フォードが描くモビリティの未来、「中国戦略2.0」に電動スクーターや進化系V2X…オートモーティブワールド2020

フォード講演「EV開発、世界の最前線」(オートモーティブワールド2020 )
フォード講演「EV開発、世界の最前線」(オートモーティブワールド2020 )全 2 枚

1月15~17日に開催された世界最大規模の自動車次世代技術専門展「オートモーティブワールド2020」。専門セミナーに、フォード・モーター・カンパニーのライアン・マッギー氏が登壇。「Smart Worldのためのスマートカー」と題して講演し、フォードが取り組む電動化、自動運転、モビリティ、コネクティビティ(接続性)について語った。

中国フォードの統合コネクティビティ戦略を担うライアン氏は、ミシガン州ディアボーンのフォードで20年以上のキャリアを積み、電気自動車の制御システム開発に従事。2005年から2年間、ボルボに勤務しスウェーデンへ。フォードに戻り、2013年からコネクテッド車両・製品チームでディレクターを務める立場から、現状を伝えた。

フォードが描くMaaS

「自動運転の分野では、フォード傘下の自動運転開発企業「アルゴAI(Argo AI)」がけん引している。センシングなどを司る会社で、フォルクスワーゲンも参画。いまアメリカの4エリアで自動運転のテストを重ねている。また物流カテゴリでもいろいろな商品を家庭に運ぶテストを流通事業者や自治体と協力しながら実施している」

フォード・マスタング・マッハEフォード・マスタング・マッハE

「ロボットのカテゴリも同時に進化させている。たとえば、ピザを自動運転のクルマで家まで運び、そこから家まで運ぶためには、ロボットに任せるというイメージ」

フォードは、車両や交通システムだけでなく、クラウドと接続したエコシステムの構築もめざす。たとえば、自動車関連アプリ「フォードパス(FordPass)」。これは車両情報をスマホで把握できるアプリで、クルマの状況をひと目でチェックすることができる仕組みだ。ユーザと保有する(シェアする)クルマの見える化もすすめるという。

また、自治体などと共同で次世代移動モビリティや電車自転車、路線バスなどを包括的に考える仕組み、シティインサイトも紹介。そして中国・天津でテスト中のダイナミックシャトルや、電動スクーターシェア「スピン」との協業についても伝え、クルマがエコシステムのなかに最適なかたちで組み込まれていく未来のイメージを語った。

フォードの中国戦略 2.0

いっぽう、フォードが中国で展開するシンク(SYNC)というインフォテインメントシステム技術についてもライアン氏は言及。「フォードの中国戦略2.0というフェーズで、SYNC+と中国最大の検索エンジン百度(バイドゥ)と連携させた最新アプリを中国で試験的に展開する予定。今後、中国で販売する新車はすべてクラウドに接続されるようになる」と話す。

「中国では、2021年にC-V2X(Cellular-Vehicle-to-Everything)を搭載したモデルを中国で初めて量産する。C-V2Xは、車両が事故を回避し、道路上で協力し合い、ドライバーの視界では見えない道路の危険性を検知する上で役に立つ」

「C-V2Xは、交通ネットワークとインフラストラクチャをより効果的に使いながら、道路の安全性を高める技術に貢献する。たとえば、衝突回避、隊列走行、協調運転、渋滞に関する警告、緊急サービスのサポート、前方危険に関する警告、自律運転の増加、道路通行料の徴収、交通弱者の回避などがそう」

2025年には、このC-V2Xをさらに進化させた、第5世代移動通信システムとV2Xが組む『5G-V2X』が標準化されるという。「そしてわれわれフォードがめざすスマートワールドを、政府・自治体・企業・他業界と連携しながら構築していく」とビジョンを語った。

《レスポンス編集部》

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