[スピーカー交換に挑戦]セットプランに注目しよう

市販スピーカーの一例(ビーウィズ)。
市販スピーカーの一例(ビーウィズ)。全 2 枚

“初めてのカーオーディオ”として人気の「スピーカー交換」。当特集では、それを実行する際のノウハウを多角的に紹介している。第6回目となる当回では、“カーオーディオ・プロショップ”ごとで用意されている「セットプラン」について解説していく。

「セットプラン」なら、必要費用があらかじめ分かる!

市販スピーカーに交換しようと考えたとき、「取付工賃がどのくらい掛かるのか」、ここのところも大いに気になる。カーオーディオのスピーカーは、売られている状態ではまだ半完成品だ。クルマに取り付けて初めてスピーカーとして完成する。ゆえに「取付作業」とは「スピーカーを作る行為」に等しい。であるので、それに相応したコストがある程度は掛かってくる。

なお昨今は、「取付工賃」の目安をHP等で公開しているお店は多い。なのでそれを参照すれば、あらかじめ概ねの予算感を持つことは可能だ。

とはいうものの、費用の総額を完全に把握できるわけではないので、「工賃表を確認しても少なからず不安が残る…」、そう感じる方もいるだろう。そんなときは、「セットプラン」が頼りになる。

「セットプラン」とは、各店ごとで用意されているパッケージプランのことを指す。そしてそれには、製品代、部材代、さらには「取付工賃」も含まれている。つまり、必要予算が一目瞭然。家にいながらにして総費用を把握できる、というわけなのだ。

もちろん、「セットプラン」の価格では収まらないこともあり得る。例えば、設定されているスピーカーの口径が愛車に合わない場合もあるし、ドア内部のクリアランスが極端に狭くて無加工では取り付けられないケースも出てくる。しかし、極端に年式が古くない一般的な国産車であれば、「セットプラン」の価格からはみ出す可能性は低いと思っていいだろう。なぜなら、汎用性の高いスピーカーを用いてセットが組まれているからだ。費用をできるだけ厳密に把握したいと思ったら、各店のHPやブログで「セットプラン」を探してみよう。

「セットプラン」には“タイプ違い”が存在する!?

ところで、「セットブラン」にはタイプ違いが存在している。さまざまある「セットプラン」を分析すると、その内容は大きく3つに分類できる。1つは、「費用の多くを取付工賃に割くタイプ」、2つ目は「費用の多くを製品に割くタイプ」、そして3つ目が「費用を製品と取付工賃に等しく割くタイプ」、この3つだ。

それぞれでメリットが異なってくる。まず1つ目の「費用の多くを取付工賃に割くタイプ」では、セット価格に対してスピーカーの価格は低めになるが、かわりに「ドア内部の音響的なコンディションを高めるための作業」が十二分に施されることがメリットとなる。

なおこのようなタイプのプランでは、後からスピーカーをグレードアップするときにも利点を発揮する。すでにドア側の完成度は上がっているわけなので、次にはその作業はしなくて良い。予算を製品に集中できる。

で、その対極にあるのが2つ目の「費用の多くを製品に割くタイプ」だ。こちらの場合は、同価格帯の他の「セットプラン」より上級なスピーカーを手にできることがメリットとなる。しかしその分、「ドア内部の音響的なコンディションを高めるための作業」は最小限にとどめられる。

しかしそういった作業は、後からでも追加可能だ。そしてそれを実行する際には、その作業の効果を体感できる。その点ではむしろ楽しめる。またこのタイプの「セットプラン」は、クルマを買い替える予定がある人にも向いている。ドア内部に施した作業は新しいクルマには引き継ぎ難いが、スピーカーは新しいクルマに引き継げる。

そして3つ目の「費用を製品と取付工賃に等しく割くタイプ」は、それ以外の2つの中間的なタイプとなっている。ある程度製品にも予算を掛けながら、「ドア内部の音響的なコンディションを高めるための作業」もある程度しっかり行って、バランス良く最大の効果を発揮することが目指される。

「セットプラン」に含まれる必要作業の具体的な中身とは?

続いては、「セットプラン」に含まれる部材や手間の中身を、さらに詳しく解説していこう。

まず、多くの「セットプラン」には、「インナーバッフル」と呼ばれるパーツ代も含まれている。これは、スピーカーを取り付ける際のマストアイテムだ。“スペーサー”としての役割を担いかつ、音響パーツとしての役割も果たす。これを用いるとスピーカーから発せられる振動がドアの鉄板に伝わりにくくなり、さらにはスピーカーをより確実に固定できるようになるので、スピーカーの振動板が力をロスすることなく働ける。

そして、「ドア内部の音響的なコンディションを高めるための作業」では、主に以下のようなことが行われる。「鉄板の共振を抑える作業」、「スピーカーの裏側から放たれる音が前側に回り込むのを防ぐ作業」、「内張りパネルが共振するのを防ぐ作業」。これらを行い、ドアの「スピーカーとしての完成度」を上げていく。ちなみにこのような作業は総じて、“デッドニング”と呼ばれている。

なお、「セットプラン」を活用しない場合でも、なんらかの「インナーバッフル」は必要となり、“デッドニング”もある程度は行うべきだ。このことはぜひ、頭に入れておいていただきたい。

で、「セットプラン」なら、必要な部材と作業もセットになっている。「スピーカー交換」を安心感高く行える。スピーカーを換えてみたいと思ったときには、「セットプラン」にもご注目を。

さて次回は、交換するスピーカーの性能を引き出すためのプラスα的なワザについて解説していく。お楽しみに。

音を良くするための第一歩!「スピーカー交換」に挑戦! Part6 セットプランに注目!

《太田祥三》

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