【マツダ MX-30】気になるポイント…価格、EV、ロータリーレンジエクステンダー、ターゲット

なぜマイルドハイブリッドからの市場投入なのか

EV仕様の販路は当初企画より拡大

戦略的な価格設定とオプション設定

コロナ禍でオンラインマーケティングを強化

CX-30と違う新しい顧客層

マツダMX-30
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マツダ『MX-30』の国内市場における販売開始が8日、正式発表された。導入されたのはマイルドハイブリッドであり、なぜ欧州のようにEVではないのか。販売方法やマーケティングは? 発表内容から気になるポイントをいくつか紹介する。

なぜマイルドハイブリッドからの市場投入なのか

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東京モーターショー2019ではEVコンセプトとして発表され、欧州では9月から出荷が始まっている。日本でもEVの導入がアナウンスされていたが、先に発売されたのはマイルドハイブリッド版だ。誰もが思うのは「なぜEVではなくマイルドハイブリッドからの市場投入なのか?」という点だろう。多くの人は「日本ではEVは売れないから」という分析をしがちだ。

EVは、日本ではHVより売れていないのは事実だ。日本ではニーズのありそうなハイブリッドからという戦略には一定の説得力がある。しかし、マツダ側の説明は若干ニュアンスが異なる。

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マツダのパワートレインは、マルチソリューション戦略の元、ガソリン、ディーゼル、マイルド、ストロング、レンジエクステンダーを含む各種ハイブリッド、バッテリーという複数のパワーソース・システムの組み合わせで考えられている。設計コンセプトの部分では、ビルディングブロック戦略の元、まずガソリンエンジン、ディーゼルエンジンを究極まで効率化し、その上でモーターやバッテリー、プラグインなど電動化技術を積み重ねていく。

MX-30は、その中で電動化技術のベースとなるモデルとして開発された。欧州ではニーズが高まるEVからの投入としたが、国内は電動化モデルの普及を考えて、多くの消費者が選択しやすいガソリンエンジン(SKYAVTIV-G)のマイルドハイブリッドエンジンとしたという。

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おそらく、EV指向の低い日本市場を考慮しての判断と思われる。ストロングハイブリッドにしなかったのは、車両コストが上がるという点が影響しているのだろう。

マイルドハイブリッドは欧州メーカーに採用が多い。ディーゼルが環境性能戦略を担っていた欧州は、複雑で高価で、開発着手も遅れたストロングハイブリッドをパスして、一気にEVにシフトする戦略が如実になってきている。投資をするならBEVであり、ハイブリッドはCAFE規制対応期間のつなぎとするわけだ。

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SKYACTIVエンジンがあるマツダも、いまからストロングハイブリッドに注力するより、ロータリーレンジエクステンダー(シリーズハイブリッドの系列)やBEVを実用化させたほうが長期的な投資効果が期待できる。

今回の発表でも、MX-30開発主査である竹内都美子氏は、ロータリーエンジンによるレンジエクステンダー車両の開発は継続中で、しかるべきタイミングには発表すると述べている。

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EV仕様の販路は当初企画より拡大

竹内主査は、2021年1月を予定しているEV版のMX-30も、法人向けリース販売からその他の販売方法も検討しているという。その理由について、国内営業本部ブランド推進部でMX-30マーケティング担当の齊藤圭介主幹は、当初はリース販売で販路開拓やEVマーケットの知見を得るつもりだったが、一般顧客からの問い合わせや期待する声を受けたからだ、と補足した。さらに、どのような販売方法になるか、詳細は1月に発表できるだろうとも付け加えた。

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戦略的な価格設定とオプション設定

EV版がどのような販売方法になるかは不明だが、マイルドハイブリッド版の販売方法について、いくつかの新しい取り組みが発表された。

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まず、ベースグレードの価格は242万円とかなりリーズナブルな設定となっている。マツダによれば戦略的価格という位置づけで、ストロングではないハイブリッドながら、スマートブレーキサポート・レーダークルーズコントロール・ハイビームコントロール・AT誤発進抑制制御などが搭載されるモデルだ。

それ以外のアダプティブヘッドライト、右直事故回避アシスト(右折時の対向車線からの車両検知)、クルージング&トラフィックサポートなどのADAS機能、本革ステアリング、シート素材、メモリ機能つきパワーシート、ステアリング・シートヒータ、ドライバーモニタリングや360度ビューモニター、ボーズサウンドシステム、エクステリアパッケージといった装備は、細かくメーカーオプションで選ぶことができる。

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多くのメーカーオプションは、自動運転機能やハイブリッドシステム、トランスミッションなど車両のグレードに直結する装備が対象となっているが、MX-30では好きなADAS機能、必要な機能だけ選ぶことができ、それによって価格の調整も可能になっている。たとえば、シート素材のこだわりはないが自動運転機能が欲しいと思うと、高いシートとセットになってしまう、このグレードとこのグレードの間はないのか、といったニーズに応えることができるという。

なお、オプション選びが面倒と感じる人に向けては100周年記念モデル(315万7000円)という「全部入り」モデルも設定されている。

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コロナ禍でオンラインマーケティングを強化

装備がカスタマイズできるだけではない。これらの見積もりはオンラインで細かくシミュレーションすることが可能だという。コロナ禍で外出やディーラーに頻繁に通えない人も、ネット上で情報を調べることができ、ディーラーへの商談申し込みなどもオンラインで可能だ(筆者としては、オンラインで購入できるところまで踏み込んでほしかった)。関連して、VRコンテンツの強化、SNSやインフルエンサーを使った情報発信など、在宅でも充分な商品検討ができる体制も整えるという。

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CX-30と違う新しい顧客層

在宅やオンラインを意識した取り組みは、コロナ禍以外に、新しい顧客層との親和性も考えての施策だという。MX-30が想定するターゲットは、オープンマインドで変化に対する柔軟性もあり、固定観念に捕らわれない女性・独身・カップルだという。車に対しても、これまでの価値観を持つ人ではないということだ。

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MX-30がでたとき、さらにそれがハイブリッドで販売されると聞いたとき、「『CX-30』との違いは?」と疑問に思った人が少なからずいたと思う。両開きの「フリースタイルドア」の使い道がわからないと思ったかもしれない。あえていえば、そう思わなかった人がMX-30の購買層だということだ。

視点を変えれば、このような購買層は、おそらく既存OEMが開拓できていない、いわば「車離れ層」といえるかもしれない。開発主査の竹内氏の言葉を借りれば「わたしらしく生きる」人の「心を整えるクルマ」だ。おそらく、彼らはハイブリッドがストロングかマイルドかはこだわらないし、EV版がでてもそれを受け入れるだろう。フリースタイルドアも思いもよらぬ価値を見出すかもしれない。

MX-30開発主査の竹内都美子氏MX-30開発主査の竹内都美子氏

《中尾真二》

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