【フォーミュラE】8月にベルリンで19/20シーズン“後半戦”を集中開催…9日間で6レース実施へ

2018/2019シーズンのフォーミュラE ベルリン戦(19年5月)。
2018/2019シーズンのフォーミュラE ベルリン戦(19年5月)。全 8 枚

フォーミュラEは17日、ステートメントを発行し、8月にドイツのベルリンで9日間に6レースを実施する計画を公表した。中断されている2019/2020シーズンの第6~11戦に相当し、ここでシーズン決着(閉幕)となる見通し。

電動車のフォーミュラカーレース「フォーミュラE」は年跨ぎのシーズン形態を採っており、2019/2020シーズン(第6シーズン)は今年2月29日までに5戦を終了していた。しかし、その後はコロナ禍による混乱に見舞われ、シーズンは中断、そればかりか第6戦以降の新カレンダー編成も実質白紙化のような状況に。世界の大都市での市街地特設コース開催を基軸とするシリーズだけに、そのことが再開の大きな障壁になるではないか、などとも見られていた。

そんななか、クローズドサーキットでの開催等も含め多角的にシーズン再開の方向性を探っていたフォーミュラEは今回、思い切った策を構築してきた。19/20シーズンを一定のレース数をしっかり消化した上で閉幕するために、8月、一箇所で9日間のうちに6レース(ダブルヘッダー3回)を実施する“シーズン後半戦”の集中開催方式だ。

舞台となるのはドイツのベルリン、テンペルホーフ“元空港”。フォーミュラEのベルリン戦は別の場所(いわゆる市街地)での開催だったこともあるが、テンペルホーフは馴染みの開催場所で、もともと今季もベルリン戦(当初予定1レース)を実施する予定だった。そのテンペルホーフで8月5&6日、8&9日、12&13日に計3回のダブルヘッダーを行なう。

特設コースのレイアウトは元空港という場所の特性も活かし、ダブルヘッダー毎に変えられる予定。第6~7戦を戦って、中1日で第8~9戦、そして中2日で第10~11戦という日程になり、9日間で6レースを実施する(原則無観客開催)。

集中開催という異例のパターンでの決着にはなるが、全部で11レースをしっかりこなしてチャンピオンが決まるということなので、尻切れ閉幕の懸念もなくはなかったことを思えば、多くの者にとって「御の字」の解決策だろう。あとは無事の6レース開催を祈るばかりである。

さて、これで8月13日がフォーミュラEの19/20シーズン閉幕日というかたちになるわけだが、少し気になる要素も浮上してくる。それは並行参戦するドライバーもいる世界耐久選手権(WEC)の19/20シーズン再開日が現状、実質的にこの日であると考えられることだ。

やはりシーズン中断中のWECは、8月15日(土曜)決勝の第6戦スパ・フランコルシャン(ベルギー)でシーズンを再開するプランを有している。この御時世、WECスパ戦の走行日程にも変更等が施される可能性はもちろんあるが、3日間の走行日程ならば、フォーミュラE ベルリン戦の最終日である8月13日がWECスパ戦の走行初日になる(WEC公式サイトでは現状、現地8月13日13時に最初の走行セッション開始とされている)。

たとえばWECで中嶋一貴とともにトヨタ8号車を走らせているセバスチャン・ブエミ(フォーミュラEでは日産e.damsに所属)やブレンドン・ハートレー(フォーミュラEではGEOX DRAGONに所属)といった並行参戦選手たちに関しては、なんらかの“措置”や“対応”が必要になってくるかもしれない(通常、3日間日程の走行初日には予選セッションこそないが…)。

このあたり、WEC側を含めた今後の動きが注目されるとともに、なによりフォーミュラEもWECも、すべての予定には依然として平時よりも高い確率でさらなる変更の可能性があることを意識しておくべきだろう。

なお、フォーミュラEの「リモートeレース」においてプロのeレーサーに代走を頼んだ件で失格問題を引き起こしたダニエル・アプト(アウディ)は、その後、チームに実車のシートから外されてしまう事態となった。本人的にはいたずらレベルの軽い気持ちでの行動だったようだが、大きな代償を払うこととなっている。

[追記] 6月19日、アウディはフォーミュラEの“ベルリン6連戦”にレネ・ラストをアプトの後任として起用することを正式発表した。ラストはDTMのアウディ陣営主戦ドライバーでもあり、2回のDTMチャンピオン獲得経験を誇る。

《遠藤俊幸》

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