【ホンダ X-ADV 試乗】ジャンルレスすぎて伝わらない?“欲張り”X-ADVに死角なし…青木タカオ

ホンダ X-ADV
ホンダ X-ADV全 20 枚

ジャンルの垣根を越えていく新種は、いつの時代も注目を集め人気となっていく。

【画像全20枚】

クルマなら「SUV」、バイクでも高速巡航を快適にしながら悪路も走破できる「アドベンチャー」が大排気量モデルだけでなく、250ccクラスにも出現している。

“どこへでも行ける”という意味では、復活し大ヒット中のホンダ『CT125 ハンターカブ』もその元祖と言えるかもしれない。“ジャンルレス”であることは、大きな魅力といえよう。

クロスオーバーしまくっている『X-ADV』

ホンダ X-ADVホンダ X-ADV
しかし、これほどまでにクロスオーバーしまくっているモデルはなかなかない。ホンダ『X-ADV』だ。まず、ナナハン(排気量745cc)でありながら、スクーターのようにシートに腰掛けて、足をフロアステップに置いて乗るスタイル。股の間に燃料タンクはない。

ただし、中身はスクーターとは一線を画し、通常のスポーツバイクのように剛性の高いダイヤモンドフレームが採用され、前後サスペンションもインナーチューブ径41mmの倒立式フロントフォークとアルミスイングアームと組み合わせたプロリンク式リヤショックの組み合わせ。

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デザインでもアドベンチャーテイストが強調され、長いサスペンションがアグレッシブな走りを予感せずにはいられない。灯火器すべてをLED式にしたフロントマスクやスピードメーター回りからは、ダカールラリー参戦車『CRF450 RALLY』や『アフリカツイン』のイメージも想起させる。

アップ&ダウンある峠でDCTの秀逸さに気づく!

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DCT(デュアルクラッチトランスミッション)搭載の水冷直列2気筒SOHC2バルブエンジンは、オートマチックの簡単な操作性とマニュアルトランスミッションの優れた伝達効率を高次元で融合し、スムーズでダイレクト感のある発進・変速特性を実現。低中回転域で太いトルクを発揮し、機敏に加速する。ダイレクトな駆動力を感じられるチェーンドライブ方式を採用しているのも、ダッシュ力の鋭さに結びつく。

実際に乗って、秀逸と感じるのはDCTのDモードとSモード。適切なギヤを自動で選択してくれるが、登/降坂の検出制御が素晴らしい。上り坂では低めのギヤ段数を維持し、駆動力を確保。下り坂ではエンジンブレーキがしっかり効くよう制御してくれ、DCTの味付けが上手くできているから、アップダウンの多いワインディングでもスポーティなライディングフィールを体感できる。

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足まわりにも不満はなく、サスペンションは優れた路面追従性と乗り心地を両立し、初期作動がソフトなセッティングはオフロードモデルに近い方向性。ステンレス製のスポークとアルミ製のリムとハブを採用し、しなやかで軽快な走りを実現している。

ハンドルもアルミテーパーバーを装備し、強度に優れることはもちろんダートでも抑えが効く。ナックルガードも標準装備し、飛び石や木の枝などからライダーの手を守るのはもちろん、雨や冬場の冷気が当たらないのもいい。

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ジャンルレスすぎて魅力が伝わりにくい?

混雑する市街地において小回りの効く39度という大きなハンドル切れ角、大きな段差を乗り越えても障害物に干渉しにくい135mmという高い最低地上高、アップライトで快適なライディングポジション、5段階に調整可能なウインドスクリーン、利便性の高いスマートキーシステム、乗り込むうちに全ていいじゃないかと、どんどん評価が上がっていく。

ホンダ X-ADVホンダ X-ADV
こうしてライディング性能や高い機能性に満足しながらも、フルフェイスヘルメットが収納できる容量21リットルのラゲッジスペースもシート下にあるのだから、もう文句のつけようがない。

見た目がジャンルレスすぎて、その魅力が伝わりにくいホンダ『X-ADV』だが、乗ってみるとスクーターの使い勝手の良さや落ち着いたコンフォート性を持ちながら、ナナハンならではのエキサイティングな走りも堪能できるという、欲張りすぎるモデルとなっていることがわかった!

ホンダ X-ADVホンダ X-ADV

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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