マクラーレン、765馬力の軽量モデル「765LT」生産開始…納車は10月末から

ベース車両の720Sよりも80kg軽い

ロングテール部分には可動式リアウィング

0~100km/h加速2.8秒で最高速330km/h

マクラーレン 765LT
マクラーレン 765LT全 20 枚

マクラーレンオートモーティブは9月23日、マクラーレン『765LT』(McLaren 765LT)の生産を開始し、納車を10月末から始めると発表した。限定生産台数765台のうち、2020年生産分はすでに完売しており、2021年生産分も限定台数を超える関心が寄せられているという。

マクラーレン765LTは、マクラーレンの「LT」の歴史おいて、次なる章を刻むモデルになる。LTとは、ロングテールを意味し、伝説的なレーシングカーのマクラーレン『F1 GTR ロングテール』に由来する。同車は1997年のFIA GTカテゴリーにおいて、11戦中、5レースで勝利。さらにルマンのGT1クラスでも、3位におよそ30周の差をつけ、ワンツーフィニッシュを達成した。

マクラーレンオートモーティブは、このLTの名前を冠した『675LT』を2015年に、『600LT』を2018年に限定発売した。それぞれ、クーペとスパイダーが用意され、ベース車両『720Sクーペ』に対して、軽量化や高性能化が図られている。

ベース車両の720Sよりも80kg軽い

マクラーレン765LTでは、軽量化に取り組んだ。例えば、チタン製エグゾーストシステム、F1向けのトランスミッション素材、薄型ガラス、モータースポーツ仕様のポリカーボネートガラスなどを採用した。

また、ナンバープレートのホルダーはカーボンファイバー製。専用のエアロパーツとして、フロントリップスポイラー、フロントバンパー、フロントフロア、サイドスカート、リアバンパー、リアウィング、リアディフューザーもカーボンファイバー製とした。

ボンネット、フロントフェンダー、ドア、リアフェンダーも、オプションでカーボンファイバー製に変更できる。る。765LTの車両重量は1339kgで、720Sクーペより80kg軽い。また、乾燥重量は1229kgに抑えられた。

インテリアは、モータースポーツに着想を得た。カーボンファイバー製レーシングシート、カーボンファイバー製センタートンネル、カーボンファイバー製フロア、軽量のアルカンターラが採用される。カーボンファイバー製のリアアッパーガラス構造に組み込まれたオプションの二重ガラスパネルは、V8エンジンを見せる演出が施される。エアコンとオーディオシステムは、重量を最小限に抑えるために装備されない。ただし、追加費用なしで装備できる。

ロングテール部分には可動式リアウィング

765LTでは、シャシーダイナミクスが強化された。専用のスプリングとダンパーが装備されている。最新のリンク式油圧プロアクティブシャシーコントロールサスペンションが装着された。10本スポークの超軽量鍛造アルミホイール、チタン製ホイールボルト、専用のピレリ「P Zero Trofeo R」タイヤを標準装備する。

ブレーキは、カーボンセラミックディスクで、マクラーレンセナのキャリパーと、F1からヒントを得た一体型キャリパー冷却ダクトを組み合わせる。チタン製エグゾーストシステムは、独特の「LTサウンド」を発生し、スチール製システムに比べて40%の軽量化を実現している。

765LTの専用エアロダイナミクスには、マクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センターで製造されたカーボンファイバー製パネルが初めて採用された。ロングテール部分には、可動式リアウィングも備えている。

0~100km/h加速2.8秒で最高速330km/h

765LTのミッドシップには、「M840T」型4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。平面クランクシャフトとドライサンプ潤滑を備え、超低慣性ツインスクロールターボチャージャーと電子制御ウェイストゲートを備えている。LT専用の鍛造アルミ製ピストン、マクラーレン『セナ』で使用されているレイヤーヘッドガスケット、バルブトレインの超高効率カーボンコーティングを採用。専用の燃料ポンプとオイルポンプが流量を最適化し、専用チューンされたエンジンマネジメントシステムが、出力の増加を制御する。これらの結果、最大出力は765ps/7500rpm、最大トルクは81.6kgm/5500rpmへ引き上げられた。

7速「SSG(シームレス・シフト・ギアボックス)」トランスミッションのギア比は、765LT用に最適化されており、スロットル入力に対して、ほぼ瞬時のレスポンスを可能にする。765LTは0~100km/h加速2.8秒、0~200km/h加速7.0秒、最高速330km/hの性能を発揮する、としている。

《森脇稔》

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