西武の『としまえん』、94年の歴史に幕…跡地を避難・防災拠点などに整備へ 8月31日かぎり

「としまえん」に設けられている「チャレンジトレイン」。現在は4両あり、写真は「2000系タイプ」。
「としまえん」に設けられている「チャレンジトレイン」。現在は4両あり、写真は「2000系タイプ」。全 2 枚

西武鉄道(西武)は6月12日、100%子会社の株式会社豊島園が運営する遊園地『としまえん』(東京都練馬区)を8月31日を最後に閉園すると発表した。

『としまえん』は、大正時代の1926年9月に「練馬城址豊島園」として開園。現在のように西武の資本が入ったのは1941年11月のことだった。

戦時中の1944年4月には戦況悪化を理由に一旦、閉園したが、戦後は1946年3月に再開し、以後、大人や子供を問わず、東京都内では世田谷区の「二子玉川園」や文京区の「後楽園ゆうんえち」と並ぶ屈指の遊園地として発展した。

近年では、2017年9月に鉄道関係のアトラクションとして、電車のマスコンやブレーキ操作を体験できる、子供向けの「チャレンジトレイン」を設置。黄色い2000系のほか、001系『Laview』や20000系「2代目 銀河鉄道999デザイン電車」、30000系「スマイルトレイン」、40000系をイメージした車両も登場し、人気を博した。

しかし『としまえん』が立地する地域は、1957年に都市計画公園「練馬城址公園」の指定を受けていたことから、2011年には、2020年度までの10年間で優先的に避難・防災拠点などとして整備する「優先整備区域」に指定。西武は東京都と整備についての協議を進めてきたが、6月12日に「都市計画練馬城址公園の整備にかかる覚書」を締結したことや、今後の土地利用計画を鑑みて「豊島園庭の湯」を除いて閉園することになった。

閉園については、今年2月に報道で明らかにされており、今回の発表には触れられていないが、跡地の一部を、アメリカのエンターテインメント企業で世界的な映画製作・配給会社でもあるワーナー・ブラザースが、『ハリー・ポッター』のテーマパークを建設する方向でも調整されているという。

『としまえん』は、池袋線練馬駅(東京都練馬区)から分岐する豊島線の終点・豊島園駅に近いが、現時点で駅名の扱いに関するアナウンスは行なわれていない。

現在は新型コロナウイルスの影響で臨時休園しているが、6月13日には「あじさい園」のみ先行して再開、6月15日にはプールを除く全園が再開する予定。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ハスラー タフワイルド 新型試乗】“クラシック・ミニ”の面持ちを思い出す…島崎七生人
  2. トヨタ『RAV4』新型、5月21日に世界初公開
  3. トヨタ『RAV4』新型を世界初公開、3つのスタイルで進化 日本発売は2025年度中
  4. 昔ほど“馬力アップ”しない? それでも交換する価値がある理由~カスタムHOW TO~
  5. トヨタのオフロード仕様「TRDプロ」、新色「ウェーブメーカー」で冒険心を刺激…今秋米国設定へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. BYDが「軽EV」の日本導入を正式発表、2026年後半に
  2. シェフラーがヴィテスコ合併後初の出展、ポートフォリオ拡大と顧客対応力をアピール…人とくるまのテクノロジー展2025
  3. VWと米ウーバーが提携、『ID. Buzz』の自動運転車を運行へ
  4. 地域再エネ活用の収益を還元、ホンダ N-VAN e:を茨城県神栖市へ無償提供
  5. 【学生向け】人とくるまのテクノロジー展 2025 学生向けブース訪問ツアーを開催…トヨタ、ホンダ、矢崎総業、マーレのブースを訪問
ランキングをもっと見る