BMWグループ、新世代「エフィシエント・ダイナミクス」技術を市販車に搭載へ

第3世代のエアロダイナミクス

48Vマイルドハイブリッドを拡大

2020年のCO2排出量は前年比20%減となる見通し

BMW iX3 の開発プロトタイプ
BMW iX3 の開発プロトタイプ全 12 枚

BMWグループは3月31日、新世代の「エフィシエント・ダイナミクス」(BMW Efficient Dynamics)技術を順次、市販車に搭載すると発表した。

BMWグループは2007年、エフィシエント・ダイナミクス技術を発表した。エフィシエント・ダイナミクスとは、より少ないエネルギーで、より高い性能を可能にする設計思想だ。BMWグループは2007年以来、エフィシエント・ダイナミクス技術によって、自動車業界で革新的なコンセプトを数多く生み出してきた。

エフィシエント・ダイナミクス技術は、燃料消費を抑えてCO2排出量を削減することに重点を置きながら、BMWならではの運転する歓びを着実に増加させてきた。その結果、BMWのエフィシエント・ダイナミクスは、すべてのBMWモデルのDNAとなり、BMWグループが欧州のCO2排出量の目標を達成した要因のひとつとなった。BMWグループによると、1台あたりの平均燃費とCO2排出量は、過去13年間で40%以上削減されたという。

第3世代のエアロダイナミクス

新世代のエフィシエント・ダイナミクスのアプローチは、車両のあらゆる側面を体系的に最適化するものだ。空力面では、アクティブエアフラップコントロールが第3世代になる。2020年末までに発売される予定の新型EV、BMW『iX3』には、最新の「BMWエアロホイール」が採用される。

この新しいホイールのテクノロジーは、さらに洗練されており、現行のBMW『X3』のホイールと比較して、抗力係数が5%削減され、現行のBMWのエアロホイールよりも15%軽量化されている。このような重要な進化は、エアロダイナミクスの研究開発に対するインフラストラクチャーに、多額の投資を行ったおかげで達成されたという。例えば、新型BMW 『3シリーズセダン』の前面空気抵抗係数を示すCd値は0.23で、セグメント最高を実現しているという。

また、インテリジェントな軽量設計により、効率が大幅に向上した。これにより、ボディサイズの大型化や安全性の強化にもかかわらず、モデルチェンジで車両重量を減らすことに成功している。BMWグループによると、構造の最適化と車両のあらゆる領域での理想的な素材の採用は、設定された目標を達成するためのカギになるという。

48Vマイルドハイブリッドを拡大

幅広いパワートレインシステムが、新世代のBMWエフィシエント・ダイナミクスのコンセプトにも大きな役割を果たしている。48Vの電気システムを備えた非常に効率的な燃焼エンジンからプラグインハイブリッド車(PHV)やフルEVまで、すべてが効率的なダイナミクスの基本原理に支えられているという。

BMWグループは、48Vマイルドハイブリッドテクノロジーの導入により、回生されたブレーキエネルギーの用途を大幅に拡大した。48Vマイルドハイブリッドテクノロジーは2019年秋、BMW『5シリーズ』のディーゼルエンジン搭載車の「520d」の4つのバリエーションに採用された。2020年春には3シリーズ、『X3』、『X4』に拡大展開される予定だ。

2020年のCO2排出量は前年比20%減となる見通し

燃料電池車では、BMW『i ハイドロジェンNEXT』が、BMWグループのパワートレインポートフォリオにおける4番目の柱となる可能性がある。BMWグループは2013年から、トヨタ自動車と燃料電池技術で協力している。

BMWグループの2020年のCO2排出量は、BMWエフィシエント・ダイナミクスとラインナップの電動化の拡大により、2019年の数値よりも20%低くなる予定だ。BMWグループは新世代のエフィシエント・ダイナミクス技術を市販車に順次搭載することにより、2020年と2021年の欧州のCO2排出量目標を達成していく。

BMWグループは、 エフィシエント・ダイナミクスは先を行く道を示しており、エフィシエント・ダイナミクスの成果により、BMWグループは現在の道を歩み続け、適切なタイミングと市場に、持続可能性の高い技術的に革新的な製品を顧客に提供し続けることができる、としている。
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《森脇稔》

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