[カーオーディオ・インストレーション]スピーカーのアウター化の難しさ

「アウター化」の一例(製作ショップ:カーズファクトリーシュティール<山形県>)。
「アウター化」の一例(製作ショップ:カーズファクトリーシュティール<山形県>)。全 1 枚

カーオーディオユニットのインストールに関するあれこれを解説している当コーナー。まずはスピーカーの取り付けにおけるセオリー等々を紹介している。前回からはミッドウーファー(ドアに装着するスピーカー)の「アウター化」について説明している。

まず前回は、「アウター化」の利点解説とタイプ紹介を行った。それに引き続き今回は、「アウター化」を実行する上での“難しさ”について考えていく。

最初に、ドア内部の鉄板を度台とするタイプの「アウター化」においての“難しさ”を、解説していく。

さて、鉄板を土台とする「アウター化」では、スピーカーの足場となるパーツ、「インナーバッフル」をかさ上げしてそれを実現させることとなる。

そうであるとその「インナーバッフル」が“筒状”になるのだが…。

実は、“筒状”になることはあまり良いことではない。なぜならば、「“背圧”のヌケが悪くなりがちとなるから」だ。スピーカーの振動板は前後に動いて音を発するわけなので、当然ながら後ろ側にも音を発する。その音エネルギーのことが“背圧”と呼ばれているのだが、インナーバッフルが“筒状”になると、空間が狭いがために、“背圧”がスムーズにヌケにくくなることが有り得てしまうのだ。

そうなると、ヌケ切らない“背圧”がスピーカーの振動板の動きにストレスを与え、スピーカーが十分に性能を発揮し難くなる。音に良かれと「アウター化」をするのに、むしろ音に悪影響が出かねない…、というわけなのだ。

そうならないために対策が打たれる。それは、“筒状”になった側面に「角度を付ける」というものだ。奥側にいくほどに筒の内径を拡げていき、そうすることで“背圧”がスムーズにヌケるようにするのである。

なお、この加工はなかなかに難易度が高い。手間も掛かるし、強度の確保も難しく、さらにはドア内部のコンディションによっても作りにくさが変わってくる。しかしカーオーディオプロショップは都度、ベストな「インナーバッフル」のかさ上げを実行し、「アウター化」の利点を最大限引き出す。

今回はここまでとさせていただく。次回も「アウター化」についての解説を続行する。お楽しみに。

カーオーディオ・インストレーション百科 Part1「スピーカー」編 その15・“アウター化”の難しさとは?

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る