フィアット『チェントヴェンティ』、ベストコンセプトカー賞に輝く…次世代小型EV提案

エクステリアは1980年代のパンダがモチーフ

自由にカスタマイズできるインテリア

バッテリーを最大3個に増やすことで500kmの航続を達成

「Car Design Award」の「ベストコンセプトカーオブ2019」を受賞したフィアット・コンセプト・チェントヴェンティ
「Car Design Award」の「ベストコンセプトカーオブ2019」を受賞したフィアット・コンセプト・チェントヴェンティ全 17 枚

フィアットは6月18日、『コンセプト・チェントヴェンティ』(Fiat Concept Centoventi)が、「Car Design Award」において、「ベストコンセプトカーオブ2019」を受賞した、と発表した。

フィアットは1899年、イタリアで創業した。2019年は、フィアット創業から120周年に当たる。これを記念して、発表されたのが、コンセプト チェントヴェンティだ。車名の「チェントヴェンティ」とは、イタリア語で120を意味する。

エクステリアは1980年代のパンダがモチーフ

コンセプト・チェントヴェンティは、小型のEVを提案したコンセプトカーだ。モチーフは、1980年代の『パンダ』に求められた。ボディサイズは、全長3680mm、全幅1470mm、全高1527mm、ホイールベース2430mm。フィアットによると、コンセプト・チェントヴェンティは「白紙のキャンバス」という。ルーフ、バンパー、ホイールカバーなどの外装は、「4Uプログラム」を利用して自由にカスタマイズできる。バンパーやフェンダーを、テクスチャー素材にすることも可能だ。

大型のテールゲートには、外部へのメッセージ表示機能が付く。安全上の理由から、走行中は「Fiat」のロゴを表示するだけだが、停止するとドライバーは「メッセンジャーモード」に切り替えることができ、広告などを表示することが可能だ。ソーシャルメディアデバイスとしても機能する。フィアット・コンセプト・チェントヴェンティフィアット・コンセプト・チェントヴェンティ

自由にカスタマイズできるインテリア

コンセプト・チェントヴェンティのインテリアは、エクステリア同様、自由にカスタマイズできるのが特長だ。ダッシュボードには、「レゴブロック」のような特許取得済みのインターロックマウントシステムを採用しており、追加コンポーネントを簡単に取り付けることができる。

ドアトリムは、冷蔵庫のドアからインスピレーションを得た。収納ポケット、ボトルホルダー、オーディオスピーカーを取り付けることができる。シートは、クッションやヘッドレストの色や素材を変更できる。 助手席は収納ボックスやチャイルドシートに置き換えることも可能だ。リアシートは回転して格納され、荷物スペースを拡大できる。

新しい素材も導入した。例えばシートは、ポリオレフィン樹脂を配合した新しいプラスチック素材を使う。フィアットによると、一般的なプラスチックよりも重さは3分の1で済むという。シートバックとヘッドレストには、100%リサイクルの糸で作られた「3Dニット」技術を採用する。この技術は、スニーカーやスポーツウェアなど、スポーツ分野ですでに使用されている。

コンセプト・チェントヴェンティには、最新のコネクティビティを採用する。インストルメントパネルには、2つのソリューションを用意した。ひとつは、スマートフォンを10インチディスプレイに組み合わせたもの。ドライバーは自分のスマートフォンやタブレットをダッシュボードに接続して、ナビゲーションや音楽、メッセージングなどの機能が利用できる。

もうひとつが、フルデジタルの20インチディスプレイだ。このディスプレイのサポートは、バッテリーの充電状態や先進運転支援システム(ADAS)、カーシェアリングなどの情報が表示される。フィアット・コンセプト・チェントヴェンティフィアット・コンセプト・チェントヴェンティ

バッテリーを最大3個に増やすことで500kmの航続を達成

EVパワートレインも、カスタマイズできる仕様とした。標準状態では、バッテリーが1個搭載され、1回の充電での航続は100kmだ。オプションで、バッテリーを最大3個に増やすことができ、航続は最大で500kmまで延びる。

コンセプト・チェントヴェンティでは、オープンルーフが選択できる。ルーフには、太陽電池パネルを装備することも可能だ。ソーラーパネルで発電した電力を、駐車中のエアコンの稼働や、デジタルディスプレイの表示に利用することができる。

このコンセプト・チェントヴェンティが、Car Design Awardにおいて、ベスト・コンセプトカー・オブ2019を受賞した。Car Design Awardは、『カーデザインニュース』が毎年開催しているものだ。世界的に有名な自動車メーカーの18名のデザインディレクターで構成された審査員が、2019年に発表されたコンセプトカーの中で、最高の1台を選出する。

フィアットは、コンセプト・チェントヴェンティの革新的なモジュラーコンセプトと、色や素材の優れた使用方法が評価された、としている。

《森脇稔》

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