【浦島ライダーの2輪体験記】ヤマハ MT-25 は、じわじわと愛着が湧いてくる万能選手

ヤマハ MT-25
ヤマハ MT-25全 15 枚

16歳の誕生日とともに原付免許を取り、紆余曲折を経て、アラフィフで2輪に再々入門。そんな浦島ライダーが最新バイクをチェックしていきます。今回は、ヤマハのクォーターネイキッドの感想を“若手”から聞いてみました。

前回のKTM『250DUKE』に続いて、『レスポンス』編集部のカマタ君(28歳)にヤマハ『MT-25』に乗ってもらう。いつもはホンダ『CB250R』をアシにしているという。果たして単気筒と並列2気筒モデルの違いをどう感じるでしょうか? 

ロングツーリングも街乗りも

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スポーツネイキッドのMT-25は、フルカウルの『YZF-R25』ともども、昨2019年にモデルチェンジを受けて新型となった。フェイスおよびタンクまわりがガラリと変わり、フロントフォークが倒立タイプに変更された。姉妹バイクに、排気量を249から320ccに拡大した『MT-03』がある。

「MT-25は攻撃的なスタイルがいいですね。ライトまわりのデザインは昆虫のようで、カッコよくまとまっていると思います」とカマタ青年。「でも、口にあたる部分のライトはいらないかな?」と言葉を続ける。

うーん、ヘッドランプとしては、むしろ口にあたるLEDビームライトが本体で、二眼LEDがポジションなのだが、たしかに好き嫌いが分かれる顔かもしれない。それにしても最近の250はランプ類のLED化が当たり前のようになって、ずいぶん贅沢……と感じてしまうのは、世代のせいでしょうか。

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MT-25のシート高は780mmと、安心の“低さ”。ちなみに、前回取り上げたKTM 250DUKEのそれは830mmだ。「ヤマハは足つきがいいですね。ポジションも楽。KTMのようなアクティブ感は薄いけれど、MT-25ならロングツーリングにも行けそう」と、身長170cmの青年が述べる。

実際、MT-25に跨ってみると、ハンドル位置がアップライトでライダーに近いので、上体が自然と起きたカタチになる。取り回しがよくて、これなら街乗りでも疲れにくいだろう。

免許取り立てライダーにもオススメ!

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DOHC4バルブの2気筒ユニットは、35ps/12000rpmの最高出力と、2.3kgf-m/10000rpmの最大トルクを発生する。シングルエンジンの250DUKEが30ps/9000rpm、同じくCB250Rが27ps/9000rpmだから、さすがに高回転域まで回せる2気筒はパワーの面で有利だ。

「250は排気量の関係で、どうしても走り出しがもたつき気味になりますが、MT-25ではそれがちょっと顕著な気が……」とカマタ青年。アララ。たしかに低回転域でのトルクは、単気筒の方が力強いかも。「でも、2気筒はどこからでもパワーが滑らかに出てきますね。MT-25の排気音は野太いサウンドで、ヤル気にさせます」。

MT-25のエンジンは、ヤマハらしい高回転までスムーズに吹け上がる爽快なユニットで、「6000rpmを超えてからが本領発揮!」という感じ。普段、単気筒のバイクに乗っているというから、意識的に「回して乗る」ようにお願いしてみると……。

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カマタ青年の印象が大きく好転した模様。「高回転を維持するスポーツ走行だともっと楽しめるでしょうね。回転がスムーズだから、高速道路での巡航も期待できそう」と笑顔を見せる。「あと、ギアがとてもチェンジしやすいです。ニュートラルにも入れやすい」。

この日は、新しい倒立フォークの恩恵を享受するような場面はなかったが、ヤマハMT-25の、癖のないスポーティさを実感できた。気楽なポジション、よく回るエンジン、素直で落ち着いたハンドリング。「免許取り立てライダーにもオススメ!」と思いました。その気になればロングツーリングにも連れ出せる、意外な万能性も見逃せない。

MT-25は、ひとたび愛車にしたならば、慣れるにしたがってドンドン“回せる”ようになって、じわじわと愛着が増していくタイプ。そんな風にお見受けしました。価格は62万1500円です。

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《ダン・アオキ》

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