【アルピーヌ A110S 新型試乗】官能性を高め、よりレーシングカー的になった…石井昌道

エンジンに官能性が加わった『A110S』

サーキットで実感できるシャシー強化の恩恵

A110とA110S、走りのキャラクターの違い

アルピーヌ A110S
アルピーヌ A110S全 21 枚

エンジンに官能性が加わった『A110S』

2018年に日本上陸を果たしたアルピーヌ『A110』の高性能バージョンとして追加された『A110S』。エンジンはスタンダードなA110と同じ1.8リットルターボだが、ブースト圧を0.4bar高めることで最大出力を40ps増の292psへ。最大トルクは320Nmと変わりないが、発生回転数が従来の2000~5000rpmから2000~6400rpmへと高回転側へ広げられている。

【画像全21枚】

シャシーにも手が加えられており、スプリングはフロントが30Nmから46Nmへ、リアが60Nmから90Nmへと約1.5倍引き上げられ、合わせてショックアブソーバーやスタビライザーも強化。ミシュラン・パイロットスポーツ4のタイヤは前後とも10mmずつ幅が拡がり、コンパウンドも新たに専用開発された。

アルピーヌ A110Sアルピーヌ A110S
走り始めてまず感動するのはエンジンが気持ちいいことだ。0-100km/h加速は4.4秒で、従来から0.1秒速くなっているにすぎないものの、5000rpmを超えてからの回転上昇に勢いがある。リミットの7000rpmまで鋭く吹き上がっていくのだ。

スタンダードなA110でもスポーツカーのエンジンとして満足いくレベルには仕上がっていたが、A110Sではさらに官能性が加わった。

サーキットで実感できるシャシー強化の恩恵

アルピーヌ A110Sアルピーヌ A110S
そして、サーキットを走らせればシャシー強化の恩恵はすぐに実感できる。そもそもA110は、このテのスポーツカーとしてはソフトタッチでたっぷりとしたストローク感のあるサスペンションと、アンダーステアをほとんど感じさせない痛快なハンドリングが特徴的だった。

ミドシップはリアが滑ったときのコントロール性を確保しづらいので、引き締められたサスペンションとアンダーステア気味のハンドリングというのが一般的だが、A110はストロークが深くなってもタイヤの接地変化が少ないサスペンションでブレークスルーしたのだ。

だから、路面の荒れたワインディングロードなどでは抜群のコントロール性を発揮するものの、サーキットでは十分に楽しめるとはいえ、もう少しロールやピッチングが抑えられるともっといいのにと感じることがあるのも事実だった。A110Sはその思いにばっちりと答えてくれて、キビキビと効率良くコーナリングしてくれる。

アルピーヌ A110Sアルピーヌ A110S

A110とA110S、走りのキャラクターの違い

とくに左右への切り返しの素早さなどはサーキットで大きな武器となる。A110に比べるとアンダーステア気味に感じることもあるが、荷重移動を意識的にコントロールすることでそれは解消される。A110よりも奥までブレーキを残すなどしてやると鋭く曲がってくれるのだ。

しかも、限界を超えたときのコントロール性も同様に確保されているのが秀逸なところ。ただ硬くするだけではこうはいかないが、タイヤまで含めてバランス良く開発されているから実現できているのだ。

サーキットへ行けばA110Sのほうが満足度が高いのは間違いないが、ワインディングロードだったらA110の懐の深さや良く曲がる感覚が強くて楽しいだろう。走りのキャラクターとしては、ラリーカーのように自在感の高いA110に対して、A110Sはレーシングカー的な側面が強くなったといえるのだ。

アルピーヌ A110Sアルピーヌ A110S

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

石井昌道|モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストに。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイクレースなどモータースポーツへの参戦も豊富。ドライビングテクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

《石井昌道》

石井昌道

石井昌道|モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストに。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイクレースなどモータースポーツへの参戦も豊富。ドライビングテクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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