ツーリングが楽しくなるのはタイヤ選びが重要!22年ぶりに進化した「BATTLAX BT46」を試してみた

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ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!
ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!全 28 枚

皆さんこんにちは。プロレーサー、テストライダー・ドライバーの丸山浩です。本日はブリヂストンの新型ツーリングバイアスタイヤ、BATTLAX BT46インプレをお届けするぞ!なんと前モデルのBT-45から実に22年ぶりの進化!待望中の待望な新型の性能を検証していこう。

なお今回は比較対象同時試乗ではないので、BT46単体のフィーリングを、あくまで私の経験に基づき総合的にお話することを先にお断りしておく。ともあれ、30余年のモタスポ人生の中で、星の数ほどのインプレおよびタイヤ開発を行ってきたのでご安心あれ。次のタイヤをラジアルに決めかけているあなたを、更に深いタイヤ選びの迷宮へとご招待しよう。タイヤ選びって楽しいよね!

房総半島をぐるっと一周、BT46の万能なグリップバランスを改めて実感

ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!

今回の試乗ステージは公道。相棒はヤマハ 『YZF-R25』、都内からアクアラインを渡り千葉房総を南進、ワインディングを挟みつつ館山に向かう総走行距離200km程のルート。そして天気は快晴、ドッピーカンである。朝の気温は10度、日中でも25度くらいの、一年のうちでもそうそうやってこないであろう稀に見るツーリング日和。季節は春だから、うっかり寒いかもと前日まで準備していた厚手のウェアはお留守番。いやぁこんな日の試乗は心も晴れ晴れしてくるものだ。

BT-45の好評な部分は踏襲しつつ、なんと22年ぶりにBT46へと進化したのだ!BT-45の好評な部分は踏襲しつつ、なんと22年ぶりにBT46へと進化したのだ!

カタログを見やるにこのBT46、かねてからウェット性能に定評のあったBT-45から、ドライ性能据え置き且つウェット性能を全体的に強化したとある。ともすれば、以前お届けしたBATTLAX RS11×Ninja ZX-10R@筑波サーキットインプレの時のような、ドッシャドシャでバッシャバシャなレインコンディションの方がテストには向いているわけで、ドライグリップ重視のRS11には今日が最適(※RS11の記事はこちら)。んも~、逆だよ逆ぅ!気持ちを切替えて、今回の天気に感謝しつつツーリングを楽しむことにしよう♪

道順は、アクアラインを抜けて、海ほたるへ。そこから高速を使って南下し、パーキングへ。直線ばかりのルートだったのに、タイヤのコンパウンドは指で押すとサイドまでグニュグニュ動くくらい柔らかくなっている。溝の多さも相まって、やはり温まりが早い。新品スタートからの減り具合はまだまだこれからと言った具合で、センターにもヒゲが残っているレベル。

ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!

ここのところテストと言うとムッキムキなリッターバイクばかりだったので、久々に乗る250ccの何と気軽で楽しいこと。高速は飛ばさず景色を眺める余裕もあるし、安房グリーンラインのワインディングも一つ一つのコーナーが楽しい。これが大排気量スーパーバイクだと、マシン性能を確かめようとした結果、ちょっとしたワインディングも(常識の範囲内で)攻め立てることになる。大体装着のハイグリップラジアルの温まりを入念に確認しつつ、十分に熱が入ってからハンドリングをテスト。日陰やウェットパッチが出現する度に下がる路面ミューに合わせてバンク角を抑えたりと、高い集中力とテクニックが必要。それが面白さでもあるのだが、シビアさが付きまとうのも否めない。

一方、今日の試乗にはそんなピリピリした緊張感は一切ない。R25は急かしてこないし、何よりはBT46の早いグリップ力の立ち上がりにある。早朝の冷え込み、長い直線の後の1つ目のコーナー、日陰、山肌から流れ出す水、一休み後の再スタート、通り雨、日が暮れてだんだん下がる気温…ハイグリップラジアルならすべてのシチュエーションで必要なペースコントロールを、BT46はライダーに要求してこない。路面状況に影響されづらい、つまりはグリップ力1日の安定感が高いのだ。

ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!

もちろんその代わり、ドライグリップの最大値は劣る。だがよく考えてみてほしい、日帰りツーリングでハイグリップラジアルの真価を引き出せるシチュエーションがどれくらいあるだろうか。せいぜい峠の短い区間だけである。仮に、一日に発揮したグリップ力を平均化し比較すると、ともすればBT46に軍配があがるといっても過言ではないだろう。

今どきの気負わずに250ccスポーツを楽しむスタイルにぴったり、服に例えるとTシャツとデニム?!

ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!

