ポールスター、次世代4ドアEVグランドツアラーの量産化を発表…北京モーターショー2020

フロントグリルに2つのレーダーセンサーと高解像度の広角カメラ

縦向きの大型15インチタッチスクリーンと12.5インチのドライバーディスプレイ

グーグルAndroidを搭載した次世代のヒューマン・マシン・インターフェイス

ポールスター・プリセプト(北京モーターショー2020)
ポールスター・プリセプト(北京モーターショー2020)全 28 枚

ボルボカーズ傘下の高性能車開発メーカーのポールスターは9月26日、中国で開幕した北京モーターショー2020において、コンセプトカーの『プリセプト』(Polestar Precept)の量産化を決定した、と発表した。

プリセプトは、次世代の4ドアEVグランドツアラーを提案したデザインスタディだ。車名の「Precept」は、先駆ける、を意味する「Pre」に、コンセプトを合わせた造語となる。ポールスターによると、将来のビジョンを示すコンセプトカーになるという。

大容量のバッテリーパックは、3100mmのホイールベース間にレイアウトした。長いホイールベースは、低いルーフにもかかわらず、大容量バッテリーの搭載とインテリアスペースの拡大を可能にした。この4ドアのグランドツアラーは、後席の足元と頭上の空間を確保しながら、低く洗練されたシルエットを追求している。

フロントグリルに2つのレーダーセンサーと高解像度の広角カメラ

フロントグリルは、ポールスターの「SmartZone」に置き換えられた。エンジン冷却用の空気を導入する必要のないEVのため、フロントグリルには、安全センサーなど先進運転支援システム(ADAS)用のテクノロジーが組み込まれる。

フロントグリル部分の透明なパネルの向こう側には、長距離と中距離の2つのレーダーセンサーと高解像度の広角カメラを装備した。ガラスルーフの上には、自動運転用のLiDARセンサーが取り付けられた。最新の LEDヘッドライトは、さらにダイナミックなデザインに進化している。

プリセプトでは、フロントフェンダーを上下に2分割し、上側のフェンダーをボンネットと一体設計とした。これにより、エアロダイナミクス性能が向上し、車両の航続が延びるという。リアでは、ワイドなライトブレードが車両の幅全体に広がっている。

前輪後方のエアダクトは、ホイールハウスからの空気の排出を促進し、車両側面の空気の流れを最適化する。後輪の前後にあるエアダクトは、ブレーキの冷却とホイールハウスの減圧に貢献している。22インチのホイールも、エアロダイナミクスを追求したデザインだ。CピラーのLEDサイドマーカーには、充電状態を表示する。

縦向きの大型15インチタッチスクリーンと12.5インチのドライバーディスプレイ

ポールスターのプリセプトでは、縦向きの大型15インチタッチスクリーンが、12.5インチのドライバーディスプレイと照明付きのブレードでつながり、デジタルコックピットを構築する。ポールスターのエンブレムが、後席のヘッドレストの間のスウェーデン製クリスタルの中に、ホログラフィックで浮かんで見えるようにした。

また、アイトラッキングにより、車両がドライバーの視線をモニターする。それに応じて、画面のさまざまなコンテンツを調整できる。さらに近接センサーが、運転中のセンターディスプレイの使いやすさを向上させる。

この15インチの大型デジタルインターフェイスは、ドライバーを認識し、デジタルキーによって設定や個人コンテンツの認証を行う。駐車中や充電中には、ビデオストリーミングサービスが利用できる。

グーグルAndroidを搭載した次世代のヒューマン・マシン・インターフェイス

グーグルの「Android」を搭載した次世代のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)は、ポールスターとグーグルとの緊密なコラボレーションから生まれた。ボルボカーズはグーグルと提携し、アンドロイドを搭載したインフォテイメントシステムに、「グーグル・アシスタント(Google Assistant)」、「グーグル・マップ(Google Maps)」、「グーグル・プレイ・ストア(Google Play Store)」を組み込んでいる。ボルボカーズとグーグルは、過去数年にわたり、共同開発を進めてきた。

この新しいシステムによって、グーグルのオープンソースのアンドロイドプラットフォーム、「アンドロイド・オートモーティブOS(Android Automotive OS)」を車載化し、グーグル・マップやグーグル・アシスタント、自動車用アプリなどのサービスを、リアルタイムで更新できるようになる。

《森脇稔》

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