【スズキ ハスラー 新型】スズキが3年ぶりに開発したメーカーOPナビはパイオニア製

新型ハスラーに搭載されたインチHDディスプレイ搭載のメモリーナビ。CD/DVDドライブも搭載された
新型ハスラーに搭載されたインチHDディスプレイ搭載のメモリーナビ。CD/DVDドライブも搭載された全 8 枚

スズキがクリスマス・イブの12月24日に発表した新型『ハスラー』。デザインは基本、キープコンセプトながら、随所に新機軸を打ち出したクルマに仕上がっていた。中でも約3年ぶりに復活したメーカーオプションナビは、次世代スズキ車に広がる新装備として注目される。

新型ハスラーのダッシュボード中央には、スズキが新たに開発した9インチHDディスプレイ搭載のメモリーナビが納められていた。9型サイズのナビは今どきそれほど珍しいものではないが、このナビでは「ホーム」画面を用意して、ここに「ナビゲーション」「車両情報」「オーディオ」の3つの情報を同時表示。それぞれをタップすることで、即座に使いたいモードへと切り替わる使いやすさを優先した。中央の「車両情報」をタップすると、平均燃費を含む走行情報を表示する画面を表示する。ホームに戻したい時は画面下のホームボタン(□)を押すだけだ。

ナビ案内中はメーター内に用意されたカー液晶ディスプレイに、交差点名も含めて方面案内をポップアップ表示。スペーシアに採用されたヘッドアップディスプレイに対応しなかったのは少々残念だったが、間近でルートガイドを見られるメリットは大きいだろう。また、ナビゲーションの地図データはHD(ハイビジョン)ディスプレイに合わせた高精細なもので、地図上の地名や街区の鮮明さは一目見て違いを実感できる。触った感じでは、画面の遷移もスムーズに追従し、その操作感が実に気持ちいい。パイオニアならではの高精度測位にも期待したいところだ。

さらにSDL(Smart Device Link)に対応したことで、スマホにインストールされている多彩なアプリを安全に車載機側からコントロールできるようにした。特に12月から施行された道路交通法ではスマホを持って運転することに厳しい処罰が科せられるようになり、この対応は安全性を担保する上で欠かせない機能となっていく。当面はLINEカーナビ、LINEミュージックを対応するのみだが、今後は順次他のアプリにも対応していく予定だ。もちろん、Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応している。

起動して表示されるホーム画面を見て気付いた人もいるかも知れないが、このインターフェイスの考え方は、現行「楽ナビ」にも採用されたものと基本的に同じものだ。つまり、このシステムを開発したのはパイオニア。9インチHDディスプレイの採用を含め、この開発を経て現行「楽ナビ」が商品化されている可能性が高い。地図データも共通化が図られているが、地図データ更新は楽ナビのSDカードではなく、USBメモリを介して行う。なお、地図データの更新費用は3年間無料だが、それ以降の費用は未定とののことだ。

実はここ3年ほど、スズキは自社開発のカーナビから遠ざかっていた。2013年に昭文社系の「マップルナビ」を採用した完全メカレスのメーカーオプションナビを『スペーシア』に採用。その後はナビゲーションにはゼンリンデータコム製を採用したハーマン製に切り替えた。しかし、それも「ユーザーから評判が良くなかった」(ナビゲーション開発担当の大前陽平氏)ということで廃止。全方位モニターとして対応するメーカーオプションナビは存在したものの、ナビ自体は市販ナビと同等のパナソニック製ナビに対応するのみだった。

しかし、「車両との連携を実現するにはメーカーオプションナビの開発は欠かせない」(大前氏)と、3年前ほど前に開発をスタート。様々な提案の中からパイオニア製で行くこととなり、より幅広い対応が可能になるSDLへの対応も決定されたという。このSDLに対応した最初のアプリがLINEだった理由について大前氏は、「特にトヨタとの関係は意識していない。LINEがより身近な存在であることで最初に採用するアプリとなった」と述べた。

全方位モニターへの対応に加えCD/DVDドライブも装備すると共に、将来を見越したSDLにも対応するなど、このナビゲーションはまさに次世代のスペックを備えたカーナビゲーションと言っていい。スズキは今後、このナビゲーションをメーカーオプションで他車種へ展開していく考えだ。

《会田肇》

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