BMW、『iX3』を生産開始…ブランド初のピュアEVのSUV

BMW「eDrive」は第5世代に

モーターは最大出力286hp

1回の充電での航続は最大520km

《photo by BMW》
《photo by BMW》全 18 枚

BMWグループ(BMW Group)は10月2日、新型EVのBMW『iX3』の生産を中国瀋陽の合弁工場で開始した、と発表した。世界市場に向けて出荷される予定だ。

BMW「eDrive」は第5世代に

iX3は、BMWブランド初のEVのスポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)だ。EVパワートレインには、BMWグループにとって、第5世代のBMW「eDrive」テクノロジーが搭載される。

第5世代のBMW eDriveテクノロジーに使用されるすべてのパワートレインコンポーネントは、自社開発された。さらに、電気モーターと高電圧バッテリーは、自社工場で生産される。駆動ユニットと高電圧バッテリーユニットは、出力や蓄電容量を柔軟に変更できるため、さまざまなコンセプトやセグメントの車両に搭載できるという。

BMW iX3の第5世代BMW eDriveテクノロジーは、電気モーター、エレクトロニクス、トランスミッションを中央のハウジングに一体設計し、ドライブユニットに集約した。その結果、設置スペースと重量を大幅に削減する。高度に統合された駆動システム技術により、BMW『i3』と比較して効率が大幅に向上しているという。

また、電気駆動システムの出力密度は、BMWグループの既存のフルEVに比べて30%増加した。セルレベルでの高電圧バッテリーの重量エネルギー密度も、20%上昇する。最新の電気モーター、パワーエレクトロニクス、充電技術、高電圧バッテリーは、2021年からBMW 『iNEXT』やBMW『i4』にも搭載される予定だ。

モーターは最大出力286hp

BMW iX3に搭載される電気モーターは、最大出力286hp、最大トルク40.8kgmを引き出す。電気モーターは後輪に動力を伝達し、0~100km/h加速を6.8秒で駆け抜ける。BMWによると、0~100km/h加速はガソリンエンジン搭載の『X3』の「30i」グレードの6.4秒に迫るという。iX3は最高速180km/hでリミッターが作動する。

Bレンジでは回生ブレーキが強めに作動し、アクセルペダルのみを使った1ペダル感覚で運転できる。回生ブレーキのレベルは、3段階で調整できる。アダプティブ回生は、ブレーキエネルギー回生と惰性走行を状況に応じて調整することで、運転の快適さと効率を高めている。

BMW iX3の高電圧バッテリーユニットは、BMWの第5世代eDriveにとって、不可欠な部分となる。一貫した研究開発体制により、エネルギー密度を高めるだけでなく、バッテリーセルのすべての特性、とくに耐久性と安全性を引き上げているという。

BMW iX3の高電圧バッテリーユニットは、車両フロアの平らな位置に搭載される。このレイアウトのおかげで、BMW X3のプラグインハイブリッド車(PHV)と比較して、室内と荷室のスペースを犠牲にしていないという。

1回の充電での航続は最大520km

iX3のバッテリーの蓄電容量は80kWhだ。1回の充電での航続は、WLTPテストサイクルで最大460km、NEDCテストサイクルで最大520kmを実現する。

駆動コンポーネントの高い効率と高電圧バッテリーユニットの高エネルギー密度のおかげで、BMW iX3は、より大型で重量のあるバッテリーを搭載したEVと同等の航続を可能にしているという。

バッテリーは、最大150kWの出力で急速充電できる。バッテリーの8割の容量なら、約34分で充電することが可能だ。10分の充電で、100kmの航続に必要なバッテリー容量を充電できる。顧客は、「IONITY」の急速充電ステーションを、割引料金で利用できる、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る