ジープ ラングラー 初のPHV発表…オフロード性能と環境性能を両立

PHVシステム全体で375hpのパワーを獲得

EVモードは最大40km

3種類の走行モードを切り替え可能

ジープ・ラングラー 4xe
ジープ・ラングラー 4xe全 21 枚
FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)のジープブランドは9月3日、『ラングラー』(Jeep Wrangler)初のプラグインハイブリッド車(PHV)の「4xe」(フォーバイイー)を発表した。2021年前半に、欧米と中国などで発売される予定だ。

4xeは、ジープブランドのPHVに付される名称だ。すでに、『レネゲード』初のPHVの『レネゲード4xe』と、コンパス初のPHVの『コンパス4xe』が用意されている。

ジープは、レネゲードとコンパスに続いて、ラングラーにもPHVの4xeを拡大展開する。ジープブランドは、2022年までの中期経営計画において、電動化の推進を重視している。ジープブランドの電動化の推進は、PHVを主役に位置付ける。2022年までにPHVを10車種、市場に投入。さらに、EVも4車種をリリースしていく。

◆PHVシステム全体で375hpのパワーを獲得

ジープが発表した『ラングラー4xe』は、『ラングラー』の4ドアをベースにしている。専用のボンネットを採用した。スキッドプレートと前後の牽引フックも装備する。オフロードホイールと大径タイヤを標準装備した。最低地上高は274mmで、最大760mmの渡河性能を持つ。アプローチアングルは44度、ブレークオーバーアングルは22.5度、デパーチャーアングルは35.6度と、ラングラーならではの優れたオフロード性能と、環境性能の両立を狙う。

PHVパワートレインは、エンジンが直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボで、最大出力270hp/5250rpm、最大トルク40.8kgm/3000rpmを発生する。このエンジンは、5800rpmまで許容する。シリンダーヘッドに直接取り付けられたツインスクロールの低慣性ターボチャージャーによって、優れたレスポンスとパフォーマンス、燃費を追求している。

従来のオルタネーターに代えて、「eトルク」と呼ばれるベルト・スタート・ジェネレーターを採用する。モーターは、8速ATと一体設計された。このモーターは、最大出力134hp、最大トルク25kgmを引き出す。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、375hpのパワーと65kgmのトルクを獲得する。

◆EVモードは最大40km

バッテリーは、蓄電容量17.3kWhのリチウムイオンだ。EVモードでは最大40kmをゼロエミッション走行できる。米国EPA(環境保護局)の予想燃費は、50 MPGeとなる予定だ。バッテリーは、2列目シートの下に配置された。このため、2列目シートが専用設計され、クッションを前に倒してバッテリーのメンテナンスを行う。

充電ポートは、左フロントフェンダーに設けられた。充電状態を示すLEDインジケータが備わる。インストルメントパネル上部にLEDバッテリー残量モニターを装備し、充電中の電池残量を確認できるようにした。

回生ブレーキを搭載する。ドライバーがブレーキペダルを踏むと、パワートレインコントロールが電気モーターから最大0.25 gの回生ブレーキを作動させ、車両を減速させる。これにより、ブレーキパッドの寿命が延びるという。

◆3種類の走行モードを切り替え可能

「E Selec」と呼ばれる3つの走行モードがある。ドライバーは、ステアリングホイール左側のボタンを操作して、パワートレインモードを選択する。選択したモードに関係なく、バッテリー残量が少なくなると、自動的に「ハイブリッド」モードに切り替わる。

ハイブリッドモードは基本モードで、2.0リットルエンジンと電気モーターのトルクを最適にバランスする。このモードでは、パワートレインは最初にバッテリーの電力を使用し、バッテリー残量が少なくなると、エンジンからの駆動力を追加する。

「エレクトリック」モードでは、パワートレインは、バッテリー残量が少なくなるまで、ゼロエミッションで走行する。「eセーブ」モードでは、2.0リッターエンジンからの駆動力を優先し、バッテリーの電力を節約する。ドライバーは、「Uconnect」モニターを介して、eセーブモード中に、バッテリーセーブとバッテリー充電のどちらかを選択することもできる、としている。

《森脇稔》

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