日本の機械遺産として「戦車」を残すことはできるのか? 

日本の機械遺産として「戦車」を残すことはできるのか? 
日本の機械遺産として「戦車」を残すことはできるのか? 全 6 枚
クルマは「ものづくり技術」の結晶といえる。マツダの名車・コスモスポーツに搭載された10A型ロータリーエンジンは「日本の機械遺産」として、認定されていることをご存知だろうか。

認定を行っているのは、1897年(明治30年)に創立された一般社団法人日本機械学会で、2020年現在、104点が日本の機械遺産として認定されている。クルマ以外では、本年8月31日に閉館した東京都練馬区の遊園地「としまえん」の回転木馬や、日本人の生活様式を一変させた温水洗浄便座(ウォシュレットG)などがある。

日本の社会と文化の発展に大きく貢献した機械技術を「貴重な遺産」として大切に保存し、次世代に伝えることの必要性は多くの人々が賛同するところだろう。


そんな中、国産の戦車など防衛装備品を、日本の優れた機械遺産として後世に残すために、日本初となる「防衛技術博物館」の設立を目指している人たちがいる。彼らは、NPO法人 防衛技術博物館を創る会(以下、創る会)を設立し、クラウドファンディングなどで資金を集め、博物館設立と展示車両収集のためにさまざまな活動を展開。

夢の「防衛技術博物館」完成想像図

この取り組みのリーダーとして奮闘しているのは、静岡県御殿場市にある自動車整備・販売会社「カマド」を経営する小林雅彦氏で、熱狂的なミリタリーマニアとしても有名。これまで数多くテレビや雑誌の取材を受けている。

小林雅彦氏が代表を務める、静岡県御殿場市の自動車整備・販売会社「カマド」
日本初の「防衛技術博物館」設立に向けて思いを語る、小林雅彦氏

小林氏の行動力と熱量は多くの人々の心を動かし、映画やアニメ愛好家、クルマ好きの間で注目を集め、これまでに日本初の小型四駆「くろがね四起前期型」のフルレストア(復元)や、海外コレクターの手に渡っていた旧日本軍の「九五式軽戦車」の所有権を獲得している。

左から「九五式軽戦車/撮影用プロップモデル」と、フルレストアに成功した、日本初の小型四駆「くろがね四起前期型」


本年は、創る会の活動開始から10周年を迎える節目。これまでの活動の歩みを振り返り、今後の計画について写真や動画を交えながら説明が行われる「オンライン活動報告会」が、9月12日(土)19時から20時30分の間、参加費・視聴無料でYouTubeライブ配信(https://youtu.be/fRSIDmcT3Is)が行われる。

ライブ配信には、小林氏のほか、リモートで「月刊PANZER」加藤聡氏、戦史研究家の宮永忠将氏が参加。司会は、静岡県御殿場市・小山町のコミュニティFM「富士山GOGOエフエム」パーソナリティーの高橋裕一郎氏で、第34代富士娘の芹澤春香氏がアシスタントを務める。

国産の戦車や防衛装備品を保存・展示する「防衛技術博物館」の設立は、本当に実現するのだろうか。 9月12日(土)19時から開催されるYouTubeライブ配信「オンライン活動報告会」では、現状の課題や今後の計画が詳しく明かされることだろう。




 

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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