【INDYCAR 第9戦】ポール発進から最多ラップリードも展開向かず、佐藤琢磨は9位…J.ニューガーデンが優勝

#30 佐藤琢磨(写真先頭)は最終結果9位。優勝は隣の#1 J.ニューガーデン。
#30 佐藤琢磨(写真先頭)は最終結果9位。優勝は隣の#1 J.ニューガーデン。全 8 枚

現地30日、NTTインディカー・シリーズ第9戦の決勝レースが実施され、佐藤琢磨はポールポジション発進から最多ラップリード(首位走行周回)を記録したが、レース展開に戦略がフィットしないなどの状況によって苦戦、9位に終わった。優勝はジョセフ・ニューガーデン。

米イリノイ州マディソンのショートオーバルコース「ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ」でのダブルヘッダー2戦目(今季シリーズ第9戦)、佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)は前日の予選でポールポジションを獲得していた。前週のインディ500(今季シリーズ第7戦)で勝ち、前日は当地での1戦目(同第8戦)で2位という好調の波に乗っている琢磨、狙うはもちろん今季2勝目である。

3ストップが基軸となる200周レースは、他のレースでコースが汚れたせいかスタート前に大掛かりな清掃があり、その影響を懸念したためと思われるフルコースイエローコーションの状態からレースインすることとなった。

琢磨は開戦時に先頭を守り、ラップリードを重ねていく。そして最初のスティントを引っ張った。しかし、結果論としてこれはこの日のレースにはフィットしなかったようだ。コースが抜きにくい状態にあり、なおかつレース開始時以外はフルコースイエローが出ずにレースが進み、展開に変化も出ない。さらにはラップダウンのマシンに行く手を阻まれたりと、琢磨にとってはどうにも物事がうまくまわらなくなっていく。

第2スティント以降は一桁順位後半での走行が主となり、最終スティントも7番手での走行。そして最終盤、前方が少々混乱した影響を受けたのか、琢磨は壁をこすってしまい、レース開始時以来のフルコースイエローを自分が出すことになってしまう。幸い、隊列スロー走行となったチェッカーまでの数周を走ることに問題は出ず、9位でのフィニッシュとなった。

#30 佐藤琢磨のコメント
「スタートからレースをリードし、大量に燃料をセーブしていました。しかし、集団の最後尾に追いつき、自分たちのペースでリードを広げていくことができませんでした。今日の路面には埃が多かったのか、オーバーテイクするのが非常に難しくなっていましたね」

「我々の作戦は最初のスティントをできる限り長くするもので、ライバルたちは早めにピットインする作戦でした。その違いが勝負の行方を決定しました。我々は燃費セーブを続け、終盤戦では作戦を変更してピットタイミングを変えることにもトライしましたが、トラフィックに引っかかり続けました」

「4周も遅れていながら、ピットから『カーナンバー30には抜かせるな』という指令を受けていたマシンもいたそうです。そんなのはレースではありません。スポーツマンらしくない行為ですから、納得がいきません。しかし、我々にはどうすることもできませんでした」

200周のうち、序盤を中心に計66周をトップで走り、ボーナスポイント対象の最多ラップリード記録者となりつつも9位というのは無念の結果に違いない。だが、それでもトップ10から外れなかったという点は、粘り強さが増している今季の琢磨らしいとも思える。立て直して、再び好調の波に乗っていってほしいところだ。

優勝は昨季王者のジョセフ・ニューガーデン(#1 Team Penske/シボレー)で今季2勝目。今回はシボレー勢が4位までを独占し、2位はパトリシオ・オワード(#5 Arrow McLaren SP)、3位はウィル・パワー(#12 Team Penske)。ホンダ勢最上位は5位のスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing)だった。

9戦終了時点のドライバーズポイントランキング上位4人は以下の通り。

416点 S.ディクソン
320点 J.ニューガーデン
297点 P.オワード
274点 佐藤琢磨

ここまでは2年ぶり6度目の王座に向けてディクソンの強さが際立つ状況となっている(通常レース約2勝分のリード)。

なお、インディカーの次戦は現状では“未定”。日程が確定しているレースとしては10月2~3日、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースでのダブルヘッダーがあるが、延期扱いとなっているミッドオハイオ・スポーツカー・コースでのダブルヘッダーが9月に入ってくる可能性もあるためだ。

コロナ禍における不透明さはつきまとい続けると思うが、ミッドオハイオ連戦を含めると、現時点での今季残り日程は3大会5レースとなっている。

《遠藤俊幸》

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