スバルの「安心・安全」思想に水を差す、旧タカタのシートベルト不正900万本も[新聞ウォッチ]

スバル・レヴォーグ新型と中村社長
スバル・レヴォーグ新型と中村社長全 1 枚

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

SUBARU(スバル)の中村知美社長が新型『レヴォーグ』のオンライン発表会でも力説していたのは「より遠くへより早く、より快適により安全に」というツーリング思想。新たに開発した「アイサイトX」では、高速道路上で約50km/h以下の場合に限り、ハンドルから手を離せる、いわゆる「手放し」も可能という斬新の運転支援システムという。

スバルに限らず、自動車メーカー各社は交通事故死ゼロを目指す技術開発競争にしのぎを削っているようだが、そんな「安心・安全」のツーリング思想を逆なでするようなニュースを、3日も連続で取り上げざるを得ないのはつらいものがある。

きょうの日経によると、自動車部品大手メーカーのジョイソン・セイフティ・システムズ・ジャパン(JSSJ、旧タカタ)のシートベルトの品質不正問題で、強度が法令違反にあたる製品が国内だけでも900万本にのぼる見通しとなったという。

国土交通省が試算したそうで、問題のシートベルトを装備した自動車のリコール(回収・無償修理)も国内だけでも200万台に及ぶ可能性があり、海外への出荷分を含めるとさらに拡大する恐れもあるようだ。また、日経は「チャイルドシート用ベルトでも強度データを改ざんしていた」とも伝えている。

旧タカタの欠陥エアバッグの大規模リコールは世界で約1億個にも及んで、死傷者への補償や回収費用も膨大だった。今度のシートベルトのリコールがどこまで発展するのかは現時点では見通せないが、新型コロナの影響で新車需要が低迷し、自動車各社はその対策に躍起となって取り組んでいる最中、まさかの命につながる安全を軽視するという厄介な問題を抱え込み、新たな対応に追われることは大きな痛手だろう。

2020年10月16日付

●ICチップに運転情報、マイナンバーカード(読売・2面)

●自動運転の実用化加速、スバル「レヴォーグ」発表、大手相次いで投入予定(読売・10面)

●西武HD800億円資本増へ、みずほ・政投銀に「優先株」(読売・11面)

●新たな生活様式技の競演、シーテック20日からオンライン開催(朝日・8面)

●ダイハツ36万台リコール(朝日・33面)

●トヨタ、中国にHV技術、広州汽車に供給、環境車優遇生かす(日経・1面)

●日産、苦渋の高金利調達、海外の「利回り狩り」が支え、外債1.1兆円発行、資金繰り改善(日経・2面)

●旧タカタ、不正900万本、シートベルト、車200万台リコールも、国交省試算(日経・17面)

●トヨタ系、ほけんの窓口と連携(日経・17面)

《福田俊之》

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