【ダイハツ タフト 新型】カメラの改良でADASが大幅進化、オススメは「Gターボ」

新型タフトで装備したACCは30km/h~125km/hの範囲内で設定できるようになった
新型タフトで装備したACCは30km/h~125km/hの範囲内で設定できるようになった全 13 枚
今や軽自動車でもアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)を装備する時代。その有用性を高める機能として見逃せないのが電動パーキングブレーキだ。ダイハツから登場した新型タフトはこの機能をダイハツとして初めて搭載。そのACCとしてのフィーリングを試した。

◆ACC+電動パーキングブレーキの搭載がロングドライブを楽にする

ダイハツが先進運転支援システム(ADAS)に積極的に使っているのがステレオカメラだ。ステレオカメラといえばスバルのアイサイトで知られるが、ダイハツではそれよりもグッとサイズをコンパクト化したデンソー製を採用する。これはTNGAの下で開発された新型タントや新型ロッキーもハード面では共通のものだが、新型タフトではカメラ能力の向上と、待望の電動パーキングブレーキがダイハツとして初めて搭載されたのが大きなトピックだ。

今までは全車速追従機能付きACCは搭載したものの、パーキングブレーキを機械式としていたため、先行車に追従して停止してもブレーキを踏んでいないとその後でクルマは動き出してしまっていた。それが新型タフトではACCによって停止したらその状態を3分間ホールドする。渋滞の中に入って試したが、その制御は自然で違和感はまったくなし。ホールド中に先行車が走り出せば、アクセルかACCのレジュームボタンを押すだけですぐに先行車に追従することができた。ロングドライブで疲労軽減につながるのは間違いない。

新型タフトに搭載されたADASで見逃せないのはその能力が大幅に引き上げられたことだ。ACC設定は30~125km/hとこの能力も従来比で大幅アップ。高速道路の制限速度が120km/hにまで引き上げられるようとしている中で、特に高速域で力強く走れるターボ車にとってはメリットは大きいだろう。これは後述するカメラ能力の向上が大きく貢献しているのだそうだ。

ACCの設定はステアリング右側にある「CRUISE」ボタンを押し、速度が30km/h以上になったところで「SET」ボタンを押す。あとは「+/-」を押すことで設定速度は上げ下げできる。この操作は一般的なACCと変わりがない。注目したのはコンパクトなステレオカメラでスムーズな追従ができているか。結論から言えば、満足できるレベルには達していないが、日常の使い方で大きく不満が出るほどではなかったということ。

ではどこが気になったのかといえば、先行車との車間にバラツキがあり、その条件次第で先行者と離れたり近づいたりとイマイチ安定しなかったのだ。やはりミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたるものと比べるとこの安定感で明らかに見劣りを感じる。また、車線内をキープする機能も一応は枠内を走るのだが、カクカクとした動きがあってスムーズさに欠ける。最新版のACCであるならもう少しレベルを上げる必要があるだろう。

◆夜間での歩行者検知や路外逸脱警報など、ADAS能力は一歩前進した

一方で、ADASとしての機能の大きくレベルアップした。特に自動ブレーキの対象を夜間歩行者にまで広げたことだ。街灯がなくてもヘッドランプで対象を照らしていれば検知できるようになったのだ。この制御は新型タントや新型ロッキーでは対応できていなかったが、新型タフトでダイハツとして初めて対応することとなり、ようやくライバルに追いついた。

その他、新たに「路外逸脱警報機能」「ふらつき警報機能」が加わり、認識できる標識も従来の進入禁止に加えて最高速度と一時停止を認識して表示するようにもなった。なお、この標識認識はこのステレオカメラで行い、その情報はメーター内だけでなくカーナビ側にも反映される。サポート能力は一歩前進したと言えるだろう。

これが実現できた背景には、まずカメラのイメージセンサ(CMOS)変更による撮像性能向上がある。つまり、これがセンサーのダイナミックレンジを広げ、同時にソフトウェア上の認識処理変更を加えることでパターン認識の仕組みを改良。これらが検知性能向上に大きく貢献し、この結果を生み出しているのだ。ダイハツによれば、合わせてカメラのレンズも一新して光学系の改善を図ったこともプラスに作用しているという。

ACCを含めたADAS能力の向上は、ドライバーの疲労軽減はもちろん、安心・安全をサポートしてくれるのは間違いない。これらの機能が標準装備されるのは「Gターボ」で、「G」でもオプションで装備できる。ただ、高速道路の制限速度が引き上げられることを踏まえれば、オススメは新型タフトの走りをしっかり堪能できるGターボになると思う。

《会田肇》

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