愛犬との生活で気をつけたいこと…マナーを守り、価値観の違いを意識しよう[リアニマル]

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愛犬とは、散歩や旅行、ショッピングなど、一緒に出かけられる楽しみがたくさんあります。ただ、愛犬同伴の場合は周囲に配慮するマナーも求められます。

社会の一員としての意識が、ペットに優しい社会に

埼玉県の三峯神社が、ペット連れでの境内立ち入りを禁止することを昨年6月に発表しました。古くから動物は「穢れ(けがれ)」との考えがあると言われる神社では、一般的にペット連れでの参拝を禁止しています。秩父市にあるこの神社は、神様の使いとしてオオカミを祀っていることから神社側も「黙認」というスタンスをとり、長年愛犬家に親しまれてきました。

神社としても断腸の思いであるとしたうえで、以下のお知らせが6月4日付けで出されています。

「…一部の方の心無い振舞いにより信仰の場としての神社の尊厳維持が困難になりかねない事態が起き、熟慮を重ねた結果、誠に遺憾ながら令和元年7月1日よりペット連れでの境内立ち入りをお控えいただくことと決定させていただきました。(以下略)」

神様の使いとして祀られるオオカミ

お知らせの全文からは、一部の愛犬家のマナーに問題があったことがうかがえます。愛犬と利用できるカフェやホテルが増える一方で、公園や飲食店の中にもペット連れでの利用を改めて禁止にする施設が現れています。

こうした傾向は、私たち飼い主側の意識の問題が招いたところも大きいような気がします。逆に言えば、愛犬家の一人ひとりがマナーを守ることで、よりペットに優しい社会を築くことができるのだと思います。

「動物の飼育」ではなく、家族として犬と「暮らす」という意識が定着した昨今、「どこに行く時も一緒」という飼い主は少なくないでしょう。それは、同伴する犬も含めた家族全体に、人間社会のマナーが要求されることにもつながります。そこで、現代の愛犬家がどんなことに配慮すべきか、自分のことも振返りながら改めて整理してみました。

人それぞれの価値観の違いや考え方から始まり、散歩、ドッグラン、ドッグカフェ、交通機関などシーンごとの具体的な提案を2回に分けて紹介します。

価値観の違い:動物が嫌いな人もいる

犬に限らず、動物は私たちにたくさんの喜びを与えてくれます。自分のペットはもちろん、例えば散歩の途中で出会った見知らぬ犬にも癒された経験はあるでしょう。愛犬家だけでなく、動物が好きな人は無意識のうちに犬を可愛いものと感じます。その一方で、犬に全く関心のない人や苦手な人、もしくは何らかの偏見をもっている人も当然います。

最近では公共交通機関におけるベビーカーの使用や子どもの泣き声などに関して、しばしば議論されます。社会が寛容さを失っているという意見がある一方、子ども連れ側のマナー改善を求める声などもあります。

いずれにしても、人それぞれがもつ価値観、考え方や事情といった「違い」を尊重しお互いに配慮することが、暮らしやすい社会のための基本ではないでしょうか。自分にとっては好ましいこと、何でもないことが、別の人には不快な場合もあり得るということを常に意識することが、優しい社会の実現につながると思います。

では、愛犬家は具体的にどんな配慮をすることが必要なのか、場面ごとに整理してみました。

愛犬家に求められる配慮1:排泄物の処理

まずは、トイレに関するマナーから。愛犬がウンチをした場合、持ち帰って適切に処理するのは基本中の基本ですが、依然として徹底されていないのが現実です。地域差はあると思いますが、都会でも放置された糞を散歩中に愛犬が「クンクン」するのは、私も日常的に経験しています。愛犬家にとっても嬉しくない犬のウンチ。動物に関心のない人々が、どんな印象をもつかは明白でしょう。

トイレットペーパーに包んでトイレに流す家庭が多いと思いますが、公園ではトイレに流すことを禁止しているケースもあります。ドッグフードに含まれる脂分によって、トイレが詰まる場合があるそうです。また、誤って小石などを飲み込み、一緒に排泄された場合などは取り除いてから流す注意が必要です。持ち帰るだけでなく、地域やマンションのルールに従って、適切に処理することも大切です。

オシッコにはボトルの水を掛けて流す飼い主が増えていて、意識の高まりを感じます。とはいえ、他人の犬が自宅の前や塀などにマーキングするのを快く思う住人はいないでしょう。また、芝生の上では水で尿を流すことはできませんし、公園は子どもや家族連れなども座ってリラックスする場所になっています。最近では、散歩の際にもトイレシートを持ち歩き、排尿が必要な場合はシートの上でさせる飼い主もいます。

トイレシート上での排泄を習慣にすると、飼い主の負担も大幅に軽減されるメリットがあります。交通機関や車での移動時には、都合の良いタイミングで排泄させることができるとともに、愛犬に我慢を強いる必要もなくなります。ホテルや友人宅に泊まる時にも、マナーベルトなどの対策が不要になります。

なお、使用後のトイレシートやウンチは廃棄するまで持ち歩くことになりますが、その際は防臭作用のある袋を使用するとともに、外から見えないよう「マナーポーチ」に入れるなど、周囲への配慮をお忘れなく。

外に臭いが漏れない構造のビニール袋

デザインや機能性が様々な「マナーポーチ」

愛犬家に求められる配慮2:リードコントロール

散歩では、リードを短めにしっかり持って自転車やクルマなどとの事故に気をつけると同時に、歩行者の邪魔にならない配慮が大切です。伸び縮みするタイプのリードを伸ばしたままで散歩している愛犬家がいますが、人や車両のいない広い場所以外では、短く固定して周囲の妨げにならないようにしましょう。また長いリードは、犬同士が絡まってけがをするなど思わぬ事故にもつながります。

屋外では、予期しない音や子どもの突然の動き、自転車の飛び出しなどのリスクもあり、訓練されている犬でも普段と異なる行動をとる場合があります。そうした場合を常に念頭に置き、コントロールしやすいリードの使い方を意識しましょう。また、犬の散歩時に限りませんが、「歩きスマホ」がとても危険なのは言うまでもありません。常に愛犬と周囲の状況に注意を払うのが、責任ある飼い主のマナーと言えるでしょう。

愛犬家に求められる配慮3:立ち入り禁止エリア

犬の立ち入りが全面的または部分的に禁止されている公園もあります。自治体や公園ごとに規定は異なりますが、通常は入り口に表示されています。また、インターネットでも事前に確認できる施設も増えています。愛犬家にとっては残念な「ペット禁止」ですが、ルールに注意を払うことで、こういった制限の緩和にもつながると思います。

また、犬の散歩が認められている場合でも、花壇など人間が立ち入ることのできない場所は愛犬も歩かせない配慮が求められます。その他、人混みの中での散歩を避けたり、混雑した場所では抱きかかえたりすることで、事故や周囲とのトラブル防止に努めましょう。

次回は、ドッグランやドッグカフェなど犬同伴で出かける場所を中心に、具体的なマナーについて紹介します。

(マナーポーチ写真提供:しまペットCLINIC)

愛犬との生活で気をつけたいこと vol.1…マナーを守り、価値観の違いを意識しよう

《石川徹》

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