ホバークラフト復活へ…大分空港アクセスで2023年以降

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大分県は3月4日、大分空港への海上アクセスの導入について発表した。大分市と大分空港との間にホバークラフト航路を開設するのが適当、としている。この区間には以前もホバークラフトが運航されており、復活となる。運航開始は2023年以降の予定だ。

ホバークラフト(ホーバークラフト)はエアクッションビークル(ACV)とも呼ばれるように、空気で浮いて走る乗り物だ。地上でも走れるが、既存の交通との混合は問題が多いので、もっぱら船舶として水上で運用される。ホバークラフトの定期旅客輸送は世界でも珍しい例となる。

大分空港では利用者数が増加を続けており、空港アクセスの改善が必要となっている。現在、県中心部と大分空港とを結ぶアクセスバスの所要時間は約60分であり、他の国内主要空港と比較して時間を要する。県では2018年度から大分空港アクセスの改善について調査を進め、結果をとりまとめて発表した。

とりまとめでは、陸路と海路とを比較して、船舶による「海上アクセス」が最適であるとされた。大分市街と大分空港は別府湾を挟む位置にある。鉄道など陸路は湾を迂回するので、直線で横断する海上アクセスの方が時間短縮を期待できる。また用地取得や構造物の整備は、鉄道などの陸上交通では大規模になり、海上アクセスの方が事業費が安価で、導入期間も短くなる。

つぎに「海上アクセス」について調査検討を実施、高速船2案、ホバークラフト1案の計3案に実現可能性があるとした。さらに検討の結果、船型については、時間短縮効果、空港側の接続などの利便性、発着地整備費、運航開始までの期間といった理由から、既存施設を利用できるホバークラフトが最善であると判断された。

運航スキームについては、鉄道事業でいうところの「上下分離方式」で収支確保が可能とされた。多額の初期費用が必要と考えられるためだ。県が船舶を購入し民間の運航事業者に貸与するとともに発着地などの施設を整備し、運航事業者が運航の人件費、燃料費、船舶修繕費などを負担する。県は貸付料と施設使用料について必要な減免を行なう。民間運航事業者の赤字は補てんしない。

利用者数は、年間30万~40万人台を想定する。ホバークラフトの希少性を生かした観光利用も取り込む。運航する船舶は旅客定員80名程度のホバークラフトで、常用2隻と予備1隻の3隻体制。運航ルートは海上運航距離約29km、運航所要時間は最速で約25分を想定している。発着地の位置については、大分市側は西新地または西大分を候補に調整する。空港側は既存の旧ホバークラフト航走路を活用する。

県負担の事業費は、船舶購入や発着地・無料駐車場等の整備費として、75億~85億円程度を見込む。今後のスケジュールは2020年4月から運航事業者の選定・確保、10月から船舶の設計・建造、発着地の設計・整備、2023年以降に運航を開始する予定だ。

ホバークラフトは現在日本国内では運航されていない。瀬戸内海、伊勢湾、佐渡島航路などで運航していたが、かつての大分空港アクセス航路を最後に運航を終了した。大分での復活では、日本国内で製造されていないことも、導入経費が増える要素だ。当時は三井造船(現在の三井E&S造船)が建造していた。

世界的にもホバークラフト航路は珍しくなっており、通年の定期航路はイギリス本土とワイト島を結ぶホバートラベル社が、同社によると世界でも唯一だ。旅客輸送用ホバークラフトを建造できる造船会社も少なく、ホバートラベルに納入したグリフォン・ホバーワーク社(イギリス)がほぼ唯一と思われる。

《高木啓》

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