プジョー、シトロエン、DS、3年以上乗るなら…グループPSAの純正補修部品「ユーロレパー」

プジョー、シトロエン、DSオーナー向けの純正アフターパーツ「ユーロレパー(EUROREPAR)」
プジョー、シトロエン、DSオーナー向けの純正アフターパーツ「ユーロレパー(EUROREPAR)」全 13 枚
◆仏車乗りのユーザーに朗報! ユーロレパーとは?

プジョーをはじめ、シトロエン、DS(DSオートモビルズ)オーナー向けに、グループPSAが積極的に展開しているメンテナンス・修理用の純正パーツがあることをご存知だろうか。

「ユーロレパー(EUROREPAR)」と呼ばれ、フランスをはじめとするヨーロッパ圏を中心に認知度が高く、日本でも展開されているのだが…。グループPSAジャポンのプジョー公式サイト内ではアフターサービスの「純正部品」として、ユーロレパーの紹介ページはあるものの、その情報は実に少ない。

プジョー、シトロエン、DSオーナー向けの純正アフターパーツ「ユーロレパー(EUROREPAR)」

愛車を大切にするオーナーに向けて、国内外の自動車メーカー各社が取り組む旧車関連プロジェクトの動向を追い続けている当編集部は「ユーロレパー」の全貌を知るべく、Groupe PSA Japan株式会社の広報室に取材を依頼。さらに正規ディーラー「プジョー奈良」サービス責任者へのメール取材も行った。本記事では、グループPSAとプジョーディーラーという2つの視点から、ユーロレパーの魅力や今後について掘り下げる。


◆安心かつリーズナブルな純正の補修部品

「ユーロレパー事業がスタートしたのは、いまから7年前の2013年です。グループPSAに所属するプジョー、シトロエン、DSのエンジニアが選定・承認したメンテナンスパーツ(補修部品)としてリリースされました。大きな特徴は、フランスPSA本社で安全性を含めた検証テストを実施し、純正部品と同等の品質が確認されているものを、純正部品よりもリーズナブルな価格で提供した点です」

Groupe PSA Japan株式会社のパーツ・サービス部 アフターセールスプロモーション・プロジェクトリード グループマネジャーの富岡久氏は、そう話す。

Groupe PSA Japan株式会社パーツ・サービス部 アフターセールスプロモーション・プロジェクトリード グループマネジャー 富岡久氏

品質はPSA本社のお墨付きで、純正部品より安価なユーロレパーは、フランスを中心にヨーロッパ各国のプジョー、シトロエン、DSオーナーの間で大好評に。2013年当時はひとつのプロジェクトだったが、現在ではグループPSAが大規模に展開する部品ブランドに成長。PSA本社のサービス責任者が、ユーロレパー事業のCEOを務め、世界各国に進出している。

日本では、プジョー、シトロエン、DS車用の補修部品という位置づけだが、ヨーロッパ、イギリス、スペイン、ドイツ、中国、ブラジル、アルゼンチンなどでは、自動車メンテナンスのマルチブランドサービス・修理ネットワーク専門店「EuroRepar Car Service」の看板を掲げ、2018年時点で1,000店舗を展開。経験豊富なメカニックが在籍し、整備から修理まで幅広いサービスをカバーする。メルセデスやMINI、BMWといった、グループPSA以外の他社ブランドのパーツも取り扱っているほどで、2023年までに世界で10,000店舗展開を目指しているという。

自動車メンテナンスのマルチブランドサービス・修理ネットワーク専門店「EuroRepar Car Service」の看板を掲げ、2018年時点でグローバルで1,000店舗を展開

「EuroRepar Car Service」では、整備から修理まで幅広いサービスをカバー


◆日本展開で直面した課題

世界的に大規模展開が進んでいる「ユーロレパー」だが、日本では、現在でもあまり知られていない。その理由を富岡氏に尋ねた。

「事業が開始された2013年当時、私はユーロレパーの担当ではなく、社内の共有情報として認識していたのですが、日本で展開するにあたり、まず検討したのは商品名だったと聞いています。ユーロレパーだと意味がわからない。そこで、商品の特徴をそのままアピールできるように『ジェネリックパーツ』という言葉が選ばれました。処方箋薬局で薬を購入する際に耳にする『ジェネリック医薬品』は、新薬と同等の有効成分で効き目も同じでありながら低価格なものとして、浸透していますよね。ユーロレパーのコンセプトが、ジェネリックそのものだったんです」

そうやって商品名は決定。しかし心配な点があったという。PSA本社はヨーロッパ基準の品質で仕上げているというが、日本のオーナーに支持されるかはわからない。そこでプジョージャポンは、初度登録日から5年以上経過した、改造されていない206と307限定とし、交換が必要だと思われるパーツ(ワイパーブレード、フロントブレーキディスク、ブレーキパッド)をパッケージにして希望小売価格の20%オフという、よりリーズナブルなキャンペーン価格で打ち出すことを決定。しかし、プジョーオーナーの反応は…。

「一部のお客様から、ワイパーのビビリ音やブレーキパットのブレーキ鳴きが目立つというお声を頂き、最初から躓いてしまったのです。このため積極的にPRするわけにもいかず、お客様からオーダーを頂いた際にしっかりご説明して、ご理解頂いた方にご活用頂くかたちとなったのです」と富岡氏は真実を教えてくれた。


