【スズキ ハスラー 新型試乗】ワゴンR並みの実用性と、割安感が魅力…渡辺陽一郎

スズキ ハスラー 新型(ハイブリッドXターボ)
スズキ ハスラー 新型(ハイブリッドXターボ)全 14 枚

『ハスラー』は背の高いSUVスタイルの軽自動車で、基本的な機能は『ワゴンR』と共通だ。4名乗車も快適な居住空間と使いやすい荷室、シートアレンジなども同様になる。

従って後席は前後にスライドして、背もたれを前側へ倒すと座面も下がり、床の低い平らな荷室に変更される。この調節機能は左右独立式で、『スペーシア』や『タント』とほぼ同じだ。全高が1700mm以下の軽自動車では、ワゴンRと並んで実用性が最も高い。

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内装では運転席の着座位置に注意したい。空間効率を向上させるため、少し高い位置に座る。小柄なドライバーは、シートリフターで調節して、ペダルの操作性に違和感がないか確認したい。

1リットルエンジンに近い感覚で運転できるターボ

動力性能は軽自動車の平均水準だ。ノーマルエンジンでも1500回転前後から相応の駆動力が発揮され、平坦路ならパワー不足を感じない。ノイズはアクセルペダルを踏み込むと少し耳障りだ。ターボは最大トルクが1.7倍に増えるから、1リットルエンジンに近い感覚で運転できる。ただし2000回転付近で巡航中にアクセルペダルを緩く踏み増すと、ややゴロゴロとした振動とノイズを感じた。CVT(無段変速AT)を頻繁に変速させない設定だ。

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マイルドハイブリッドが採用され、モーター機能付き発電機が減速時を中心とした発電、エンジン駆動の支援、アイドリングストップ後の再始動を行う。再始動はベルトを使うためにノイズが小さく、エンジン停止と始動を頻繁に繰り返しても煩わしく感じない。最近のトヨタ車にはアイドリングストップを装着しない(オプションでも選べない)車種が増えており、その理由のひとつに頻繁な再始動時の煩わしさを挙げている。廃止する前にアイドリングストップを改善すべきだ。

ワゴンRよりも少し割安感ある価格

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最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は180mmだから悪路のデコボコを乗り越えやすい。そうなると重心も高まり、走行安定性を確保するために操舵感は少し鈍い。峠道などでは少し曲がりにくく感じるが、安心感も伴う。

乗り心地は少し硬い。タイヤは15インチ(165/60R15)で、試乗車に装着されていた銘柄はダンロップ・エナセーブEC300+だ。転がり抵抗を抑えて燃費を向上させるため、指定空気圧は前後輪とも240kPaと高い。この設定も乗り心地に影響した。

なおハスラーで売れ筋になる「ハイブリッドX」の価格は151万8000円(2WD)。ワゴンRスティングレーハイブリッドの150万1500円と同等だが、ハスラーにはサイド&カーテンエアバッグなどが装着される。ワゴンRよりも少し割安で、売れ行きも好調だ。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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