コロナ“1年後”に関する意向調査結果…マイカー移動、保有、シェアは限定的 デロイト

デロイトトーマツ・グループ記者説明会(9月10日、オンライン)
デロイトトーマツ・グループ記者説明会(9月10日、オンライン)全 9 枚

通勤の移動は1年後も減少、移動は安全性重視に---。デロイトトーマツ・グループは9月10日、ポストコロナにおけるモビリティ・働き方・サイバーセキュリティに関して記者説明会を開催した。

デロイトトーマツ・グループは、新型コロナウイルス感染症が影響をおよぼすと考えられる、“1年後”の移動・クルマに対する消費者意識について、2020年6月に日本全国3120人を対象に調査した。その結果と2018年に実施した同内容の調査結果とを比較分析し、コロナ前後の人々の移動・クルマに対する意識の変化をまとめた。

移動に対する意識の変化
通勤は減り、中核都市でマイカー移動が増加

1年後を見すえた移動目的別の年間移動距離においては、2018年調査と比較し、通勤目的の移動割合が11.5ポイント減少する見込みとなった。いっぽうで私的な移動(買い物、外食、観光・レジャー、ドライブ、通院・診療)は、相対的に増加すると見込まれる。

また、回答者の約25%が1年後もリモートワークによる通勤の減少を想定している。ただし、リモートワーク進展の結果、郊外への引っ越しなどを計画している人は5%未満で、居住地の変更に関してコロナの影響はまだ限定的だ。移動手段の変化移動手段の変化

移動距離においては、「3密」を生み出しやすい電車での移動が大きく減少する見込みだ。電車の代替手段として、3大都市(東京23区、名古屋、大阪)では自転車・徒歩が、中核都市ではマイカー移動が増加すると見込まれる。電車が密の状況ではない地方部においては、電車を回避する傾向は見られない。

感染拡大防止のための個人情報の収集・利活用については43.5%が賛成しており、個人情報の開示に対する前向きな声は、動態監視や移動情報の利用に追い風と推測される。個人情報の利活用に対する意識個人情報の利活用に対する意識

クルマに対する意識の変化
コロナはマイナス、シェアは限定的

クルマに対するイメージで、無関心層は前回調査より5.8ポイント上昇し、66.4%を占めた。コロナによる公共交通回避から自動車保有の指向の上昇が予想されていたが、調査結果では、消費者の意識にマイカーへのポジティブな傾向は見られなかった。

マイカーの将来保有意向では、現在の保有者の継続保有意向は8割近くを占める。いっぽうで、現在非保有者の中で「将来も保有しない」と回答した人の割合が2018年の調査から約11ポイント増加し67.0%となり、クルマ離れが加速している。特に若年層と都市部においてその比率が高く、コロナがマイカー保有を促進する傾向は見られない。経済的な背景を非保有の理由とする声が多く、むしろコロナによる景気減速がうかがえる。

調査では「公共機関は避けたい、でも自家用車は持ちたくない」という解決策なき回答が散見された。第三の選択肢と見られていたシェアリングなどの新モビリティについては、認知度、使い勝手、衛生面などで消費者を満足させるレベルに至っておらず、利用意向は限定的だった。クルマのイメージクルマのイメージ

「COVID-19によるライフスタイルの変化」調査概要
●実施時期:2020年6月19日~21日
●調査手法:Webによるアンケート調査
●調査対象:計3120人
性・年代・地域の構成比は日本人口構成比と同じ

《高木啓》

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