メルセデスAMG『プロジェクトワン』、1000馬力以上が確定…最新プロトタイプ[動画]

1.6リットルV6ターボはF1マシン譲り

最大で25kmのゼロエミッション走行が可能

サスペンションはサーキットの特性に合わせて調整可能

量産化を見据えて開発は新段階に

メルセデスAMG プロジェクトワン の最新プロトタイプ
メルセデスAMG プロジェクトワン の最新プロトタイプ全 15 枚

メルセデスベンツの高性能車部門のメルセデスAMGは8月19日、メルセデスAMG『プロジェクトワン』(Mercedes-AMG Project ONE)の最新の開発プロトタイプ車の写真と映像を公開した。

メルセデスAMGプロジェクトワンは、メルセデスAMGの創業50周年を記念し、F1技術を搭載した公道走行可能なハイパーカーとして、市販を目指しているモデルだ。

1.6リットルV6ターボはF1マシン譲り

メルセデスAMGプロジェクト ワンのパワートレインでは、F1マシン譲りの1.6リットルV型6気筒ガソリンターボエンジンをミッドシップに搭載する。ピストンやクランクシャフト、電装システムが専用設計となり、エンジンは1万1000rpmと非常に高回転まで回るのが特長だ。最大出力は680hp以上を発生する。

この1.6リットルV型6気筒ターボエンジンに、フロント2個(163hp×2個)、ターボチャージャーとエンジンにそれぞれ1個の合計4個のモーターを組み合わせたハイブリッドとし、加速時などにエンジンのパワーをアシストする。

トランスミッションは8速の「AMGスピードシフト8」で、駆動方式は4WDだ。メルセデスAMGプロジェクトワンは、0~200km/h加速6秒以下、最高速350km/h以上の優れたパフォーマンスを可能にする。メルセデスAMG プロジェクトワン(2017年)メルセデスAMG プロジェクトワン(2017年)

最長で25kmのゼロエミッション走行が可能

二次電池はリチウムイオンバッテリーで、F1のテクノロジーを導入する。バッテリーセルとその配置、冷却システムは、メルセデスAMGペトロナスのF1マシンと同じものを使用する。リチウムイオンバッテリー、12 Vの車載電気システム向けのDC/DCコンバーターは、フロントアクスル後方の車両フロアにコンパクトに搭載される。

高電圧の「EQ Power +」プラグインハイブリッド(PHV)システムは、通常の400ボルトではなく800ボルトで作動する。電圧レベルが高いため、ケーブルの太さを細くでき、それに応じてスペースと重量を節約した。

走行モードは、EVモードからラップタイムを追求するダイナミックモードまで、複数のモードを用意する。EVモードでは最初、フロントの電気モーターだけで駆動し、加速をサポートする。ドライバーがアクセルをより深く踏み込むと、V6エンジンが始動する。レーススタート機能を使用すると、さらに加速性能が引き上げられる。EVモードでは、最大で25kmのゼロエミッション走行が可能だ。メルセデスAMG プロジェクトワン(2017年)メルセデスAMG プロジェクトワン(2017年)

サスペンションはサーキットの特性に合わせて調整可能

サスペンションは前後マルチリンクで、サーキットの特性に合わせて調整可能とした。ABSは標準装備で、ESPは3段階で調整できる。 ESPの「SPORT」はハンドリングモードで、システムが介入する前に、より大きなヨーアングルを可能にする。

専用のセンターロック付き10本スポーク鍛造アルミホイールは、カーボンファイバー製のセミカバーが付き、ホイール周辺の空気の流れを最適化する。スポーク部分には3つの換気スロットがあり、ブレーキの熱を放出する。セラミックブレーキシステムも装備している。

インテリアには、2つの高解像度10インチディスプレイを採用した。F1スタイルのステアリングホイールは、上部と下部がフラットなデザインだ。走行モードやサスペンションの設定、LEDシフトディスプレイなどの調整機能が付く。ルームミラーは、カメラの「ミラーカム」からのリアルタイム映像を表示するスクリーンに置き換えられている。メルセデスAMG プロジェクトワン(2017年)メルセデスAMG プロジェクトワン(2017年)

量産化を見据えて開発は新段階に

メルセデスAMGプロジェクト ワンの開発は新しい段階に入り、量産化が近づいているという。複数のプロトタイプが、テストコースとテクノロジーセンターにおいて、高速走行を行っている。今後は、テストコースでの走行にさらに集中していく。また、プロジェクトリーダーは初めて、最大出力が1000hpを超えるPHVパワーユニットのテストを承認したという。これにより、市販モデルのスペックが、1000hp以上になることが確定した。

ダイナミックテストプログラムに加えて、開発はアクティブエアロダイナミクスにも焦点を当てている。ルーバー、フロントフェンダーのエアアウトレット、大型のリアエアフォイルなど、さまざまなアクティブエアロシステムの相互作用による効果が、風洞実験によって確認されている。

プロトタイプ車両で行われている幅広いダイナミックテストと並行して、付随する開発作業も継続されている。ドイツ・アファルターバッハのメルセデスAMGの拠点では、さまざまな車両システムが、エンジンベンチやシミュレーターでテストされている。メルセデスAMGプロジェクト ワンのパフォーマンスは、間もなくドイツ・ニュルブルクリンク北コースでもテストされる、としている。

《森脇稔》

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