マセラティの新型スーパーカー『MC20』、630馬力V6ツインターボ搭載が決定 車は9月発表

排気量3.0リットルの「ネットゥーノ」エンジンを自社開発

リッターあたりの出力は210ps

F1由来のプレチャンバー燃焼システムを市販車で初採用

マセラティ MC20 に搭載される新開発の3.0リットルV型6気筒ツインターボエンジン
マセラティ MC20 に搭載される新開発の3.0リットルV型6気筒ツインターボエンジン全 15 枚
マセラティは7月1日、9月に発表予定の新型スーパーカー、『MC20』(Maserati MC20)に、新開発の3.0リットルV型6気筒ツインターボエンジンを搭載すると発表した。

MC20の「MC」とは、マセラティ・コルセ=マセラティ・レーシングを意味する。「20」は2020年を指し、マセラティの歴史の新しい始まりを意味している。MC20は、2004年に発表された『MC12』に続くマセラティのスーパーカーとなる。

◆排気量3.0リットルの「ネットゥーノ」エンジンを自社開発

マセラティは、このMC20に、新開発の3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。「ネットゥーノ(Nettuno)」と命名された新エンジンは、マセラティが自社開発し、イタリアのモデナ工場で組み立てられる。

このパワーユニットは、モデナの複数のマセラティ開発拠点によって作り上げられた。ひとつは「マセラティ・イノベーション・ラボ」、もうひとつは旧「マセラティ・コルセ」拠点に設けられたワークショップ、そしてマセラティ本社に隣接するエンジン・ハブだ。エンジン・ハブを擁するモデナ工場では、生産も行う。MC20の生産に先立ち、製造ラインやペイントショップの改良が2019年末より行われている。

マセラティによると、このエンジンの開発は戦略上非常に重要であり、マセラティ・イノベーション・ラボによるバーチャル分析により、開発時間が大幅に短縮されたという。マセラティ MC20 の開発プロトタイプ

◆リッターあたりの出力は210ps

新しいパワーユニットは、バンク角90度のV6アーキテクチャーを基本として、ツインターボとドライサンプ潤滑システムを採用した。3.0リットルの排気量から、最大出力630ps/7500rpm、最大トルク74.4kgm/3000~5500rpmを引き出す。

レブリミットは8000rpmで、リッターあたりの出力は210psだ。圧縮比は11:1、ボア×ストロークは88×82mmとした。新たな「メイド・イン・モデナ」エンジンは、伝統的な90度V6レイアウトを基本としながら、これまでに例のないレベルのパワーとトルクを実現しているという。

MC20のミッドシップに、この新エンジンが搭載される。新しいパワートレインは、開発から組み上げに至るまで、全てがマセラティで行われ、今後開発されていくマセラティモデルに搭載されるエンジンファミリーの第一弾になる。マセラティ MC20 の開発プロトタイプ

◆F1由来のプレチャンバー燃焼システムを市販車で初採用

この新型エンジンは、複数の国際特許を取得している。最大の特長は、ツインプラグレイアウトを持つプレチャンバー燃焼システムだ。このテクノロジーは、F1に由来しており、市販車のエンジンとして採用されるのは世界初という。

プレチャンバーは、セントラル電極と従来の燃焼室の間に燃焼室を設けて、両者を特殊形状の孔で連結した。横置きスパークプラグは、エンジンがプレチャンバーの介入を必要としない領域で作動している時、従来型のスパークプラグは、安定かつ持続的な燃焼のサポートとして機能する。

ツインインジェクションシステムとして、ダイレクトインジェクションとポートインジェクションの両方を採用する。最大噴射圧350バールの燃料供給システムは、低速域のノイズを抑えるだけでなく、排気ガスを減少させ、省燃費に貢献するという。

なおMC20は9月9~10日、イタリアで行うイベント「MMXX: The time to be audacious」でワールドプレミアされる予定だ。このイベントでは、MC20のワールドプレミアに加えて、マセラティの新時代を支えていく革新的な駆動システムや新たなプログラムを発表する、としている。マセラティ MC20 に搭載される新開発の3.0リットルV型6気筒ツインターボエンジン

《森脇稔》

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