【カワサキ ZX-25R 試乗】18,000回転まで官能的な4発サウンドと、低中速の従順さに舌を巻く…青木タカオ

Ninja ZX-25R
Ninja ZX-25R全 32 枚

新設計250cc 4気筒を搭載!Ninja ZX-25R

完全新設計の250cc並列4気筒エンジンを搭載し、9月10日に発売する『Ninja ZX-25R』。ついに国内で試乗することができた。

跨ってまず感じるのは、車体のスリムさ。2→4気筒化しても、パラレルツイン搭載の『Ninja 250』とほぼ変わらない印象で、公式スペックを見ても幅はわずか40mm増に抑えている。

Ninja ZX-25RNinja ZX-25R

■車体寸法
Ninja ZX-25R/SE
全長1,980mm×全幅750mm×全高1,110mm
車体重量183/184kg

Ninja 250
全長1,990mm×全幅710mm×全高1,125mm
車体重量166kg

シート高は785mmで、身長175cmの筆者(青木タカオ)の場合、両足を地面に下ろしてもカカトまでベッタリ、膝が曲がった状態で届く。足つき性の良い『Ninja 250』のシート高は795mmなので、それよりさらに良くなった。小柄な人や非力な女性も、取り回しに苦労することはなさそうだ。

低中速域の従順さが秀逸

Ninja ZX-25RNinja ZX-25R
走り出すと、何よりもまず4気筒ならではのエキゾーストノートに酔いしれずにはいられない。6,000rpmあたりから吹け上がっていくサウンドは官能的。これを聴いているだけでも、いつまでも走っていたくなるほど。

全域で力強く10,000rpmから一段とパワーが盛り上がり、レブリミッターの効く18,000rpmまで淀みなくスムーズに回っていく。新開発のDOHC4バルブ並列4気筒は高回転域でもしっかりとパワーを絞り出し、リミッターがなければまだまだ回るという余裕さえ感じるほど。ただ単に高回転まで回るというのではなく、パワー感がきちんと伴っているのだ。

Ninja ZX-25RNinja ZX-25R
そして舌を巻いたのが、タイトコーナーなどでアクセルが開けられずパーシャルで我慢するような領域。キャブ時代の250cc 4気筒ならギクシャクし、適切なギヤも見つけづらいところだが、『Ninja ZX-25R』ではジワッとトルクを出し、前後輪のトラクションを生み出す。スロットル開度1/8以下のような微妙な操作も、乗り手の意思通りに駆動力を発揮してくれ扱いやすい。

4気筒の爽快な吹け上がり感やサウンドももちろん感動的だったが、この低中速域の従順さが『Ninja ZX-25R』の秀逸なところ。

クラス初のクイックシフターに、レバーフィールに優れる前輪ブレーキ

Ninja ZX-25RNinja ZX-25R
また、今回試乗したのは、250ccクラス初となるクイックシフターも標準装備する上級グレード『Ninja ZX-25R SE』だったが、クラッチレバー操作なしにシフトアップとダウンができるだけでなく、オートブリッパー付きで雨のなかのシフトダウンも駆動輪のスリップを気にしないで済む。

インナーチューブ径37mmのSHOWA製SFF-BPフロントフォークは、ストローク初期からしなやかに動き、奥ではしっかりと踏ん張りが効く。310mmセミフローティングディスクと対向4ピストンラジアルマウントモノブロックキャリパーの組み合わせとしたフロントブレーキもコントロールしやすく、制動力も申し分なし。

開発ライダー野崎浩司さん※崎は立開発ライダー野崎浩司さん※崎は立
試乗後に開発ライダーの野崎浩司さんにそれを伝えると「そうでしょう!」と頷く。開発当初、ダブルディスク仕様を設計部門に要望したものの、試作車に乗るとタッチや制動力は充分で、シングルディスクの方がバネ下の軽量化が図られ、ハンドリング向上に貢献すると完成に至ったという。扱いやすさもあり、レバーフィールに優れる前輪ブレーキを実現している。

4気筒エンジン搭載で話題の『Ninja ZX-25R』だが、ファーストインプレッションは想像以上の出来栄え。官能的なサウンドやラムエア加圧時46psのピークパワーに注目が集まるところだが、エキスパートを唸らせ、ビギナーにも優しいライドフィールを達成していたことをまずお伝えしよう!!

Ninja ZX-25RNinja ZX-25R

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★★★
オススメ度:★★★★★

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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