気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………
少数精鋭といえば聞こえはいいが、まるで控えの選手のいない草野球のチームでも編成したかのようである。トヨタ自動車が、きょう7月1日付で就任12年目を迎えた豊田章男社長を含めて23人いた執行役員を9人に減らしたという。トヨタが発表したもので、きょうの各紙も「トヨタ執行役員23人→9人」などと報じている。
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するには、密閉、密集、密接の「3密」リスクを回避し、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つことが重要だとされているが、トヨタの新人事制度は、執行役員は経営トップの豊田社長と「密」に連絡し、会社全体を見渡して経営を担う役割を明確化し、「即断即決」でさまざまな課題に柔軟に対応できるようにする狙いがあるようだ。
これまでの執行役員のうち、一部の執行役員が兼務してきた「プレジデント」「本部長」などは一般社員の一番上のランクである「幹部職」に一本化する。また、執行役員の職を外れて幹部職となった場合でも待遇は変わらないという。
トヨタでは2019年1月に50人規模の役員をほぼ半減させたほか、その後、副社長職などの肩書も廃止するなど、次世代の経営陣の育成を睨んだ経営体制のスリム化に取り組んできた。
そのトヨタでは、6月27日の各紙朝刊には「ありがとうございます。今日もまたかけがえのない1日でありますように。豊田章男」という直筆のメッセージ広告を掲載。また、東洋経済新報社刊の“自叙伝”の売れ行きも好調のようで、ある書店のレジ担当の話では「5冊とか10冊をまとめ買いする人も多くありがたい」などと、熱狂的なファンがアイドルのCDなどを大量に買い込む光景とも似ているという。豊田氏の全面広告の言葉に「感謝し、感謝される。心を動かす強いつながり」とあるように、コロナ禍の中では明るい話題である。
2020年7月1日付
●トヨタ執行役員削減、スリム化 23人を9人に(読売・8面)
●ジュネーブショー来年も中止(読売・8面)ジュネーブモーターショー2019
●ANA・JAL「統合論」警戒、独立維持へ公的資金回避(読売・9面)
●出入国中韓台と交渉へ、EU、日本から入域解禁(朝日・3面)
●三菱自、7月も生産調整へ(朝日・8面)
●スカイマーク赤字、12億円4年ぶり転落、3月期(毎日・6面)
ももいろクローバーZが警視庁の交通安全広報大使に●白バイ隊員出動、警視庁交通取り締まり、ももクロ広報大使が送り出し(毎日・21面)
●弘中弁護士が読売新聞提訴、ゴーン被告記事巡り(毎日・24面)
●羽田新ルート変更も視野、初の検討会技術面議論(東京・27面)
東京臨海都心のメガウェブ●トヨタと森ビルお台場で再開発、アリーナや商業施設(日経・15面)
●国産ジェット エース投入、三菱航空機、開発、人員は半減(日経・15面)