機械遺産の回転木馬 エルドラド はどうなる?…としまえん閉園で[フォトヒストリー]

機械遺産の回転木馬、としまえんカルーセルエルドラド(現在)
機械遺産の回転木馬、としまえんカルーセルエルドラド(現在)全 21 枚

西武鉄道が所有する遊園地「としまえん」(東京都練馬区)は、8月31日に閉園することが決定した。気になるのはとしまえんのシンボルとも言える回転木馬、「カルーセルエルドラド」の行方だが、西武鉄道では今後の活用・保存のために、あらゆる可能性を検討しているという。

【写真】としまえんフォトヒストリー(全21枚)

としまえんを中心としたエリアについては、1957年に都市計画公園「練馬城址公園」の指定を受け、2011年には東京都によって、避難場所や防災拠点となる公園・緑地の整備を促進する「優先整備区域」に指定されていた。西武鉄道と東京都は協議を進め、西武鉄道はこのほど、東京都を含めた関係者と「都市計画練馬城址公園の整備にかかる覚書」を締結、としまえんを閉園することについて、6月12日に正式に公表した。

としまえんは1926年に「豊島園」として開園、現在は、西武鉄道が所有し、同社の100%子会社である豊島園が運営している。

機械仕掛けの芸術的乗り物である回転木馬のカルーセルエルドラド(CAROUSEL "EL DORADO")は、ドイツのヒューゴー・ハッセによって作られ、1907年にミュンヘンで開催された“オクトーバーフェスト”において披露された。当時、世界最大にしてもっとも豪華なカルーセル(回転木馬)と言われた。24体の木馬をはじめ、豚やゴンドラ、馬車など、すべてが手彫りの木造だ。天使や女神などの美術工芸は、当時流行だったアールヌーボー様式。

ハッセのカルーセルは1911年、米ニューヨークのコニーアイランドにある遊園地スティープルチェイスに移設される。カルーセルはスペイン語で“黄金郷”を意味する「エルドラド」と呼ばれ、1964年に遊園地が閉園するまで使用された。エルドラドは解体・保管されていたが、としまえんが購入して1969年に日本へ運ばれ、製作当時の姿に復元されて1971年からとしまえんで回り始めた。

エルドラドは100年以上の歴史を持つ世界的に貴重な文化遺産として、2010年に『機械遺産』に認定された。『機械遺産』(Mechanical Engineering Heritage)とは、日本国内の機械技術面で歴史的意義のあるものに対して、日本機械学会が認定する。

このように歴史的な価値も高いエルドラドだが、としまえん閉園後の処置について西武鉄道では、今後の活用・保存のためにあらゆる可能性を検討している。また、としまえんの一部の遊具について、西武園ゆうえんちに移転することも検討しているそうだ。

なお、としまえんの施設のうち、「豊島園庭の湯」は9月1日以降も継続して営業する。現在のとしまえんは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防の観点から臨時休業していたが、「あじさい園」の営業を6月13日に開始、6月15日よりプールを除く遊園地全体で営業を再開する。

《高木啓》

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