ダルマセリカを間近で見よう…オートモビルカウンシル2020

セリカLB 2000GT
セリカLB 2000GT全 15 枚

オートモビルカウンシル2020、トヨタ博物館のブースは、8月より販売が開始される『2000GT』の復刻パーツと、『スープラ』の源流ともいえる『セリカ』の50周年を記念した内容になっている。

【画像全15枚】

復刻パーツは、2020年頭に発表され出荷が始まった70/80スープラの復刻パーツに続く第2弾といえる企画だ。2000GTには前期型と後期型が存在するが、両方の変速ギアセット、ディファレンシャルのファイナルギア/リングギアセット、そしてガスケットが発売される予定だ。

保存してある図面と現存するパーツのリバースエンジニアリング、3Dスキャニング等によって再現されている。当然純正部品相当と考えていいが、材料によっては環境問題などから現在使えない素材もある。それらは代替材料を使うが、一般的には、新素材のほうが性能は高くなる。また、同じ図面で製作しても、現在の工作精度、材料管理のほうが誤差も少なく、品質も高くなる。精度が高いということは、ノイズや機械ロスを減らせる。また、慣らし運転のような工程が抑えられる効果もある。

パーツの復刻は、図面があればそのとおりに作るだけ、ではない。そもそも現在の部品製造はNC制御が一般的でCADデータがなければ板一枚切り出せない。スキャンした3Dモデルデータは利用可能だが、複雑な形状の場合、データの補正、整形が不可欠だ。そもそも、昔のものづくりは、図面があっても職人ごとに違うものができる。むしろそれがあるから、部品どうしが組み合わさり、機能する。図面の寸法にでない部分は人間が補っていたからだ。

車両展示は誕生50周年を迎えたセリカが3台。1台は「ダルマ」の愛称で親しまれたセリカのうち「セリカLB(リフトバック)2000GT(RA25)」。ヘッドライトとバンパーの間にあるマーカーとポジションライトの形がダルマのひげのように見えることから、こう呼ばれていた。ダルマセリカは、TA22 1600GTVが有名だが、独特なテールフィンデザインと縦型の分割リアコンビネーションのデザインにいまでもファンが多い。日本のGTカーのはしりといっていい存在だ。

もう1台はWRCのグループAで活躍したセリカGT-FOUR(ST-165)。展示車両は1990サファリラリーに投入され優勝した実車だ。当時のレギュレーションで義務付けられた「ウィングライト」がWRCの中でも過酷なラリー参加車両であることを主張している。トヨタはこの優勝のあとヨーロッパラウンドでも強さを発揮し、WRC年間チャンピオンも獲得している。その後、エアリストリクターのレギュレーション違反が発覚し、WRC一時撤退を余儀なくされた。2020年はラリージャパンが復活する年でもある。現在のWRCでも、往年の強さを発揮しているトヨタのルーツといえる車両だ。

最後は北米IMSAで活躍したセリカターボ。4代目となるT160をIMSA仕様に改造したレースカーだ。日本では北米レースはメジャーではないかもしれないが、IMSAはINDYと並ぶ歴史を持つレースシリーズだ。展示車は1988年モデルとのことだが、トヨタは1987年にGTOクラスでチャンピオンを獲得している。IMSAで日本車がチャンピオンになったのはこのセリカが初だ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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