ランボルギーニの819馬力ハイブリッド、『シアン』にロードスター…博物館で発表

0~100km/h加速は2.9 秒以下で最高速350km/h以上

蓄電はリチウムイオン電池ではなくスーパーコンデンサーに

EVコンセプトカー用に設計されたY字型ヘッドライト

ランボルギーニ・シアン・ロードスター
ランボルギーニ・シアン・ロードスター全 19 枚

ランボルギーニは7月10~12日、『シアン・ロードスター』(Lamborghini Sian Roadster)の実車を、イタリアのランボルギーニ博物館で初公開した。限定19台を生産する予定だが、すでに完売している。

同車は2019年秋、ドイツで開催されたフランクフルトモーターショー2019で発表されたブランド初のハイブリッドスーパーカー、『シアンFKP 37』のオープンバージョンだ。車名の「シアン」とは、イタリアのボロネーゼ地方の方言で、閃光または稲妻を意味する。シアンは、ランボルギーニの市販車で、最初の電動モデルであることを示している。

0~100km/h加速は2.9 秒以下で最高速350km/h以上

シアン・ロードスターのミッドシップには、『アヴェンタドールSVJ』用の6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンをチューニングして搭載する。チタン製吸気バルブを採用するなどして、最大出力は785hp/8500rpmに引き上げられた。

48Vのモーターは、ギアボックスに組み込まれ、最大出力34hpを発生する。エンジンとモーターを合わせたシステム全体で、ランボルギーニの市販車として、史上最強の819hpのパワーを引き出す。これにより、0~100km/h加速は2.9 秒以下、最高速は350km/h以上のパフォーマンスを可能にする。

シアン・ロードスターには、ランボルギーニの新素材開発における最新の成果を反映した。リアのアクティブ冷却フィンは、ランボルギーニの特許技術だ。ランボルギーニによると、軽量設計の冷却フィンはエキゾーストシステムの熱によって起動し、フィンが回転すると同時に冷却が行われるという。ランボルギーニ・シアン・ロードスターランボルギーニ・シアン・ロードスター

蓄電はリチウムイオン電池ではなくスーパーコンデンサーに

電気エネルギーの蓄電には、リチウムイオン電池ではなく、スーパーコンデンサーを使用する。『アヴェンタドール』で最初に実用化されたスーパーコンデンサーだが、シアンロードスターでは10倍の電力を蓄電できる設計とした。ランボルギーニによると、同重量のバッテリーよりもパワーは3倍強力で、同出力のバッテリーよりも3倍軽量という。スーパーコンデンサーは、コックピットとエンジンの間の隔壁に配置され、前後の重量配分に配慮している。

シアン・ロードスターには、高度な回生ブレーキシステムが搭載されている。車両がブレーキをかけるたびに、スーパーコンデンサーにエネルギーが蓄電される。蓄えられたエネルギーは、すぐに利用可能なパワーブーストとなり、ドライバーは130km/h以下の領域において、加速時にトルクを増加させることができるという。ランボルギーニ・シアン・ロードスターランボルギーニ・シアン・ロードスター

EVコンセプトカー用に設計されたY字型ヘッドライト

シアン・ロードスターの外観は、優れた空力ソリューションと組み合わせた未来的なデザインを追求した。名車『カウンタック』からインスピレーションを得た「ガンディーニライン」を採用する。シルエットには、特長的なエアロウィングなどの新機能を取り入れた。ドアに設けられた「NACA」吸気口には、ランボルギーニの「Y」デザインを表現する。カーボンファイバー製リップスポイラーを備えたフロントには、2017年に発表されたEVコンセプトカー、『テルツォミッレニオ』用に設計されたY字型ヘッドライトが装備される。

リアには、カウンタックに触発されたテールライトをはじめ、六角形デザインを取り入れている。リアウィングは格納されており、パフォーマンスを向上させるために、走行中にのみポップアップする。

インテリアは、洗練されたディテールと、ランボルギーニがEV化をイメージし特別に選んだカラー「Oro Electrum」(エレクトリックゴールド)のアルミ製エアベントの組み合わせが、エレガントな雰囲気を掻き立てる。ランボルギーニのカスタマイズプログラムの「Ad Personam」によって、顧客の個性を反映させるパーソナライズが可能だ。例えば、3Dプリントによる新デザインのエアベントは、オーナーのイニシャルを入れてカスタマイズできる。Y型の特長と六角形の形状は、細部にまで注意を払ってレンダリングされている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ショッピングセンターに320台の名車・旧車が大集結…第5回昭和平成オールドカー展示会
  2. 『V』クラスより上級のミニバンか? メルセデスベンツが2026年に『VLE』『VLS』導入へ…上海モーターショー2025
  3. 「通勤とか買い物にちょうどよさそう」オシャレ系特定小型原付『ウォンキー』にSNSでは反響
  4. 日産がエルグランドなど新型4車種投入へ…NISSAN START AGAIN
  5. 【VW ゴルフGTI 新型試乗】自動車を運転することが楽しかった時代に引き戻される…中村孝仁
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 東レ、偏光サングラスでの利用を可能にする新たなHUD技術を開発…フロントガラス全面展開も視野に
  2. AI家電を車内に搭載!? 日本導入予定の新型EV『PV5』が大胆なコンセプトカーに
  3. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
  4. AI導入の現状と未来、開発にどう活かすか? エンジニアの声は?…TE Connectivityの独自リポートから見えてきたもの
  5. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
ランキングをもっと見る