[外部パワーアンプ]4chアンプで“フロント2ウェイ+サブウーファー”を鳴らす その1

4chパワーアンプの一例(ケンウッド)。
4chパワーアンプの一例(ケンウッド)。全 1 枚

カーオーディオシステムに「外部パワーアンプ」を追加することの楽しさを紹介している当特集。当回からは、使い方のコツや楽しみ方のポイントを解説していこうと思う。まずは「4chアンプで“フロント2ウェイ+サブウーファー”を鳴らす方法について掘り下げる。

本格システムを合理的に構築しようと思ったら、このスタイルが有効!

今回は「4chパワーアンプ」を使って“フロント2ウェイ+サブウーファー”を鳴らす」というスタイルについて考えていく。

ちなみに、使用しているメインユニットに高度なプロセッサーが搭載されていたり、「外部パワーアンプ」の導入と同時にプロセッサーも投入される場合には、「4chパワーアンプ」の4chすべてをフロント2ウェイスピーカーにあてがう“マルチアンプシステム”が組まれることが多いのだが(これについては改めて解説する)、メインユニットに高度なプロセッサーが搭載されていないのであれば、“フロント2ウェイ+サブウーファー”を鳴らすシステムが選択されることも多い。この方法を選ぶと“低音増強”も同時に行えることがメリットとなる。そして、「外部パワーアンプ」を使って高域から超低域までを分厚く、緻密に鳴らし切ることが目指される、というわけだ。

なおこのシステムレイアウトにおいては、フロント2ウェイスピーカーが“アナログ”的にコントロールされることとなる。

“アナログ”的というのはつまり、パッシブクロスオーバーネットワークが使われることを指す。フロント2ウェイスピーカー用の音楽信号の“帯域分割”をプロセッサーで行わず、これにて実行する。結果、フロントの4スピーカー(左右のツイーター+左右のミッドウーファー)を、「4chパワーアンプ」の2ch分だけで鳴らせる。そして2chが余るので、それにてサブウーファーをドライブできる。このように、本格的なスピーカーレイアウトである“フロント2ウェイ+サブウーファー”を、合理的に(1台の「パワーアンプ」だけで)鳴らし切れるのだ。

“ブリッジ接続”が可能だと、サブウーファーをパワフルに鳴らせる!

ところで、このシステムスタイルを選択する際のサブウーファーの鳴らし方には実は、3つのやり方が存在している。1つは「1発のサブウーファーを“ブリッジ接続”してモノラルで鳴らす」という方法で、2つ目は「2発のサブウーファーをステレオで鳴らす」という方法、そして3つ目が「“ダブルボイスコイル”のサブウーファーを鳴らす」という方法、以上だ。

この中でもっともスタンダードなのはズバリ、「1発のサブウーファーを“ブリッジ接続”してモノラルで鳴らす」方法だ。ちなみに“ブリッジ接続”とは、以下のような運用法のことを指す。例えば、「4chパワーアンプ」のCchのプラス端子とサブウーファーのプラス端子とを接続し、Dchのマイナス端子とサブウーファーのマイナス端子とを接続する。このようにすることで2ch分のパワーを1発のサブウーファーに注げるので、よりパワフルにサブウーファーを駆動できる。

具体例を挙げて説明しよう。例えばケンウッドの『XH401-4』(4chパワーアンプ、税抜価格:4万5000円)というモデルでは、1ch当たりの定格出力は75W(4Ω接続時)なのだが、ブリッジ接続をした場合には200W(4Ωブリッジ接続時)の定格出力が得られる。サブウーファーは基本的に、フロントスピーカーを鳴らす場合よりも大きなパワーが必要となるのだが、“ブリッジ接続”を活用すれば大パワーが必要なサブウーファーも楽々鳴らせるようになるのだ。

ただし、「パワーアンプ」によっては“ブリッジ接続”が不可のモデルもある。もしも「4chパワーアンプ」を使って“フロント2ウェイ+サブウーファー”システムを効率良く完成させようと思ったら、「パワーアンプ」のセレクトの際には、“ブリッジ接続”が可能かどうか、ここのところにも注目しよう。

“ブリッジ接続”が行えない場合には、“ダブルボイスコイル”サブウーファーが役に立つ!?

対して、「2発のサブウーファーをステレオで鳴らす」という方法は、「4chパワーアンプ」がそれなりに高出力でないと難しい。さらに言うとサブウーファーを2発用意しなくてはならないところもハードルとなる。また、サウンド制御の難易度も上がる。というわけなのでこの方法は、ステップアップスタイルだと認識した方がいいだろう。いきなりこの形にトライするのは避けた方が無難だ。

そしてもう1つの「“ダブルボイスコイル”のサブウーファーを鳴らす」についてだが、これは、使用する「4chパワーアンプ」が“ブリッジ接続”に対応していない場合の選択肢となる。そうであっても、組み合わせるサブウーファーに“ダブルボイスコイル”のモデルを選べば、サブウーファーのドライブが可能になることもあるのだ。

なお“ダブルボイスコイル”というのはその名のとおり、振動板を動かすための磁気回路(ボイスコイル)が2つ備えられている、という意味だ。つまり、見た目上は1つのサブウーファーなのだが、運用上は2発扱いをすることになる。この構造がメリットを発揮する局面はさまざまあるのだが、サブウーファーを鳴らしたいと思ったときにその「パワーアンプ」が“ブリッジ接続”に非対応だった場合にも重宝する。

ただし、使用するパワーアンプと“ダブルボイスコイル”サブウーファーとのパワーバランスを考慮する必要があるので、その点については“カーオーディオ・プロショップ”のアドバイスを仰ごう。

今回はここまでとさせていただく。次回はこの“フロント2ウェイ+サブウーファー”を1台の「4chパワーアンプ」で鳴らそうとするときの実用上コツにを紹介していく。お楽しみに。

魅惑の“外部パワーアンプ・ワールド”への誘い…。Part5「4chアンプ」で“フロント2ウェイ+サブウーファー”を鳴らす!

《太田祥三》

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