[スピーカー交換に挑戦]聴いて選ぼう!

カーオーディオ・プロショップに設置されている“デモボード”の一例(サウンドクオリティー/千葉県)。
カーオーディオ・プロショップに設置されている“デモボード”の一例(サウンドクオリティー/千葉県)。全 2 枚

クルマの中で“良い音”を楽しみたいと思うなら、「スピーカー交換」がおすすめだ。市販スピーカーは純正スピーカーと比べて能力が高い。交換すれば、お気に入りの音楽の聴こえ方がガラリと変わる。当特集では、それを上手に実行するためのあれこれを解説している。

今回は、好みの製品を見つけるための早道である「試聴」について説明していく。

カタログスペックを見ても、製品の特長を推し量るのは難しい…。

前回までの解説で、市販スピーカーにはどのようなものがあるのかが分かっていただけたと思う。それを踏まえて自分に向いたタイプやグレードがイメージできたら、続いては製品の絞り込み作業へと歩を進めたい。

さて、欲しい製品を絞り込むためにはどうすればいいのかと言うと…。答はズバリ、「聴いて選ぶ」だ。

ちなみに、カタログを見るとスペックがいろいろと載っているが、それを見比べて欲しい製品を絞り込むのは難しい。例えば、「再生周波数帯域」というスペックがあり、当数値ではそのスピーカーが再生可能な音域を知れる。しかし、それを比べたところで音の良し悪しを推し量るのは困難だ。再生可能な周波数範囲が広い方が良さそうな気がするし参考材料には成り得るが、再生可能な音がどのようなクオリティで再現されるかは、また別の話なのだ。

なのでカタログは、「どんなスピーカーが存在しているのか」、それを知るための資料だと割り切ろう。どれが自分の好みに合うかは、「聴いて選ぶ」しかないのだ。

で、「聴いて選ぶ」ためにはカーオーディオ・プロショップの門を叩く必要がある。そこに行けば、そのお店ごとでおすすめするモデルや定番モデルの音を実際に聴いて選べる。

ただし、聴ける製品の数はある程度限られる。カーオーディオ用のスピーカーは、スピーカーユニットが裸の状態で売られている。なので、ユーザーに試聴してもらうためには試聴用のボックスに取り付ける必要が出てくる。そういった事情もあり、各店で用意できる試聴機の数は限定的となっている。

しかし、主だった製品の音はチェックできる。まずは音に触れてみなければ何も始まらない。とにもかくにもショップに足を運ぶことが、スピーカー選びの第一歩となるのだ。

いつも聴いている曲をかけて、聴き比べるベシ!

続いては、試聴においてのコツを紹介していく。結論から入りたい。もっとも大事なのは、「普段自分が聴いている曲をかける」だ。例えばロックが好きな人が、いつもはまったく聴かないクラシックの楽曲で試聴をしても、その音が好みかそうでもないのかを判断するのは困難だ。しかしいつも聴いている曲ならば、普段の音とどう違うのかがよく分かる。

というわけなので、試聴をしにカーオーディオ・プロショップに出向く際には、必ず自分の好きな曲のデータを持っていこう。なお、それをどのメディアに入れて行くべきかは、事前にお店に問い合わせたい。CDが良いのか、USBやSDカードでもOKなのか、またはスマホが繋げる場合もある。何に対応しているのかが事前に分かれば、自分にとって便利なメディアを持ち込める。

そして対応メディアを聞くついでに、お店の都合も確認しよう。なんらかの事情で対応が難しい時間帯もあるかもしれない。一報入れておけば、もろもろがスムーズだ。

続いては、試聴する際の着眼点について解説していく。ぱっと聴いたときのインスピレーションが大事だったりもするのだが、それだけでは違いがよく分からない場合もあるだろう。そんなときは、高音、中音、低音と、それぞれに焦点を絞って聴き比べてみると参考になるはずだ。例えば高音ならば、ツヤや繊細さに違いが現れたりする。中音ではボーカルのハリや余韻やリアルさ、そして低音ならベースやバスドラムの締まり感、躍動感、量感が違ってきたりする。参考にしてほしい。

「自分にとって心地良いか否か」、ここが大事!

なお、どう聴こえたら正解、というのはない。感じ方は人それぞれだ。例えば、締まった低音が好きな人もいれば、ゆったりした低音が好きな人もいる。なので、「自分にとって心地良いと思える音か否か」そこが大事だと心得たい。値段や評判で潜入感を持つのもできれば避けたい。とにもかくにも、「自分にとってどうか」、そこのところを見極めよう。

ところで先述したとおり、ショップで試聴できるスピーカーの数にはある程度限りがある。その中で、予算的にも音的にもぐっとくるモデルが見つかればいいのだが、もしももっと他のスピーカーの音も聴いてみたいと思ったときには…。

そんな場合には、他のお店に行ってみるのも手だ。お店ごとでおすすめするモデルが異なってくる。違うお店に行けばまた別の製品の音も聴けたりする。

ちなみに各店のHPやブログをチェックすると、それぞれのお店ごとで「セットプラン」が用意されていたりする。「セットプラン」に組み込まれている製品は試聴できる可能性が高い。なので、どんな製品の音が聴けるかは、「セットプラン」をチェックしてみるとある程度確認できたりもする。

ちなみに、期間限定で特別な製品の音が聴けることもある。メーカーやインポーターが用意した試聴機が貸し出されたりすることがあるのだ。もしもお近くのショップに気になるスピーカーが展示されているようなら、そのチャンスは積極的に活用したい。近隣のショップのHPやブログをチェックしていると、そういった情報ももらさず掴める。アンテナを張っておくことも、気に入ったスピーカーを見つけるためには有効となる。覚えておこう。

今回はここまでとさせていただく。次回以降も初めての「スピーカー交換」をしようと思ったときに参考になる情報を紹介していく。乞うご期待。

音を良くするための第一歩!「スピーカー交換」に挑戦! Part5 聴いて選ぼう!

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. スバルマークの方が似合う? 新型ダイハツ『ムーヴ』のスバル版にSNSも注目!
  5. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
ランキングをもっと見る