よくよく「タイヤは路面と接する重要なパーツだから、少しでも性能を高いものを」という論調になりがちだが、ここで例え話を1つ。ハイグリップラジアルをフォーマルなスーツやドレス、BT46などのツーリングバイアスをカジュアルなTシャツデニムだと思ってほしい。ここぞという場面で身なりをバシッと決めれば、あなたの魅力も急上昇。色々良い成果も得られるだろう。しかし、普段から四六時中着ているのはどうだろう。暑苦しいわ動きにくいわ着崩れするわで、逆にパフォーマンスの低下につながる。近所のコンビニにフォーマルで挑んだところで、せいぜい「あの人もしかして凄い人!?…いや結婚式かな」などと思わせるくらいだ。片やTシャツデニムならどうだろう。コンビニ楽勝、散歩も旅行も通勤通学もOK、唯一立ち入れないのはドレスコードが指定されてるエリアのみ。洗濯も言わずもがな。抜群の行動範囲の広さと使い勝手である。

今どきの250ccスポーツバイクの楽しみ方はこの様に、随分とカジュアル寄りなスタイルではなかろうか。「ハイグリップラジアルの鋭いコーナーリングあってこそ!」というバリバリな方でなければ、OEMで設定されているツーリングバイアスの方が合っている。事実、私自身も今回の千葉房総館山ツーリングを終始気兼ねなく楽しむことができた。

ワインディングではここまで倒しても平気!ただし、ラジアルほどのグリップはないのでご注意をワインディングではここまで倒しても平気!ただし、ラジアルほどのグリップはないのでご注意を

このキャラクターこそが、先代BT-45を息の長いモデルとなし得た理由。対応サイズの広さも加わり、ストリートバイクは勿論のこと、元々バイアス基準の足回り設計である旧車にも相性はぴったり。私も愛車のCB900Fがノーマルだった頃、BT-45を重宝していた。ここでもう一つ、一般的には意外と思われる使い道をご紹介。それはレースでのレインタイヤとして使う選択だ。例えば、筑波サーキットのテイスト・オブ・ツクバなどを走る旧車たちには、装着できるレース専用レインタイヤが存在しない。そこでウェット性能の高いBT-45の出番、ハイグリップタイヤよりも遥かに攻めた走りができる。また、ある草レースでフルウェットだった時、トップ独走の250ccはレーシングレインを履いてるのかとピットを覗いてみたらBT-45だった(!)なんてこともあった。

これだけのウェット性能を発揮できるのは溝の多さもあるが、やはりコンパウンドの柔らかさが大きなファクターだ。というわけで、走れる人がドライ路面でプッシュするとタイヤは思いのほかデロッデロになる。それじゃライフが心配!と思われるかも知れないが大丈夫。カジュアルな使い方では、普段摩耗するのはセンター部分がほとんど。たまーに峠でサイドを使えばちょうどいい塩梅にまーるくなる。じゃぁウェット性能を強化したBT46のコンパウンドはもっと柔らかいわけで、やっぱりライフが心配!と思われるかも知れないが大丈夫。スポーツラジアルのSシリーズがS21に進化した際、世界GPで培った技術をコンパウンドにフィードバックして、ドライグリップとライフを維持しつつ驚くほどウェット性能を上げてきた。恐らく今回も同じ手法であろう、気兼ねなく走り回っても大丈夫!

お財布にも優しいBT46、スペック違いでのライドフィールも楽しんでみよう

ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!ブリヂストン「BATTLAX BT46」を装着して、千葉県の房総半島~館山へツーリング!

最後にコストパフォーマンスにクローズアップしてみよう。全体性能が高いラジアルの方が高価なのはご承知のことと思う。出来るだけ車体価格を抑えたい250ccスポーツで、OEMにバイアスが多いのはそういうわけ。Ninja250 KRT Winter Test Editionなど、レーシングスピリッツを売りにした特別モデルなどで、たまにラジアルが採用されたりするが、概ねはバイアス。

実はこのOEM、同銘柄でも市販スペックと価格差が存在する。例えばNinja250のOEMバイアスと同サイズBT46の汎用モデルではおおよそ1万円以上も変わってくる。この違いは、OEMがその車体専用にモディファイされていることによる。乗り心地はじめ、細かなブレや振られ、シミーなどが起きないかを検証しつつ、マシンのキャラクターに沿うハンドリングとなるよう何度もテストを繰り返し開発された、一品物の専用タイヤなのだ。だからOEMを選べば間違いはない。

では、市販スペックを装着すると性能が損なわれるのかと言えば、そんなことはない。同カテゴリなら基本性能は同等、ちょっとした違いも楽しめるし、新モデルならポテンシャルアップも期待できる。これもまた、特性を変化させるセッティングの1つだ。いろんなインプレとカタログをにらめっこしながら、カスタムを存分に楽しんでいただければと思う。最も、ブリヂストンのタイヤであれば、安全・安心にバイクを楽しめるのでおすすめだ!

ツーリングが楽しくなる!ブリヂストン BATTLAX BT46の詳細はこちら

プロレーサー、テストライダー・ドライバー 丸山浩氏プロレーサー、テストライダー・ドライバー 丸山浩氏
丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー
1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。

《丸山浩》

丸山浩

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー 1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

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