【アウディ TT 新型試乗】どこまでも走らせていたい、と思わせる…島崎七生人

今年フェイスリフトを受けたアウディTT

初代から受け継ぐ「バウハウス」的な機能美

どこまでも走らせていたい

アウディ TT 新型(S lineパッケージ)
アウディ TT 新型(S lineパッケージ)全 28 枚

今年フェイスリフトを受けたアウディTT

アウディ TT 新型(S lineパッケージ)アウディ TT 新型(S lineパッケージ)
全長×全幅×全高=4200×1830×1370mm(S lineパッケージ装着車)。相変わらず程よくコンパクトなボディサイズは好感が持てる。

初代『TT』の登場から今年で20年、3世代目にあたる現行型は、クワトロのクーペとロードスターを中心に、クーペはFFモデルと性能を高めた「TTS」と計4モデル展開だ。

試乗車は今年フェイスリフトを受けたモデル。パルスオレンジのボディ色も新規設定色だ。フロントまわりでは3Dハニカムメッシュグリルを新採用しており、『R8』のエッセンスを取り入れ、従来よりも表情豊かになった印象。

アウディ TT 新型(S lineパッケージ)アウディ TT 新型(S lineパッケージ)

初代から受け継ぐ「バウハウス」的な機能美

またスタンダードモデルでこれまでの「S Line」のデザインが与えられたほか、バンパー、サイドスカート、リヤディフューザーなども新しい。とはいえディテールにしても決して目に過剰なことがなく、スッキリとしたまとまりを見せている。『TT』の本来の持ち味であるバウハウス的な機能美はいささかも損なわれていない。

インテリアも各部にアルミのアクセントを効かせつつ基本的にシンプル。ふと気がつくのは今どきあたり前になった大型センターディスプレイを持たないことで、ナビ画面や各種表示はメーター内のディスプレイに集約されているということ。

アウディ TT 新型(S lineパッケージ)アウディ TT 新型(S lineパッケージ)
このためインパネには丸型のエアベントが余裕を持ってレイアウトされ、ドライバーを囲む形状にもなっていて、スッキリとしたスポーツカー本来の雰囲気が味わえる。

天地に大きすぎないフロントスクリーンと、丸いルーフが頭上にある『TT』ならではの包まれ感も健在。シートはメイン部分がダイヤモンドステッチの入ったアルカンターラで、この素材の程よい食い付きと全体のセミバケット形状とで、着座姿勢を一度決めるとピタリとその姿勢を保持し続けてくれる。

アウディ TT 新型(S lineパッケージ)アウディ TT 新型(S lineパッケージ)

どこまでも走らせていたい

走りは、いつまでもどこまでも走らせていたい……そう思わせてくれるもの。身のこなしが軽やかで、およそ破綻しそうもないロードホールディングと、クワトロによる的確な駆動力の伝達は相変わらず“秀でている”と思わせる。

さらに試乗車はサスペンションに「アウディマグネティックライド」を備えており、これが秀逸な乗り心地と、コーナリング時のしなやかと奥の深いストローク感とを両立させていて、ワインディング路を走らせる楽しみを倍増させている。

エンジンは230ps/37.7kgmの性能の4バルブの2リットルターボで、6速Sトロニックの組み合わせだが、踏み込めば切れ味のいいパワーを発揮してくれ、ゆっくりしたペースで走りたければそれにもスムースに応えてくれる。スポーツクーペの『TT』にまさに相応しいパワーユニットになっている。

アウディ TT 新型(S lineパッケージ)アウディ TT 新型(S lineパッケージ)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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