◆品質改善で生まれ変わる

それから3年後の2016年。富岡氏がアフターセールスプロモーション案件を手掛けるようになり、ユーロレパー事業を担当。富岡氏は過去の実例を踏まえ、ユーロレパーの品質に課題があることをPSA本社に伝えたところ「この3年間で改善し、品質を高めたので、心配せず安心してお客様に提案してほしい」と回答があったという。

PSA本社はユーロレパーの日本展開に積極的で、富岡氏を中心にラインナップの見直しに着手。ショックアブソーバーとブレーキパット、ブレーキディスクを主力とし、ワイパーブレードは排除することに。対象車両は、206、307だけでなく、日本で人気が高く保有台数が多い1007、207、407も加えた5モデルとし、国内で在庫を確保して展開。その後さらに、タイミングベルト&ウォーターポンプセットもリリースしたところ、対象モデルの交換時期だったこともあり、多くのプジョーオーナーに受け入れられた。

2018年に展開されたキャンペーン


◆幅広いオーナーの「選択肢」として

2019年10月に新たな動きがあった。「ジェネリックパーツ」として展開していた商品名を、日本でも「ユーロレパー」とし、対象車種を初年度登録から3年以上経過した特定モデルに変更。2020年3月からは、全国のプジョーディーラー内にユーロレパー専用ラックが順次設置されている。

国内のプジョー、シトロエン、DSディーラーでは「ユーロレパー」の専用ラックを順次展示

「2013年当時は課題があり、自信をもってお客様にご紹介しづらい状況がありました。その苦い経験で多くを学び、改善を重ね、現在ではワイパーブレードもご用意しています。

ユーロレパーは、プジョーオーナー様をはじめ、シトロエン、DS車に3年以上乗り続けてくださるお客様に、純正部品以外の選択肢としてご活用頂ける魅力的なパーツです。

例えば、純正部品のエアーフィルターの希望小売価格は3,400円ですが、208のユーロレパーは1,600円と半値以下。さらに純正部品の保証は1年ですが、ユーロレパーは2年間です。

補修部品のため、お客様の目に触れる機会が少ないからこそ、デザインにこだわった商品パッケージをご用意し、ディーラー店内でご覧頂ける取り組みを強化しています。ぜひ車検や定期点検、愛車の不調を感じられたときにユーロレパーをご検討頂ければうれしいです」

重要な点として、ユーロレパーの対応車種は現在も限られており、フランスPSA本社からの取り寄せとなるため時間を要することや、基本的には初年度登録から10年や20年経過した「旧車」向けの補修部品ではないことも、富岡氏はしっかり説明してくれた。

ユーロレパー ブレーキパット

ユーロレパー スパークプラグ

ユーロレパー ベルトキット

ユーロレパー タイヤ

2020年12月20日まで、ユーロレパー「パーツキャンペーン」実施中


◆正規ディーラー「プジョー奈良」サービス責任者の声

実際にユーロレパーを提供しているプジョーディーラーではどのように受け止められているのか。肝心のオーナーからの評価が気になる。そこで、1990年からプジョー正規ディーラーとして展開を続ける「プジョー奈良」(奈良市東九条町打田25番地・奥谷丈輝代表取締役)のサービス責任者にメール取材を行うことができた。

プジョー奈良(奈良県奈良市北之庄西町1-6-4)

プジョーオーナーにユーロレパーを案内するタイミングを尋ねたら「予算のご要望に対してメンテナンスの費用が高額になった場合にご案内しています。純正部品よりも安価で、グループPSAが品質をチェックし、保証もございますので、お客様にはとても好評です。特に、ブレーキ関係が喜ばれています」との回答が得られた。

また本年3月から、ショールーム入り口の右手側にユーロレパー専用ラックを設置したところ、点検などで来店した顧客が自然にラックに注目してくれるようになったという。これまでは、顧客から純正補修部品に関する相談はなかったが、ラック設置以後は、帰り際にユーロレパーの詳細を尋ねる顧客が増えたようで、反応は上々。今後認知が高まっていけば、おのずとニーズも増える可能性があるとみている。

今後ユーロレパーに期待する点については「タイヤは高額な消耗品のため、プジョー全車全サイズ展開を希望します。リーズナブルな価格でご案内できれば、確実にお客様に喜んで頂けるでしょう」と具体的な要望があった。

このほか、プジョー奈良として、意識的に行っていることがあるという。「12ヶ月点検や車検時には、お客様の走行距離などをみながら今後のメンテナンスについて、具体的にお伝えするようにしています。お客様の中には10年や15年以上、長く乗り続けられていて、プジョー車を家族のように大切にされているお客様がいらっしゃいますので、これまでの修理歴と今後の修理についてご相談し、長期的なサポートをさせて頂いております」という回答で、長く乗り続けたいと願うオーナーに寄り添ったフォロー体制が整っていることがわかった。

ユーロレパーのように、自動車メーカー推奨のリーズナブルな補修部品が用意されていることは、プジョー、シトロエン、DS車に乗り続けたいオーナーにとって本当に喜ばしいことだと思う。対象車種やラインナップの拡大、品質アップが進めば、最良のパーツとしてユーロレパーを求めるオーナーが増えることだろう。日本で愛車に長く乗り続けるには何かと費用がかかる。だからこそ、グループPSAの取り組みのようにオーナーに寄り添った嬉しいサポートを、国内自動車メーカーも展開してくれることを願わずにはいられない。

プジョー、シトロエン、DS 3年以上乗るなら安価で2年保証付きの純正「補修部品」…グループPSA ユーロレパー

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 軽自動車よりも小さい! 15歳から運転できるオペル、約132万円から販売
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る