上場企業137社、新型コロナウイルスの影響で対応に追われる 東京商工リサーチ調べ

運転を休止した武漢市の鉄道(2月11日)
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東京商工リサーチは2月12日、上場企業を対象とした「新型コロナウイルス影響」調査 の結果を発表。決算短信や業績予想の修正、お知らせなどで新型コロナウイルス関連の影響や対応について発表した上場企業は、2月10日午後2時時点で合計107社に達した。

また、自主的な情報開示はないが、同社独自調査で工場や事務所、店舗の稼働休止など何らかの対応が判明した上場企業は30社あった。合計137社の上場企業が新型コロナウイルスの影響を受け、対応に追われている。

137社のうち、決算短信や業績予想の修正などで新型コロナウイルスの影響に言及したのは89社。このうち、23社(構成比25.8%)が売上高や利益の減少など業績下振れ要因として、新型コロナウイルスの影響をあげた。

2月9日で春節休暇の延長が終了し、中国国内では一部企業が営業や生産活動を再開した。しかし、休業延長で生産が滞る地域が多数存在するほか、サプライチェーンの乱れや必要人員を確保できず、生産現場の混乱は当面続くとみられる。一方、米中の貿易摩擦に加え、新型コロナウイルスの拡大で中国経済は停滞も予測されるため、中国国内での設備投資意欲の減退も懸念されている。

蛇の目ミシン工業は、「新型コロナウイルスの感染拡大は中国市場の設備投資の動向に一層深刻な影響を与えるものと危惧」し、2020年3月期の業績予想を下方修正した。このほか66社(同74.1%)が「影響の懸念がある」、もしくは「影響を確定することは困難で業績予想に織り込んでいない」としている。2020年12月期の決算発表が本格化しているが、新型コロナウイルスの収束は依然としてみえず、企業業績への影響の確定にはさらに時間がかかりそうだ。

137社の業種別では、製造業が89社(構成比64.9%)で6割以上を占めた。工場の休業や渡航制限による人的問題など、生産の大部分を中国に依存する日本メーカーへのダメージは深刻だ。次いで、小売業14社(同10.2%)、サービス業10社(同7.3%)、運輸業8社(同5.8%)、卸売業7社(同5.1%)と続く。中国に店舗展開しながら、休業を余儀なくされているケースだけでなく、訪日客の急減によるインバウンド需要減など、内需型企業にも影響が及び始めてきた。西武ホールディングスは、ホテル・レジャー事業で「予約キャンセルの影響が見込まれる」ことを一因として業績予想を下方修正。輸出産業にとどまらず、多くの国内企業にも影響が広がることが懸念される。

《纐纈敏也@DAYS》

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