緊急事態宣言、7都府県の経済的減少額は約30兆円

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 緊急事態宣言による今後2年間の経済的減少額が、7都府県で約30兆円、日本全体で約63兆円にのぼることが2020年4月8日、関西大学の分析結果から明らかになった。都府県別の経済的減少額は、東京都で約12兆円、大阪府で約4兆5,000億円と推定している。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い4月7日、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・大阪府・兵庫県・福岡県の7都府県に約1か月の緊急事態宣言が発出された。各都府県の知事は、不要不急の外出自粛、学校などの休校、企業や店舗に対する営業自粛などを要請・指示することができる。

 緊急事態宣言によって経済活動の制約が想定されることから、関西大学の宮本勝浩名誉教授は、緊急事態宣言による日本全体および対象7都府県の経済的減少額を分析した。

 緊急事態宣言による経済的減少額の試算には、2008年9月にアメリカで発生したリーマンショックによる日本の経済的減少額(2年間で約39兆1,000億円、約7.6%減)を参考にした。宮本名誉教授は、緊急事態宣言が発せられ、観光・小売業・飲食業などへの被害が甚大であることから、2020年の新型コロナウイルスの経済的減少は、リーマンショック時をかなり上回ると推察。

 新型コロナ騒動の影響が日本経済に1~2年間残ると想定し、リーマンショック時の約1.5倍の経済的減少が発生すると仮定した結果、現在の日本のGDP(国内総生産)の約550兆円(内閣府経済社会研究所2019年11月発表「2016年度県民経済計算」によると名目国民総生産は約549兆9,000億円)をもとに経済的減少額を2年間で約63兆円と推定した。

 緊急事態宣言の対象となる都府県の経済的減少額についても、内閣府経済社会研究所のデータから2016年度の各都府県内名目総生産をもとに推定。今後2年間の経済的減少額は、東京都が約12兆円、神奈川県が約4兆円、千葉県が約2兆3,000億円、埼玉県が約2兆6,000億円、大阪府が約4兆5,000億円、兵庫県が約2兆4,000億円、福岡県が約2兆2,000億円、7都府県をあわせて約30兆円と試算した。

 宮本勝浩名誉教授は「早期に新型コロナ騒ぎが収束しなければ、2019年の消費税率引き上げ前までの日本経済の水準に戻るには3年近くかかるのではないかと考えられる」とコメントしている。

《奥山直美》

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