スバルが電子制御ダンパーとドライブモードセレクタを投入…東京オートサロン2020[インタビュー]

スバル・レヴォーグ・プロトタイプSTI Sport(東京オートサロン2020)
スバル・レヴォーグ・プロトタイプSTI Sport(東京オートサロン2020)全 5 枚

東京オートサロン2020に展示された新型『レヴォーグ・プロトタイプSTI Sport』。これに搭載される電子制御ダンパーとドライブモードセレクタは、開発中ということで仕様の詳細はまだ確定していない。

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だが、開発責任者(PGM:プロダクトゼネラルマネージャー)である五島賢氏に話を聞くことができた。新機能の狙いはなんだろうか。

電子制御ダンパーは、文字通りダンパーの減衰力を電子制御によって自動的に調整するもの。アフターのチューニングパーツでは、リモコン(有線)で減衰力のダイヤル調整をするもの、スタンドアロンで自動制御するものが存在するが、スバルのダンパーは、単なる足回りのチューニングパーツではなく、エンジン/TMとサスペンションを統合的に制御するためのコンポーネントの要素技術と捉えた方がよさそうだ。

その狙いについて五島氏はいう。

「要素技術として電子制御のダンパーはありましたが、それを使ってなにができるかを考えたとき、ドライブモードセレクトという答えになりました。減衰力だけのチューニングではなく、車の乗り心地と走行性能とを高い次元で両立させるためのシステムです。コンセプトに車のキャラクターを変えるというものがあるように、制御の幅を広げるため、ダンパーの調整の範囲は大きくしています」

そして、これに走行状況やエンジンの状態を統合的に制御できるようにしたのがドライブオードセレクトとなる。

では、なぜ車のキャラクターを変えるような調整、制御が必要だったのか。これについては、「狙いは、だれもが運転しやすい車を作るため」(五島氏)という。乗り心地と走行性を両立といっても、そう簡単な話ではない。多くの場合、両立とはいいながら、どちらかに性能を寄せる必要がある。

お父さんが満足する走行性能や足回りだと、お母さんも同じように満足してくれるかというと、おそらくそれは無理だ。これを両立させるには、本来、特性や性能の違う車を用意するしかない。何台も車を持てる家庭ならそれでいいが、通常は1台持ちで、どこかで妥協しなければならない。

ドライブモードセレクトは、1台の車でコンフォートカーからスポーティーカーまで特性の違った車両を再現できるといえばいいのだろうか。

「モードが増えるほど設計パラメータは掛け算で増えていくので、開発には苦労していますが、これが可能なのは、SGP(スバルグローバルプラットフォーム)ならではのサスストロークがあったからです」

乗り心地と走行性能を調整する場合、足回りで重要なのはサスペンションのストロークだ。バネは固定でも、ストロークがあれば、減衰力の調整でサスペンションの動き、車の動きを調整しやすい。かなり幅が広いセッティングが可能になるが、モードがたくさんあっても操作が混乱するので、あまり細かくしたくない(五島氏)とのことだ。

スバルは、いち早くドライバーモニタリングシステムを導入している。将来的にはこれと組み合わせると、シートやハンドル位置だけでなく、車の特性もパーソナライズできる機能も実装できそうだ。また、スバルのAWD技術、ディファレンシャルの制御技術との組み合わせで、雪道やぬかるみ、不整地といった切り替えができると面白そうだ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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