JR九州は公共性に斟酌を…山口佐賀県知事が赤字線区収支に言及

唐津線の普通列車。唐津~西唐津間における2018年度の1日あたりの平均通過人員は1005人となっている。1987年と比べると減少率は24%と比較的低い。
唐津線の普通列車。唐津~西唐津間における2018年度の1日あたりの平均通過人員は1005人となっている。1987年と比べると減少率は24%と比較的低い。全 1 枚写真をすべて見る

佐賀県の山口祥義知事は5月28日に開かれた定例会見で、JR九州が5月27日に発表した、2018年度の線区別収支について言及した。

このデータは、1日あたりの平均通過人員が2000人未満で、営業損益がマイナスとなっている17線区を対象に発表されたもので、赤字額の最大は日豊本線佐伯~延岡間の6億7400万円となっている。

また、1日あたりの平均通過人員と、JR九州が発足した1987年と比較した人員の減少率は、豊肥本線宮地~豊後竹田間の101人(減少率90%)がトップとなっているが、同区間は、2016年4月に発生した熊本地震により肥後大津~阿蘇間が長期不通になる前の2015年度は463人を数えていたため、これを除くと、肥薩線人吉~吉松間の105人(減少率82%)がトップとなる。

このうち、佐賀県内では唐津線唐津~西唐津間が2億2900万円の赤字(減少率24%)、筑肥線伊万里~唐津間が1億9300万円の赤字(減少率70%)となっているが、これについて山口知事は、営利事業として営業損益のデータを公開する点には理解を示しながらも「黒字のところも出していかれたらいいのかな」と述べ、幅広い情報開示を希望する旨を示した。

さらに山口知事は、旧国鉄を前身に持っているJR九州に対して公益性に斟酌することを求めるとともに、「例えば、筑肥線の唐津-伊万里間もそうだけれども、できるだけいい活用がないかということも考えないといけないねというところは地元とともに考えていきたいと思います」と述べた。

懸案となっている九州新幹線西九州ルート新鳥栖~武雄温泉間の整備問題については、新型コロナウイルスの感染拡大で止まっている国土交通省鉄道局とのやりとりが、6月上旬には再開されるのではという観測を示している。

その上で、今後のやりとりについては「僕らは、すごく佐賀県ってストレートなので、表裏がない県なので、思ったことをちゃんと言うだけです。ですから、国交省さんも思ったことを言われたらいいと思っています」と述べ、マスコミへの公開を前提に、ガラス張りで進めていきたい意向も示した。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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