファー間の“位相”が合わないと「タイムアライメント」も整わないと心得よう。

“位相”は、“スロープ”と“正相・逆相切り替えスイッチ”をいろいろと変えてみることで整えていこう。どの組み合わせのときにもっともサウンドのエネルギー感が得られるかを見極めれば整えられる。

『サウンドチューニング』は、総合的に煮詰めていくべきものである。「タイムアライメント」、「クロスオーバー」、「イコライザー」、「レベル」、これらを横断的に確認しながら、包括的に仕上げていこう。

さて次回からは、装いを新たにして、新コーナーにて『サウンドチューニング』を研究していく。乞うご期待!

『サウンド調整術』入門! 第5章「タイムアライメント」の調整方法 その10 本格タイプの調整手順 Vll

《太田祥三》

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