[外部パワーアンプ]ch数違い…使い勝手が良い4ch

パワーアンプの一例(ビーウィズ)。
パワーアンプの一例(ビーウィズ)。全 2 枚

もしも「スピーカー交換」をしたのなら、次には「外部パワーアンプ」の導入を検討したい。それを実行することで、交換したスピーカーの性能をさらに引き出せるようになるからだ。当特集では、そのガイドとなる情報をお伝えしようと試みている。

カーオーディオ用の「パワーアンプ」には、「ch数違い」がある!?

第2回目となる当回からは、「外部パワーアンプ」の選び方のポイントを紹介していこうと思う。今回はまず、「ch数違い」があることを解説していく。カーオーディオ用の「外部パワーアンプ」の導入を考える際には最初に、「何chアンプにするか」を決定する必要があるからだ。

さて「ch数違い」とは、具体的にはどのようになっているのかというと…。探してみると「1chアンプ」から始まって「8chアンプ」まで、ほぼすべてが存在しているようだ(ざっと調べた中では「7chアンプ」だけは見つけられなかったが…)。とはいえ、種類が多いのは、「1chアンプ」「2chアンプ」、「4chアンプ」、この3タイプだ。

なお、「1chアンプ」の多くはサブウーファー用だ。サブウーファーが担当する超低音は、車室内のような狭い空間ではステレオ感の再現が難しいので、それよりパワフルに鳴らすことが優先されることが多い。なのでサブウーファー用の「パワーアンプ」は「モノラル(1ch)仕様」となっていることが多いのだ。その方がパワーを稼ぎやすい。

ただし、「1chアンプ」のすべてがサブウーファー用かというとそうではない。一部、高音質を追求するからこその「1chアンプ」もある。というのも、高音質を追求しようとするときには、1つのスピーカーユニットに対して「パワーアンプ」の1chずつをあてがうシステムレイアウトが取られることが多いのだが、それを「1chアンプ」を使って実行すると、一層良好なコンディションが作り出せる。そのような使い方を前提としたモデルもある、というわけなのだ。

スタンダードなのは「4chアンプ」。理由は「使い勝手が良いから」!

対して「2chアンプ」では左右2つのスピーカーを鳴らすことができる。つまり、ステレオ再生を行うためのもっともミニマムなタイプが「2chアンプ」だ。なのでフロントスピーカーを鳴らすためにはこれが使われることが多い、かというと、実際はそうでもない。もっとも使われることが多いのは、むしろ「4chアンプ」の方なのだ。

ところで「4chアンプ」は、フロントスピーカーとリアスピーカーの両方を鳴らすことが想定されていることも少なくない。なのでそのようなモデルでは、4つあるスピーカー出力が「フロントch」と「リアch」と呼び分けられている。だが、「4chアンプ」が使われることが多いその理由は、リアスピーカーを鳴らせるから、ではない。そのような使われ方がされることももちろんあるが、別の使われ方がされることの方が多くなっている。

具体的には、以下の2パターンのどちらかのケースで使われることが多い。1つが「フロントスピーカー+サブウーファーというシステムを組むとき」、もう1つが「フロントスピーカーをマルチ駆動させるとき」だ。そのどちらかを1台でまかなえるところが、人気の理由だ。使い勝手が高いのだ。

ただし、「フロントスピーカー+サブウーファー」というシステムレイアウトを組もうとするときには、“ブリッジ接続”に対応している「4chアンプ」を選びたい。“ブリッジ接続”とは、「パワーアンプ」の2ch分の出力を使って1つのスピーカーを鳴らすという接続方法だ。例えば、Achのプラス端子とBchのマイナスとをサブウーファーのプラス端子とマイナス端子のそれぞれに接続する。このような「chをまたぐ接続法」が“ブリッジ接続”なのだ。これが可能であった方が、サブウーファーを鳴らしやすい。覚えておこう。

より高性能な「パワーアンプ」が欲しいと思ったら、「2chアンプ」が有利!?

では、「2chアンプ」はどのようなときに使われるのだろうか。パターンは主には2つが考えられる。1つは、「2chだけあればいいとき」、そしてもう1つは「用意できる予算の中でより良いモデルが欲しいとき」、この2つだろう。

前者については話はシンプルだ。今必要な「ch数」が“2”であるのなら、わざわざ「4chアンプ」は買わなくてもいい、そのような判断も当然ながら有り得る。システム発展のことはとりあえず置いておいて、今必要なch数だけを確保するという考え方だ。そうすることで、コストも低く抑えられる。

対して後者はどういうことなのかと言うと…。例えば、10万円の「2chアンプ」と「4chアンプ」とがあったとすると、「2chアンプ」の方は1chあたりの単価が5万円なのだが、「4chアンプ」の方は1chあたりの単価は2万5000円だ。つまり、1chあたりの価格が高い前者の方が、性能は上だ。単価が倍も違うのだから当然そうなる。このように、ch数を絞った方がより良いモデルを手にしやすくなるのだ。

というわけなので、交換したフロントスピーカーの性能を引き出すことを優先させたいと思ったとき、または今掛かるコストをできるだけ抑えたいときには「2chアンプ」を選んだ方が有利だ。対して、将来的なシステム発展を視野に入れるなら「4chアンプ」の方が有利だ。合理的にシステムを組める。

そして、「5ch」以上の「多chアンプ」は、さらなるシステム発展を視野に入れるときに選択肢として浮上する。後から「パワーアンプ」を追加購入する必要がなく、インストールスペースも少なくてすむ。大がかりなシステムを効率的に組み上げたいと思ったときには、「多chアンプ」が向いている。

今回はここまでとさせていただく。次回も「パワーアンプ」のタイプ違いについて考えていく。お楽しみに。

魅惑の“外部パワーアンプ・ワールド”への誘い…。Part2「ch数違い」について

《太田祥三》

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