【スバル レヴォーグ 新型試乗】正統派国産ワゴン!初代の素直さを正常進化…諸星陽一

スバル レヴォーグ STI Sport(プロトタイプ)
スバル レヴォーグ STI Sport(プロトタイプ)全 16 枚
2代目『レヴォーグ』発売に向けて、スバルはさまざまなイベント、広報、PR活動を展開している。そのなかでメディア向けには2度の試乗会が開催された。

1度目は日本自動車研究所(JARI)のテストコース、2度目は千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで、いずれもクローズドコース。発表前、ナンバー取得前のクルマだから当然といえば当然。走行距離も時間もわずかで、コースも特殊なこの2回の試乗会から感じたことをお届けしたい。

◆初代が持っていた性能のすべてを上方向にシフトした


2度の試乗会を通じて感じたのは、今回のモデルチェンジは完全なる正常進化であるということ。初代レヴォーグが持っていた性能のすべてを上方向にシフトしたといっていい。走りについてはJARIでのパイロンコース、袖ヶ浦フォレストレースウェイでのサーキット走行での印象だ。

新型はドライブセレクトモードという機構が採用される。従来のSIドライブではエンジンの出力特性のみが調整されたが、ドライブセレクトモードではエンジン出力特性、パワステ、ダンパー減衰力、エアコン、AWD、アイサイトという多機能に渡って調整が可能となった。

デフォルトで用意されているモードは、コンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツ+の4つとなる。この手の装備は極端に変更して試すのが一番わかりやすい。JARIのパイロンコースでも袖ヶ浦フォレストレースウェイでもコンフォートとスポーツ+のモードを試した。


スポーツ+でパイロンコースを走るとクルマの動きがシャキッと引き締まっていることが確認できる。先代モデルよりもタイヤがコンフォート寄りになっている印象で、攻め込んでいくと最後に破綻した際の挙動が大きめとなるが、ここに至るまでの速度が高くなっているという特性もあるからだろう。

驚くべきは、同じコースをコンフォートで走ってもステアリングを切った最初の動きに少し遅れを感じるくらいでその先は同じように走るのである。じつはコンフォートモードであってもダンパーの減衰力を高める必要がある際は、クルマ側が判断してダンパー減衰力がアップするのだ。

これは逆もまた同じで、試乗コース最後に用意された波状路はコンフォートで走れば最初からハーシュネスをよく除去しているが、スポーツ+であっても最初に強い入力をうければその後はしなやかな動きになるところがすごく、変わり身の早さに感心させられる。


スバル レヴォーグ 新型(プロトタイプ)のフロントダンパー

◆スムーズ感と正確さを増したステアリング

スバル レヴォーグ GT-H(プロトタイプ)
袖ヶ浦フォレストレースウェイの本コースを使っての試乗でも、乗り心地のよさを最初に体感した。ピットからコースに出て行く際のちょっとした動きでサスペンションの動きに抵抗がない感じがよく伝わってきた。走行モードはスポーツ+だ。インベタでコースインし縁石にタイヤを乗せてみても、動きがスムーズで懐の深さを感じることができる。

コーリング時の動きもじつに素直で気持ちのいいもので、ステアリングの切り始めからしっかりとノーズがインを向いてくれる。今回、ステアリングシステムを従来の電動パワステから、デュアルピストンに変更したことによって、よりスムーズ感と正確さを増したことも見逃せない。ロールの発生から維持、そして終息までの動きによどみはなく、挙動が一定しているところがより運転のしやすさとなって表現されている印象だ。


スバル レヴォーグ 新型(プロトタイプ)の電動パワーステアリング
加速感は初代よりかなりいい。初代よりエンジンのパワー&トルクがアップされているのはもちろんだが、CVTの変速幅を広げたことで低速側の変速比も低くなり、より力強い加速を得ることができるようになっている。サーキットだけでなく高速での走りではこうしたギヤ比のワイド化は非常に有利。力強い加速を得られるとともに、高速走行時の回転数をダウンして静粛性の向上と燃費ダウンが期待できる。

新しいアイサイトについても試乗と体験をしているが、それはまた別の機会に執筆したい。今回は価格発表前ということで、オススメ度については評価を控えたい。

スバル レヴォーグ GT-H(プロトタイプ)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:(価格発表前のため未評価)

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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