BMW二輪に初の「M」、『M 1000 RR』…サーキット仕様

192kgの軽量ボディに最大出力212psのエンジン

エアロダイナミクス性能の向上でラップタイムを短縮

BMW モトラッド初のMブレーキとMカーボンホイール

BMW M 1000 RR
BMW M 1000 RR全 20 枚

BMWの二輪部門のBMWモトラッドは9月23日、BMW モトラッド初の「Mモデル」、BMW 『M 1000 RR』を欧州で発表した。

BMWモトラッドは2018年、モーターサイクル向けにMを導入すると発表して以来、Mのオプション装備と「Mパフォーマンスパーツ」を発売してきた。そして今回、BMW モトラッド初のMモデルを欧州で発表した。BMW M 1000 RRは、『S 1000 RR』をベースとしたMモデルになる。

192kgの軽量ボディに最大出力212psのエンジン

M 1000 RRに搭載されている水冷式直列4気筒エンジンは、S 1000 RRのパワートレインがベースだ。レーシングスポーツエンジンに適したように変更を加えた可変バルブタイミングと、バルブリフトのBMW「シフトカム」テクノロジーを採用している。

最大出力は212ps/14500rpm、最大トルクは11.5kgm/11000rpmを獲得する。このエンジンは最高回転数が15100rpmに引き上げられるなど、技術的な変更を受けた。例えば、新しいマーレ社製の2リング鍛造ピストン、燃焼室の変更、13.5に上昇した圧縮比、長く軽くなったパンクル社製のチタン製コネクティングロッド、スリムに軽くなったロッカーアーム、新しいダクト形状の完全機械加工したインテークポート、最適化したカムシャフトとインテークエリアなどがある。軽量エグゾーストシステムもチタン製だ。

エンジンは、サーキットでのドライビングダイナミクスに重要な6000~15100rpmの回転域において、ベースモデルのパワートレインよりもさらにパワフルになった。このエンジンを、車両重量192kgの軽量ボディに組み合わせている。

エアロダイナミクス性能の向上でラップタイムを短縮

開発においては、エアロダイナミクス性能が重視された。レースで勝利するために必要不可欠な最高速を、可能な限り高くした。また、加速時のホイールと路面とのコンタクトを、可能な限り高めることをも目指した。サーキットと風洞施設でのテストを通じて、フロントトリムのクリアコートのカーボン製Mウイングレットが開発された。

このMウイングレットは、速度に応じて空力的なダウンフォースを生成し、ホイールロードを増大させる。フロントホイールのホイールロードの増大によって、ウィリーの傾きが相殺され、トラクションコントロールの制御が減り、さらに多くの駆動力が加速に変換され、ラップタイムの短縮が可能になる。カーブやブレーキング時にも、ウイングレットは効果を発揮する。ダウンフォースによって遅めのブレーキングが可能になり、コーナリング安定性が向上するという。

BMW モトラッド初のMブレーキとMカーボンホイール

シャシーには、センターピースにアルミ製ブリッジフレームを採用した。倒立フォークは最適化され、セントラルスプリングストラットは、ブルーのスプリングと「フルフローター・プロ・キネマティクス」を組み込んでいる。シャシー開発の主要な目標は、サーキットでのラップタイムを可能な限り短縮することとした。動力性能の最適化、ブレーキングとアンチスクワット制御に関しても、細心の注意が払われたという。

M 1000 RRは、四輪車のMカーと同様のMブレーキが装着された初のBMWのモーターサイクルだ。スーパーバイク世界選手権でのレーシングブレーキの経験を生かして開発され、最大限のフェード安定性と制御性を発揮することを狙った。Mブレーキキャリパーは陽極酸化処理でブルーにコーティングされ、Mロゴが付く。Mカーボンホイールも装着されている。

メーターパネルには、「Mスタートアニメーション」が備わる。オプションの「アクティベーションコード」を使用すると、メーターパネルのOBDインターフェースを通じて、M GPSラップトリガーとM GPSデータロガーを使用するためのデータが得られる、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  5. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る