VW up!改良新型、2台に1台がEVに…需要がドイツで急増

航続は最大260kmと6割以上拡大

充電を支援する専用アプリ

ドイツ本国では最大6570ユーロの補助金

フォルクスワーゲン e-up!改良新型
フォルクスワーゲン e-up!改良新型全 8 枚

フォルクスワーゲンは3月30日、改良新型『e-up!』(Volkswagen e-up!)のドイツでの需要が急増していると発表した。改良新型『up!』シリーズ全体の販売の2台に1台が、EVという。

e-up!は、フォルクスワーゲンの新世代コンパクトカー、up!のEVバージョンだ。2013年秋のフランクフルトモーターショー2013のデビューから6年を経て、欧州では大幅改良を受けた改良新型が発表されている。

航続は最大260kmと6割以上拡大

改良新型のハイライトは、EVパワートレインの進化にある。床下にレイアウトされるリチウムイオンバッテリーは、蓄電容量を18.7kWhから32.3kWhへ、7割以上大容量化した。これにより、1回の充電で航続は、最大160kmから260kmへ、6割以上拡大している。

バッテリーは、車両の床下の低い位置に搭載された。フォルクスワーゲンによると、低重心により、運転する楽しさを追求しているという。リチウムイオンバッテリーにはフォルクスワーゲンによる新車登録から8年間、または走行16万kmの保証が付帯している。

フロントアクスルに置かれる小型モーターは、最大出力83hpを発生する。動力性能は、0~100km/h加速が11.9秒、最高速130km/h(リミッター作動)だ。出力40kWの急速チャージャーを利用すれば、80%のバッテリー容量を30分以内に充電できる。

充電を支援する専用アプリ

充電プロセスは、標準装備される「maps + more」多機能アプリを利用して、スマートフォンで充電予約や、充電の開始と停止が行える。このアプリは、空調システムを遠隔操作するためにも利用でき、乗車する前に室内の空調を最適に作動させておくことができる。

改良新型e-up!には、オートエアコン、Bluetoothインターフェイス、「DAB +」を備えた「コンポジションフォン」無線システム、ドッキングステーションなどを標準装備した。先進運転支援システム(ADAS)として、レーンアシスト、レーン逸脱警告システムが装備される。カスタマイズオプションは豊富に設定された。 「e-up! スタイルバリアント」として、さらに多くの機能やパーソナライズオプションが選択できる。

ドイツ本国では最大6570ユーロの補助金

改良新型e-up!では、すべての人にEVを手頃な価格で販売することを目指した。ドイツ本国でのベース価格は、2万1975ユーロ(約260万円)に設定した。価格の引き下げにより、法人、法人のドライバー、個人のドライバーに幅広く、スマートモビリティとゼロエミッションドライブを提供する。フォルクスワーゲンによると、価格の引き下げは量産効果による部分が大きいという。

またドイツでは、「環境ボーナス」として、改良新型e-up!の購入者は、総額で最大6570ユーロ(約78万円)の補助金が受け取れる。また社用車は、新車価格の1%ではなく、0.5%にのみ課税される。

フォルクスワーゲンによると、改良新型e-up!に対するドイツでの需要が急増しており、新型EVの『ID.3』が今夏に発売を控えているにもかかわらず、2020年第1四半期(1~3月)に2万台の受注を獲得しているという。フォルクスワーゲンは、最大6570ユーロの環境ボーナスや、ドイツで低く抑えられる自動車保険料、道路税の免税、エンジンオイル交換が不要な点などが人気の要因で、改良新型e-up!はドイツで最も維持費のかからない車のひとつ、としている。

《森脇稔》

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