[カーオーディオ こだわり方考察]ドアスピーカーの取り付け方

“アウター化”の一例(製作ショップ:カーオーディオスタジアム<大阪府>)。
“アウター化”の一例(製作ショップ:カーオーディオスタジアム<大阪府>)。全 2 枚

“こだわりポイント”が多々存在しているカーオーディオ。それらを1つ1つ紹介してきた当特集。今回はその最終回として、「ドアスピーカー」、つまりはミッドウーファーの「取り付け方」に関する“こだわりポイント”を、具体的に考察していく。

「インナーバッフル」は市販品を用いてもOK! でもこだわろうと思うなら…。

カーオーディオユニットのインストールにはこだわるべきポイントがさまざまあるのだが、ミッドウーファーの「取り付け方」には特に、“こだわりポイント”がたくさんある。今回はその中から、特に重要度が高い項目3つについて考えていく。

まずはこちら、「インナーバッフル」に関する事柄から解説していく。

ところで「インナーバッフル」とは、ミッドウーファーを取り付ける際の土台となるパーツだ。ちなみに一部のスピーカーには取り付け用スペーサーが同梱されていたりもするのだが、それが簡易的なものである場合には敢えてそれを使わずに、別にこの「インナーバッフル」を用意した方が良い。なぜならこれは単なる土台ではなく、“音響パーツ”でもあるからだ。できるだけ高性能な「インナーバッフル」を用いた方が、より良い結果が得られやすくなる。

なお、取り付けコストを抑えたいと考える場合には、既製の「インナーバッフル」を使ってもいい。しかし、こだわろうと思うなら…。そのときには、ワンオフすべきだ。車種によってドア内部のコンディションが異なっていて、さらには取り付けるスピーカーによっても状況が違ってくる。都度、最適なものを用意した方が音的には有利だ。

さて、「インナーバッフル」をワンオフする際にこだわるべきポイントは、主には2点ある。それは「素材」と「形」だ。

ちなみにもっとも多く使われている素材は“MDF”だ。これは「木質繊維を原料とする成型板」の1種で、価格が手頃で加工もしやすい。しかし他の素材と比べると耐久性においてビハインドがある。もちろんプロショップでは耐久性を上げるための対策を施しながらこれを用いるが、よりこだわろうとするときには、音の響き方まで考慮されて合板が使われたり、耐久性にこだわってアクリルやアルミが使われたりもする。

「形」についてもいろいろな考え方があるのだが、一般的にはできるだけ大きく作った方が音には有利だとされている。大きければスピーカーの足場がより強固になるし、ドアの共振を抑制する効果も高まる。

ただし、こだわればコストも上がっていく。どこまで予算を掛けられるかを考えながら、無理のない範囲でこだわろう。

「デッドニング」も“こだわりポイント”。手を掛けるほどに好結果が得られる!

続いては「デッドニング」について解説していく。「デッドニング」とは、ドア内部の音響的なコンディションを上げるための作業だが、ここにもさまざまな“こだわりポイント”が存在している。

具体的に解説していこう。まずは、部材のチョイスが最初の“こだわりポイント”となる。実際にはショップにお任せすることになるが、どのメーカーの部材を使うかも“こだわりポイント”となり、そして各社ごとでもさまざまな部材が用意されているので、どこに何を使うかもこだわって選定されていく。

そしてよりこだわとうと思うのなら、内張りパネルに対しての“デッドニング”メニューも追加したいところだ。内張りパネルに対してもやっておいた方がいい事柄がいくつかある。パネルが共振しやすい車種ではそれを防止する施工をすべきだし、ドア内部の音が外にもれないようにする必要もある。

基本的に“デッドニング”は、手を掛ければ掛けるほど良い結果が得られやすくなる。そして部材も、スタンダードなものから高級なものまである。やはりここでも予算を鑑みながら、どこまでこだわりを発揮するかを、ショップとよく相談しながら決めていこう。

音にこだわるなら「アウター化」の検討もすベシ!

そして、ミッドウーファーの「取り付け方」にこだわろうとするならば、「アウター化」の実行も検討したい。「アウター化」とは、ミッドウーファーの取り付け面を内張りパネル面まで立ち上げる取り付け方のことを指す。そうすることで、ミッドウーファーが発する音をロスなく車内に供給できるようになる。つまり高音質を得られやすくなるというわけだ。

ただし、これを実行するとなると取り付けコストは多く掛かる。内張りパネルをカットしなければならないし、キレイに仕上げるためには手間も多く掛かる。しかし、コストに見合う満足度が得られることは確かだ。

なお「アウター化」の場合には、見た目にこだわっても面白い。どのみち大がかりな加工を施すことになるわけなので、デザインや仕上げ方に凝ると、クルマに乗り込んだときの高揚感も上がる。この部分も予算との兼ね合いにはなるが、ルックスにも気を使うとさらに楽しめる。

なお、「アウター化」の1タイプとして、以下のようなアプローチも存在する。それは「エンクロージャー化(ボックス化)」だ。16.5cmクラスのスピーカーの場合はボックスの容量もそこそこ必要となるので箱が大きくなりドア内部に収めるのが難しいのだが、それをクリアできれば音的な利が得られる。ボックスにスピーカーを装着すると、スピーカーをコントロール下に置けるからだ。もろもろの計算が立ちやすくなり、サウンド制御がしやすくなる。音にこだわろうと思えば、こんな作戦もアリだ。参考にしてほしい。

とにもかくにも、カーオーディオには“こだわりポイント”が多々ある。こだわればこだわるほど、得られる満足度が大きくなる。あれこれこだわり、より深くカーオーディオを楽しもう♪

こだわれば、カーオーディオはもっと楽しくなる! 「ザ・こだわり方考察」第12回 「ドアスピーカーの取り付け方」にこだわる!

《太田祥三》

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