東京メトロ、全2720両の車内に抗菌コート剤…処理済みにステッカー、通常清掃も変更[動画]

東京メトロ千代田線16000系車内に銀イオン系抗菌コート剤を吹き付ける作業スタッフ。
東京メトロ千代田線16000系車内に銀イオン系抗菌コート剤を吹き付ける作業スタッフ。全 7 枚写真をすべて見る

東京メトロは7月2日から8月中旬までに、同社が保有する全車両2720両の車内に銀イオン系抗菌コート剤を吹き付ける。千代田線むけ16000系や6000系などが所属する綾瀬車両基地でも始まった。

今回、東京メトロが採用する抗ウイルス・抗菌の薬剤は、タツミ技研(東京都江戸川区)が開発・製造した銀イオン系抗菌コート剤「シルフィーミストAG」。もともとは空調ダクトなどに用いる銀イオン系抗菌コート剤で、これをベースに東京メトロ車両むけに専用開発した。

作業はまず、車両基地内に留置されている電車の電源を落とし、パンタグラフが降りたのを確認してからスタート。ゴーグルをつけ、20kgの噴霧タンクを背負ったスタッフが、車内の手すり・吊り手・握り棒・座席シート・壁面などにシルフィーミストAGを吹き付けていく。吹付け時間は1両10分ほど。複数のスタッフで吹き付けていくケースもある。

吹き付けたシルフィーミストAGは、1時間で粒子が落ち着き、自然乾燥・空調運転を経て作業を完了させる。一連の作業時間はおおむね3時間。処置済み車両には、車内にコーティング済みを示すステッカーを貼る。

シルフィーミストAGは、インフルエンザウイルス、大腸菌、黄色ブドウ球菌などへの抗ウイルス・抗菌効果があるといわれ、新型コロナウイルスに対する効果は検証中。「インフルエンザといった一般的な同種構造ウイルスへの効果があるという検証結果が出ていることから、新型コロナウイルス感染症への効果も期待し実施に踏み切った」という。

東京メトロ車両は通常、15日周期で消毒剤を用いた清掃、10日周期での噴霧器による消毒を実施。今回採用した銀イオン系抗菌コート剤シルフィーミストAGは、アルコールに弱く、アルコール消毒するとシルフィーミストAGがはがれてしまうことから、従来の消毒作業をやめる。

その代わりに、ミストアルファ(界面活性剤)と銀イオンが入っている補助剤を含ませた布で手すりやつり革を拭いて除菌し、銀イオンを再塗布していく。

この銀イオン系抗菌コート剤 シルフィーミストAG を吹き付けた車両は、7月9日の時点で208両。残りの2512両を残り1か月ほどで施工を完了させるというから、人手も薬剤も多く要る見込み。

《大野雅人》

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