コロナショック…トヨタ 豊田社長「リーマン超える衝撃」、ホンダ 八郷社長「見通し算定困難」[新聞ウォッチ]

トヨタ自動車の決算説明会(5月12日)
トヨタ自動車の決算説明会(5月12日)全 4 枚

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

「8割減」といえば、この国のリーダーが緊急事態宣言による外出自粛要請で、人と人の接触を極力減らす目標値として強調していたが、トヨタ自動車の場合は「減らす」のではなく、2021年3月期の営業利益が、前期と比べて「8割」も大幅に減ってしまうという厳しい業績予想である。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が、世界の自動車産業の生産やサプライチェーン(供給網)に大きな打撃を与えている。トヨタ自動車が、2021年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期比約80%減の5000億円になりそうだと発表した。販売の正常化は年末以降との見通しを前提に、世界販売台数の計画を前期比15%減の890万台としており、リーマンショック後の2009年時の110万台減を超える155万7000台の減少を見込んでいるという。

きょうの読売が「トヨタ8割減益予想」などと1面トップで大きく報じたほか、経済面でも「トヨタ打撃リーマン超え、車各社、コロナ後 回復厳しく」との解説記事を掲載。各紙も1面や経済面などで「トヨタ苦境鮮明、コロナ危機各社直撃」(毎日)、「世界販売15%減、『リーマンより打撃』」(日経)、「国内生産正念場」(東京)のほか、「『開発費は維持』、企業体質強化を強調」(朝日)、「コロナ危機トヨタ変革急務」(産経)などのタイトルで詳しく分析している。

インターネットを通じての記者会見でトヨタの豊田章男社長は「コロナショックはリーマンショックよりもインパクトがはるかに大きい」と危機感を示していた。もっとも、営業利益が8割減でも、5000億円の黒字を想定しており、将来に向けた投資も減らさないという姿勢も鮮明にしていた。

一方、トヨタの1時間後に決算発表したホンダは、20年1~3月期の営業損益は56億円の赤字で、四半期では4年ぶりに赤字転落となった。八郷隆弘社長は「(新型コロナの影響について)現段階で先行きを見通して合理的に算定することは困難」として、21年3月期の業績見通しは示さなかった。

明日以降、マツダやスバル、三菱自動車、スズキ、日産自動車と決算発表が続くが、感染拡大の終息が見通せない中でトヨタのように業績見通しを公表できるかどうかも注目したい。

2020年5月13日付

●トヨタ8割減益予想、コロナ直撃販売1000万台割れ、21年3月期、ホンダ赤字、20年1~3月期(読売・1面)

●鉄鋼大手3社赤字、3月期連結、自動車向け低調(読売・10面)

●トヨタ・ホンダ、北米工場50日ぶり稼働、日産は生産停止延長へ(読売・11面)

●米テスラ命令反し再開へ、CEO「逮捕なら私だけに」(読売・11面)テスラ、フリーモント工場テスラ、フリーモント工場(資料画像)

●2月の予想よりマツダは7割減(朝日・6面)

●トヨタ、国内生産正念場、原価改善でコロナ影響抑制(東京・7面)

●「江東」「板橋」「葛飾」ナンバー交付(東京・18面)

●世界のメーカー工場稼働率49%、20年民間見通し、平常時は7割(日経・3面)

●ホンダ純利益25%減、前期欧米中の工場休止響く(日経・17面)

《福田俊之》

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