[プロセッサーで“聴こえ方”を変える]システム構築を楽しむ

単体DSPの一例(プラグ アンド プレイ・PLUG&PLAY DSP)。
単体DSPの一例(プラグ アンド プレイ・PLUG&PLAY DSP)。全 2 枚

カーオーディオでは、サウンド制御を行うためのユニットである「プロセッサー」が大いに活躍する。それが何なのか、そしてそれを使うとどう楽しめるのかを多角的に解説しようと試みている当特集。今回も「導入方法」を具体的に紹介していく。

システム構築を積極的に楽しもうとするなら、「単体DSP」が力を発揮!

単体DSPの一例(フォーカル・FSP-8)。単体DSPの一例(フォーカル・FSP-8)。

これまで、2とおりの導入シミュレーションを行ってきた。1つは「ナビを交換できる場合」に「ハイエンドナビ」を導入するという方法で、もう1つが「ナビを交換できない場合」に「パワーアンプ内蔵DSP」を使うという方法だったわけだが、「プロセッサー」にはもう1つ、別タイプが存在している。それは「単体DSP」だ。

「単体DSP」とはすなわち、サウンド制御を行うための専用機だ。それ以外の機能は持たず、チューニングを行うことだけに徹するユニットである。

なおこれも、「ナビが交換できない場合」の選択肢の1つともなるのだが、「ナビが交換できる場合」においても選ばれることが少なくない。なぜならば、「これを用いるとシステム構築を積極的に楽しめるから」だ。「外部パワーアンプ」を使って本格的にシステムメイクしようと思っている場合には、例え「ナビが交換できた」としても「単体DSP」を使った方が手っ取り早い。

ところで「単体DSP」は、大きく分類して2タイプが存在している。1つが「手軽に本格システムの構築を楽しめるタイプ」で、もう1つが「ハイエンドシステムの構築を目指せるタイプ」だ。

なお、登場した当初「単体DSP」は、ハイエンドシステムを構築するためのユニットというイメージが強かった。そもそも「単体DSP」はおしなべてそこそこの価格がしていて、そして必ず「外部パワーアンプ」が必要となるということから、マニアのためのユニットという色彩が濃かったのだ。

しかしながらここ数年、リーズナブルな「単体DSP」も多々登場してきた。今や、「単体DSP」=「高額ハイエンドユニット」という図式は崩れつつある。

手頃なタイプの「単体DSP」も、チューニング能力は本格機に肉迫!

では「単体DSP」の導入シミュレーションを行っていく。まずは「手軽に本格システムの構築を楽しめるタイプ」を使う場合について考察していく。

なおこのようなタイプの「単体DSP」は、価格が抑え目でかつ小型である場合が多い。なので導入のハードルは低めなのだが、能力的にもある程度の簡素化が図られている場合は多い。制御できるch数が限定的だったり音声入力端子の種類が限られていたりもする。

ただし、コントロールできるch数が少なめでも、チューニング機能そのものは高級機と大きく変わらない場合がほとんどだ。これを用いることで得られる機能的な利点はリーズナブルなモデルであってもかなり大きい。ここが手頃なタイプの「単体DSP」の最大の魅力と言っていい。

そしてさらには、「自分だけのシステムを作る」楽しさも十二分に味わえる。「外部パワーアンプ」にも、比較的に廉価でありながらもそれならではの魅力を携えたモデルが多々ある。捻出できる予算の中で最良のものを見つけ出す作業もなかなかに楽しい。インストール性にこだわったり、スピーカーとの相性を追求したり等々、手頃なモデルの中からでも、あれやこれやと楽しみながら製品選びを実行できる。

そして、後からのシステム発展も可能だ。「パワーアンプ内蔵DSP」では後からのパワーアンプのステップアップは行えないが、手頃なタイプの「単体DSP」を使った場合には、一旦はリーズナブルにシステムを仕上げておきならも、しかし後々は徐々にシステムアップを重ねていく、というような楽しみ方も可能だ。その気になればハイエンドシステムの構築までも満喫できる。

高級な「単体DSP」を用いると、理想のサウンドの徹底追求が可能となる!

続いては「ハイエンドシステムの構築を目指せるタイプ」の「単体DSP」の導入シミュレーションを行っていく。

ところでこのタイプは、ある程度価格が上がってくる。そして機能・性能もそれに見合って高くなる。制御できるch数が多くなり、かつ音楽信号の入力端子も豊富になってさまざまな外部機器の接続も可能となる。そしてさらには、内部パーツの高性能化も果たされるので素の音質性能も一層高くなる。

というわけなので、このようなタイプの「単体DSP」が用いられる場合には、組み合わせるパワーアンプのチョイスもこだわりを持って行われることが多くなる。高級機に狙いが定められ吟味に吟味が重ねられる。このように、自分にとっての理想のサウンドを目指せるところが、こういったタイプの「単体DSP」を使う醍醐味となるのだ。

なお、音を追求する(自分ならではのシステムを作り上げる)にあたってのポイントとなるのは、パワーアンプ選びだけにとどまらない。スピーカーは何にするか、ソースユニットには何を使うか、ケーブルは何にするか、それぞれこだわりを注いで機種選択が行われる。さらには電源強化が図られたり、各機の固定方法やインストール方法に注意が払われたり等々、さまざまな音質向上策が盛り込まれたりもする。大きなところから細かいところまで音を良くするためのトライが続けられ、その過程が満喫される。

高性能な「単体DSP」を用いると、カーオーディオをとことん楽しむことも可能となる。興味があれば、いつかはぜひトライを。

今回はここまでとさせていただく。次回以降は「プロセッサー」に搭載されている機能の中身を詳しく解説していく。お楽しみに。

「プロセッサー」を追加して、音の“聴こえ方”を変える! Part4 導入方法解説その3「システム構築を楽しむスタイル」編

《太田祥三》

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