【トヨタ ヤリスクロス 新型試乗】知れば知るほど感心させられる一台…九島辰也

ノッポなヤリス、ではない

Cセグ、いやDセグに近い安定感

出だしでその威力が発揮される本格四駆

トヨタ ヤリスクロス
トヨタ ヤリスクロス全 16 枚

ノッポなヤリス、ではない

トヨタ ヤリスクロス(左)とヤリストヨタ ヤリスクロス(左)とヤリス
去る8月末日に『ヤリス』のSUV版ともいえる『ヤリスクロス』が販売を開始した。ヤリス同様、販売は好調のようである。とはいえ、コンパクトハッチのヤリスをそのままノッポにしたわけではない。

【画像全16枚】

ヤリスクロスのユーティリティは想像以上に広く、使い勝手がいい。カーゴスペースにはゴルフバックがそのまま横に置ける幅がある。しかも重ねて2つ。また、リアシートもこのクラスにしてはしっかり3分割されており、センターを倒すと長尺物も積める。パッケージングはかなり考えられていそうだ。

動力源は、1.5リットル直3ガソリンユニットと、それプラスモーターのハイブリッドが用意される。駆動方式もそれぞれFWDと4WDという設定だ。

Cセグ、いやDセグに近い安定感

トヨタ ヤリスクロストヨタ ヤリスクロス
試乗したのはガソリンのFFとハイブリッドのE-four、それとハイブリッドのFFだ。

気に入ったのは断然ハイブリッドのFFで、加速、高速巡航、操縦安定性、そして乗り心地すべての面でかなり高いレベルに仕上がっている。安定感はBセグメントというよりCセグメント、いやDセグメントに近い。ハンドリングは軽快で小さいクルマ特有のキビキビさがあるのに、しっかりした頼もしさも感じられる。

トヨタ ヤリスクロス(ハイブリッド)トヨタ ヤリスクロス(ハイブリッド)
これに対し、ガソリンのFFもキビキビ走って楽しいのだが、アクセルに対するパワーの出方が場面によっては若干プアに感じたり、乗り心地も路面によってはピッチングが起きることもあった。この辺は18インチのタイヤサイズが関係しているのかもしれない。16インチではまた違った印象になるであろう。

もちろん低価格のコンパクトハッチの延長線上にあると鑑みればこれでOKだが、先に記したハイブリッドのFFの走りを体感すると優劣を感じてしまう。

出だしでその威力が発揮される本格四駆

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-fourトヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-four
そうした一般道の走りとは別に、今回はちょっとした四駆性能を試せる小道具も用意された。スチールで組んだモーグルやボディの最大傾きを体験するものだ。

そこで、感じたのは意外なまでの四駆システムの力強さ。日常四駆としてはかなり手応えがありそうだ。具体的にはガソリンエンジン車ではプロペラシャフトでフロントのトルクをリアへ可変するというもの。フロントの方輪が空転すると対角線上のリアタイヤにグイッとトラクションがいく。このときプロペラシャフトとリアデフが繋がるというわけだ。

ハイブリッドのE-fourはまた別の機構でそれを行う。そもそも前輪と後輪が独立しているのでフロントの空転を察知するとコンピューターがモーターでリアを駆動させるのだ。ちなみに、この2つのシステムは『RAV4』が持つ四駆システムと同じ原理。お金のかかるトルクベクタリング方式以外の2つだ。

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-fourトヨタ ヤリスクロス ハイブリッド E-four
このシステムは路面が滑りやすい時もそうなのだが、実は出だしでその威力が発揮される。青信号でアクセルをグイッと踏んだとき、ガソリンはクリープ状態から、ハイブリッドは一歩遅れてリアも駆動する。これがこのクルマをスーッと走らせる立役者になっている。

というのがヤリスクロスのファーストコンタクトだが、このクルマには安全装備などかなり色々な新技術が取り入れられている。知れば知るほど感心させられる一台だ。

トヨタ ヤリスクロストヨタ ヤリスクロス

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

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